生音を大切にするミュージシャンへ
【10月27日発売『Net Audio vol.4』】− 音の良いスタジオを訪ねる〜世田谷・パストラル・サウンド〜
10月27日に発売を予定している『Net Audio Vol.4』。同号で訪れている世田谷のレコーディングスタジオ「パストラル・サウンド」をご紹介しよう。
パストラル・サウンドは、1939年から「音響効果」の仕事を一筋に追求してきたエンジニア 園田芳龍氏の精神を受け継いでさらに発展させるべく、同氏の息子である園田芳伸氏によって1979年5月に設立されたレコーディングスタジオである。これまで演劇の舞台効果に始まり、映画、テレビ、プラネタリウム、舞踊、イベント、展示映像の音楽制作や効果音制作、選曲を主に手がけてきた。そして2004年、現在居を構える世田谷区奥沢のスタジオに巡り会う。現在は、3代目となる芳伸氏の息子 園田圭吾氏が、この恵まれた音響空間を活かすべく独自のレコーディングスタジオを創り上げている。
圭吾氏にパストラル・サウンドの魅力を伺うと、なによりもまず「このスタジオは、生楽器の音をきれいに録りたいと考えているミュージシャンやアーティストに、ぜひご利用いただきたい」との答えが返ってきた。スタジオは十分な天井の高さを確保した空間で、録音ブースはメインブース、ピアノブース、単楽器ブースに分かれており、楽器本来の響きを求めるのに欠かせない同時レコーディングに対応する。NeumanのU87などのマイクを始め、millennia HV-3Dマイクプリや、マスターコンプにNEVE 33609を導入するなど、用意されている機材を見ても生音の録音に関して強いこだわりが感じ取れる。圭吾氏によれば、「混じりけのない透き通った“素直で良い音”を録ることを目標に機材を選択し、配線にもその点を心がけている」とのこと。広いブースで収録されたマイクラインをダイレクトにプロツールスへ取り込むことで、理想的な音作りを狙っている。「利用するエンジニアやミュージシャンに、最大限のコストパフォーマンスを提供したい」との思いも含まれているそうだ。
そんなこだわりを持って運営されているスタジオなだけに、レコーディングを行ったミュージシャンやエンジニアからの信頼は篤いものがある。いま注目のギタリスト、堀聡のファーストアルバム「Satoshi Hori」や、5月に発売されたTico moonの「daydream garden」などがパストラル・サウンドで録音された。またその際、Tico moonのプロデュースを行った伊藤ゴロー氏の希望により、7月に発売されたnaomi & goro &菊池成孔のニューアルバム「calendula」もパストラル・サウンドにてレコーディングされることとなった経緯がある。そしてピアノブースにグランドピアノを常設しているのも、このスタジオの大きな特徴。その音質の良さは評判で、ジョイスやセルジオ・サントスのサポート、アミルトン・ヂ・オランダやガブリエレ・ミラバッシとの共演などで、現在ブラジル国内外のピアノ・シーンをリードする注目の若手ピアニスト アンドレ・メーマリの録音も同スタジオにて行われた。圭吾氏の話によれば「弦楽カルテットの録音などにもぜひお勧めしたい」とのことだ。
圭吾氏の言葉には「人とのつながり」というフレーズが頻繁に出てくる。「生音に対する誠実な思い、また、それを録音するためのスタジオとしてのこだわりが、ミュージシャンやエンジニアをつなぎ、新たな音楽を世に送り出していくきっかけである」と強く感じさせる。圭吾氏は「このスタジオを通じて、まだ世に出てきていない素晴らしい音楽や、才能を送り出す助けができれば嬉しい」と語った。この先、パストラル・サウンドからどんな素晴らしい音楽が生まれてくるのか、期待と楽しみは尽きることがない。
Pastral Sound
東京都世田谷区奥沢2-4-12
TEL 03-5701-7077
URL:http://www.pastorale.co.jp/
<追記>
10月27日発売の『Net Audio Vol.4』では、パストラル・サウンドで行われた、ギタリスト堀聡さんのレコーディングを取材させて頂いている。編集部ではその模様のほか、本誌のためだけに特別にレコーディングして頂いた音源をお届けできるよう『Net Audio Vol.4』の制作を進めている。ぜひ本誌発売前に堀さんの音楽に触れて頂きながら、10月27日の発売を心待ちにして頂きたい。
堀聡 First Album
「Satoshi Hori」
Moodstock & Maleta/バウンディ ¥2,625
ご購入はこちらのページ(Amazon)より
パストラル・サウンドは、1939年から「音響効果」の仕事を一筋に追求してきたエンジニア 園田芳龍氏の精神を受け継いでさらに発展させるべく、同氏の息子である園田芳伸氏によって1979年5月に設立されたレコーディングスタジオである。これまで演劇の舞台効果に始まり、映画、テレビ、プラネタリウム、舞踊、イベント、展示映像の音楽制作や効果音制作、選曲を主に手がけてきた。そして2004年、現在居を構える世田谷区奥沢のスタジオに巡り会う。現在は、3代目となる芳伸氏の息子 園田圭吾氏が、この恵まれた音響空間を活かすべく独自のレコーディングスタジオを創り上げている。
Pastral Sound
東京都世田谷区奥沢2-4-12
TEL 03-5701-7077
URL:http://www.pastorale.co.jp/
<追記>
10月27日発売の『Net Audio Vol.4』では、パストラル・サウンドで行われた、ギタリスト堀聡さんのレコーディングを取材させて頂いている。編集部ではその模様のほか、本誌のためだけに特別にレコーディングして頂いた音源をお届けできるよう『Net Audio Vol.4』の制作を進めている。ぜひ本誌発売前に堀さんの音楽に触れて頂きながら、10月27日の発売を心待ちにして頂きたい。
堀聡 First Album
「Satoshi Hori」
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