Hi-Fi最上位シリーズ“S3000”のプリメイン

ヤマハ、高音質化技術多数搭載の最上位プリメインアンプ「A-S3000」

公開日 2013/07/11 13:00 ファイル・ウェブ編集部
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ヤマハは、同社のHi-Fiコンポーネント最上位に位置づけられる“S3000シリーズ”として、プリメインアンプ「A-S3000」とSACD/CDプレーヤー「CD-S3000」を発表した。本記事では、ローインピーダンス設計を施して新開発されたプリメインアンプ「A-S3000」を紹介する。価格は493,500円(税込)。9月上旬発売を予定しており、8月1日から予約受付を順次開始する予定。


A-S3000

斜めから見たところ
昨年のIFAで公開されたモデルの正式発売が決定した格好(関連ニュース)。本機は、これまでヤマハの最上位であった“S2000シリーズ”と同一の設計者がサウンドチューニングを担当し、“真空管アンプに近い暖かみのある音”を目指したという。定格出力は、150W+150W(4Ω,20Hz〜20kHz,0.02%)/100W+100W(8Ω,20Hz〜20kHz,0.02%)。

以下、製品の詳細を見ていこう。

ローインピーダンス化を徹底した内部構成

内部構成は、プリアンプ部とパワーアンプ部を独立させて左右に分けて配置し、厳重な振動対策とローインピーダンス化を徹底した「リジッド・ストリームラインド・コンストラクション」を採用。プリアンプ部の音量やトーン調整などの制御系回路にいたるまでバランス動作を採用したフルバランス構造としている。

A-S3000のトップカバーを開けたところ


プリアンプ部とパワーアンプ部を独立させた左右対称設計
入力からスピーカー出力までオペアンプを一切使用しないフルディスクリート構成を実現している(トーンディフィート時)。これにより再生音の純度を向上させたほか、レスポンスを高めたことが特徴だ。MCヘッドアンプ付きフォノイコライザー、ヘッドホンアンプ、イコライザー回路も全てディスクリート構成としている。


全段フルディスクリート&フルバランス動作

MCヘッドアンプ、EQ回路にいたるまでフルディスクリート構成
さらにS2000シリーズと同じく、ヤマハ独自の特許技術「フローティング&バランス・パワーアンプ」増幅構成を投入。電流制御素子にはバイポーラトランジスタ、電圧制御素子にはMOS FETを採用する。トロイダルトランスにMOS FET出力素子を組み合わせる新設計により、完全左右対称レイアウトの完成度をより高めている。


MOS FET採用の「フローティング&バランス・パワーアンプ」
なお、MOS FETとトロイダルトランスの組合せた構成は、ヤマハのHi-Fi製品で本機が初めてとなる。+側と-側で同一極性のMOS FETを使用することにより、極性の違いによる音質差をなくしたフローティング&バランスパワーアンプの特性をさらに強化した。

ボリューム部には、カスタム仕様の新日本無線製電子ボリュームを片chあたり3基採用。ラダー型抵抗のみで構成しており、スルーレートや音色への影響を抑えた。調整は0.5dBステップで行える。


オリジナル仕様の新日本無線製デジタルボリュームを搭載
ローインピーダンス化の徹底のため、各所の結線をネジ止め

シャーシは二重で、銅のインナーシャーシの外側を鉄シャーシで囲む構造としている。さらにローインピーダンス化を徹底するため、電源基板への各配線やボトムは全てネジ止めとした。

シャーシは二重構造

電源基板へは太い銅線でネジ止め

電源トランス部も、一次・二次側ともにトランスの巻線そのものを直出しし、接続端子にダイレクトにネジ止めで結線している。これにより、接点ロスやはんだ付けなどによるエネルギーロスを抑えた。なお、トロイダルトランスは音質を最優先して選定したものを採用。さらにブロックケミコンもネジ止めに対応する特注ケミコンを使用している。


電源トランス部も徹底的にローインピーダンス化

ネジ止めタイプのブロックケミコンを採用する
スピーカーターミナルにもこだわっており、S3000用にデザインした、オリジナルの大型ハンドル付き締め込み式端子を採用した。素材には無垢の真鍮を使用しており、削り出し加工で製造することで音質劣化の少ない接続としている。使用時には端子が滑らかに回転するように機能性も高めた。なお、スピーカー端子への内部配線もネジ止め結線としている。


オリジナルのスピーカー端子
ヤマハのHi-Fiイメージを刷新する高品位な外観

筐体はヤマハのHi-Fiイメージを踏襲しながらブラッシュアップ。サイドウッドをピアノフィニッシュとした特徴的なデザインとしている。サイズは435W×180H×464Dmmで、質量は24.6kg。


サイドウッドをピアノフィニッシュとした特徴的なデザイン
フロントカバーは7mm厚で、PEAK/VU切替に対応する大型レベルメーターを搭載した。レベルメーター部のカバーは8mm厚のガラス製で、上部を60度にカットし接着している。なお、レベルメーターは使用時に消灯することも可能。


レベルメーター部
トップカバーは6mm厚で、表面にはトロイダルトランスの直径にあわせたスリットが入っている。内側から横軸で固定することによって“鳴き”を抑えると同時に、放熱効果を高めている。


天面には、トロイダルトランスの直径にあわせたスリットが入っている

トップカバーの裏面。内側から横軸で固定している
SACD/CDプレーヤー「CD-S3000」と組み合わせてフルバランス構成を構築可能

入力端子はXLR×2/RCA×4/MAIN×1/PHONO×1の8系統を備え、出力端子はプリアウト×1/レックアウト×1を装備する。フェーズ切換スイッチも搭載しており、HOTを切り換えられる。


フェーズ切換スイッチを備える

REMOTE端子も装備
また、同時発表のSACD/CDプレーヤー CD-S3000(関連ニュース)とXLR接続し、フルバランス構成を構築することもできる。本機の製品保証は5年間。

【問い合わせ先】
ヤマハミュージックジャパン カスタマーサポート部
お客様コミュニケーションセンター
オーディオ・ビジュアル機器ご相談窓口
TEL/0570-011-808
TEL/053-460-3409

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  • ジャンルプリメインアンプ
  • ブランドYAMAHA
  • 型番A-S3000
  • 発売日2013年9月上旬
  • 価格¥493,500(税込)
【SPEC】●定格出力:100W+100W/8Ω(20Hz〜20kHz、0.07%THD)、150W+150W/4Ω (20Hz〜20kHz、0.07%THD) ●出力インピーダンス:REC OUT→1.5kΩ、PRE OUT→1.5kΩ ●周波数特性:CD etc→+0/-3dB(5Hz〜100kHz)、+0/-0.3dB(20Hz〜20kHz) ●全高調波歪率:PHONO MC→REC OUT 0.02%(20Hz〜20kHz 1.2mVrms)、PHONO MM→REC OUT 0.005%(20Hz〜20kHz 1.2mVrms)、CD,etc→SP OUT 0.025%(20Hz〜20kHz 50W/8Ω)、BAL1,2→SP OUT 0.025%(20Hz〜20kHz 50W/8Ω) ●S/N比(IHF-A ネットワーク):PHONO MC→85dB(500μVrms、input shorted)、PHONO MM→93dB(5mVrms、input shorted)、CD,etc→103dB(200mVrms、input shorted) ●入力感度/入力インピーダンス:PHONO MC→100μVrms/50Ω、PHONO MM→2.5mVrms/47kΩ、CD etc→200mVrms/47kΩ、MAIN IN→1Vrms/47kΩ、BAL1,2→200mVrms/100kΩ ●消費電力:350W(待機時:0.3W) ●外形寸法:435W×180H×464Dmm ●質量:24.6kg