バッファローの「LS421D」

世界初、DSD対応オーディオ用NASの説明会開催 − 明日には一般向けの比較試聴イベントも

公開日 2013/07/05 21:54 ファイル・ウェブ編集部
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既にお知らせしているとおり、スフォルツァートとバッファローは、両社のDSD対応製品を組み合わせたコラボ試聴イベントをあす7月6日に開催する。場所は東京・渋谷区 studio Aで、時間は13:00〜14:00/15:00〜16:00。

スフォルツァートのネットワークプレーヤー「DSP-03」(左)とバッファローのDSD配信対応NAS「LS421D」(右)

イベントでは、DLNA経由でDSDデータを配信できるバッファローのオーディオ用NAS「LS421D」(関連ニュース)と、スフォルツァートのDSDネイティブ再生に対応するネットワークプレーヤー「DSP-03」(関連ニュース)を組み合わせた試聴を実施する。CD音源とハイレゾ音源の比較試聴や、PCMとDSDの比較試聴などを予定しているほか、DSP-03で様々な音源の試聴も行う。

イベントへの参加予約はメール([email protected])で受け付けている。詳細はこちらの公式サイトをご参照いただきたい。


世界初DSD配信対応NASが誕生するまで

あすの開催に先立って、本日プレス向けにプレイベントが開かれた。両社を引き合わせたという評論家の角田郁雄氏をMCに、バッファローの荒木甲和氏とスフォルツァートの小俣恭一社長が登場し、説明を行った。


バッファロー 荒木甲和氏

バッファローのDSD配信対応NAS「LS421D」
バッファローの荒木氏によると、同社はネットオーディオの普及をうけ、昨年秋頃からオーディオ用途としてのNASのあり方を模索すべく、ユーザーやメーカーから不満点や要望などのヒアリングをスタートしたという。当初は既存品からオーディオに向いたアイテムをピックアップして訴求していたが、今回、ヒアリングで明らかになった課題をクリアした“オーディオ向け”専用開発NAS「LS421D」発売に至ったとのことだ。

ヒアリングで明らかになった課題をクリアにした製品を世に送り出した

「LS421D」の製品概要

「LS421D」は世界初のDSD(2.8MHz/5.6MHz)配信対応オーディオ向けNAS。DLNAを利用しており、Content-Typeヘッダにより、データの中味を事前にネットワークプレーヤー側に伝えてから送出する。最初に「今から送るデータはDSDですよ」とネットワークプレーヤー側に認識させてからデータを送り出すため、プレーヤー側の負担を減らせるのが一つめのメリット。

DLNAを利用してDSDネイティブ再生ができるのが大きな特徴

現在多くの機器が採用しているDoP方式は、WAVなどと同じPCMフォーマットのコンテナにDSDの信号を当てはめ、受け取ったDAC側で順次DSDフォーマットとして読み込む。正しくデータが認識されなかった場合(PCM-DSD誤判定が起こった場合)、ポップノイズが発生し機器へ損失を与える可能性がある。DLNAでコンテンツのタイプをはじめに伝えるため、このリスクがないことが二つめのメリットとなる。

また、PCMコンテナに用意された24bitのうち16bitをDSDフォーマットの伝送、残り8bitをDSDフォーマットであることを知らせるマーカーとして記録するDoP方式に比べ、送信するデータ量が少なく済むのが三つめのメリットとなる。

今後はオーディオメーカーへサンプル機器を提供し、対応機器拡大を図っていく。さらにDLNA仕様書への追加へ向けた働きかけも行う予定とのことだ。

なおDLNA経由でのDSD再生対応を確認している機器は、現状パイオニアのAVアンプSC-LX57/VSA-1123/SC-2023、スフォルツァートのDSP-03のみだが、既発売の製品であっても、ネットワーク再生機能を備えた製品であれば、何らかのかたちで本機能に対応可能な場合もあるという。

“買ってきてすぐ使える”をコンセプトにしているため、初期設定は不要。DLNAサーバー以外の機能をオフにするなど、デフォルトでオーディオ配信に最適化した設定になっているほか、内蔵HDDは出荷時からRAID 1設定で自動でミラーリング保存を行う設定だ。英字表示設定なので、日本語表示非対応のネットワークプレーヤーでも使いやすい。

“買ってきてすぐ使える”をコンセプトに、初期設定の簡便化や分かりやすい説明書を用意した


2TBの3.5インチHDDを2基内蔵。こちらはデフォルトでRAID1設定。好みのものに入れ替えることもできる。
さらに、静音性に配慮した大口径の日本メーカー製ファンを搭載。PCレスでのデータ取り込みも視野に入れ、本体前面にはUSB3.0端子を1系統備えている。また底面全体にラバーを配することで安定性も向上させている。

静音性に配慮した大口径の日本メーカー製ファンを搭載している

底面にはラバーを配置。本体サイズも、他社製品と比べコンパクトにしている

続いてスフォルツァートの小俣社長が「DSP-03」について説明。「DSD対応のDACは増えてきたが、やはりオーディオ愛好家は“PCレスでDSD再生したい”と思うはず。でもNAS内のDSDファイルが見られないんじゃ…と思案していたところ、角田氏の紹介によりバッファローがDSD配信対応NASを開発していることを知り、自分もこのNASに対応する製品を作ろうと考えた」と小俣社長は語る。

スフォルツァート 小俣恭一社長

「DSP-03」はDLNA経由による192kHz/24bitまでのWAV、FLAC、ALAC、WMAロスレス、およびDSDの再生に対応する。DSDはDSFファイルに対応し、2.8MHz、5.6MHzの両方の再生が可能。今後、性能向上や新フォーマット再生機能追加などアップデートも順次実施予定。9月発表予定のソフトウェアアップデートでは、DIFF再生やDSDギャップレス再生にも対応するという。

ネットワークプレーヤー「DSP-03」。電源(写真下)は別筐体

「DSP-03」の背面部


DSD(5.6MHz)ネイティブ再生にも対応する

「ネットワーク機器でいちばん大切なのはクロック」(小俣氏)とのことで、超低ジッタークロックにこだわったという
超低ジッターのTCXOの採用や、DACにESS9018Sを左右独立で使用したことが特徴。別筐体の電源部はデジタル/アナログ別々に大容量トロイダルトランスを搭載している。

DACはESS社の9018Sを左右独立で使用している

電源は別筐体で、デジタル/アナログ別々に大容量トロイダルトランスを搭載。

小俣社長は「当初アナウンスよりも発売が後ろ倒しになってしまっているが、7月末には何としても発売したい」と述べていた。

その後、PCMとDSDの比較試聴が行われた。こちらの内容については、あすイベントに足を運ぶ方のお楽しみ、ということで詳しいレポートは控えておこう。ネットワーク経由でのDSDネイティブ再生、実際にぜひ体験してみていただきたい。


<イベントの開催場所>
〒151-0051
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-12-10 アピカ原宿SEDU 103
studio A
TEL/FAX 03-6434-9011
WEB http://std-a.info
MAIL [email protected]
イベントの詳細:http://std-a.info/event/sforzato-x-buffalo/

【問い合わせ先】
studio A
TEL/03-6434-9011

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