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DSP-AX750

YAMAHA
DSP-AX750

¥80,000(税抜)

発売:2004年3月下旬
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一層の使いやすさを追求した、ヤマハのミドルクラスAVアンプ

ビジュアルグランプリ2005 ≪AVアンプ(標準タイプ)部門賞≫受賞モデル

【SPEC】
●定格出力(6Ω):100W×7ch ●実用最大出力(6Ω):各140W ●入力端子:コンポーネント×2、D4×2、S映像×5、コンポジット×5、同軸デジタル音声×2、光デジタル音声×4、アナログ音声×8、マルチch音声×1 ●出力端子(MONITOR OUT):コンポーネント×1、D4×1、S映像×1 ●出力端子(REC OUT):コンポジット×3、光デジタル音声×1、アナログ音声×3、PRE OUT×8ch ●外形寸法:435W×171H×420Dmm ●質量:12.5kg

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

上位機種のYPAOを継承した普及価格帯機

ヤマハのAVアンプは世界でもっともラインナップが充実しているのだが、その世代交代の多くは頂点モデルから始まっている。しかし、キーデバイスの世代交代は必ずしもそうではない。つまり、このDSP-AX750は単なる中堅モデルのバージョンアップではなく、キーデバイスである音声デコーダーが世代交代されているのだ。それがヤマハオリジナルの32ビット浮動小数点演算処理LSIであるYSS-948である。これはすこぶる高性能だ。たとえば従来のYSS-938ではDTS-96/24については別のデコーダーを使っていたのだが、それができるようになったのだ。もちろんドルビーサラウンドIIXにも対応している。それとヤマハ独自のヘッドホン用サラウンドモードである「サイレントシアター」の処理も行う。

ただし、これは音声デコーダー専用なので、音場処理にはもうひとつ専用のDSPが必要になる。それがYAA-930である。これはDSP-Z9にも使われているもので、ここでは自動音場補正のYPAO機能の処理も受け持つ。すごいのは、同時に発表された下位機DSP-AX450にもこのチップセットが使われていることだ(YPAOは無し)。32ビット浮動小数点DSPが、この価格帯の機器に2個も搭載されるとは数年前までは夢物語であった。このデバイスは、今後全ラインアップの高性能化を推進するだろう。また本機は、7チャンネルのパワーアンプを搭載しているのも注目される。ヤマハ独自の前方LRのプレゼンス方式かサラウンドバック式かの、どちらかの7.1チャンネル再生が選択できるのである。それとビデオ信号のアップコンバート、ダウンコンバートが出来るのは便利だ。

CDもDVDも明快志向の音だ。声にボディー感があり、こわもての効果音でも力強さを発揮している。音場の密度もしっかり再現されるし、シネマDSPにより繊細な余韻も表現できるのは頼もしい。気はやさしくて力持ち、しかも万能AVアンプといいたい機能性も高水準だ。だから万人に推奨できるのだが、決して薄味で無難な落としどころをねらったわけではない。ヤマハが近年提唱している「ハイカレントアンプ」手法は佳境に入ったようだ。中高域のエネルギーを要求するスピーカーとも相性はいいのだ。

(text:吉田伊織)

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