“Evolution”シリーズ新モデル
TAD、DSD再生対応の新SACDプレーヤー/DAコンバーターを発売
(株)テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TAD)は、DSD音源再生などに対応した“Evolution”シリーズのディスクプレーヤー「TAD-D1000」とD/Aコンバーター「TAD-DA1000」を発売する。
SACDプレーヤー
TAD-D1000 ¥1,575,000(税込)9月下旬発売
D/Aコンバーター
TAD-DA1000 ¥1,260,000(税込)10月上旬発売
TAD製品には、妥協を排しオーセンティックなものづくりを突き詰めた“Referenceシリーズ”と、新たな技術を積極的に取り入れた“Evolutionシリーズ”が存在している。今回発売される両機は“Evolution”シリーズで、DSDを含むデジタル音源再生など最新技術に対応しているのが特徴のひとつ。2010年発売のCD/SACDプレーヤーTAD-D600で培われた技術を生かしつつ、価格を100万円台にまで引き下げ、筐体をコンパクトにしている。
両機はDACやクロックは共通。D-1000はCD/SACDプレーヤー機能を搭載。DA-1000はディスクリート構成&専用ボリューム機能付ヘッドホンアンプ(対応インピーダンスは8〜600Ω)を搭載するほか、ボリューム機能を備えているためパワーアンプと組み合わせてミニマムシステムを構成できるのが特徴となっている。
同社代表取締役社長の平野至洋氏は「TADは、バート・ロカンシーの『基本に忠実な技術こそ本物の技術であり、技術志向に傾くことなく、常に音質を最重視する技術こそ本物の技術である』という思想に基づき、製品を世に送り出してきた。TAD製品は世界35カ国で販売されており、高い評価をいただいている。D-1000はヘッドホンに対応するほかミニマムシステム構築も可能ということで、ネットオーディオやヘッドホン愛好者に『いつかはああいうものが欲しい』とハイエンドオーディオの世界に目覚めてもらえるようなものとしても訴求したい」と語る。
以下、両製品の特徴を見ていこう。
新開発クロック「UPCG」を搭載
両機は、デジタル通信基地局で使用される高C/N化技術手法をベースに新開発したマスタークロック「UPCG」を搭載。付加回路のないシンプルな構成のため、高いクロック精度を実現しつつ低ジッターも両立しているのが特徴だ。またクイックスタートが可能で温度特性にも優れており、高性能と長寿命を実現するという。
技術開発担当の川村克明氏は「クロックの精度は音程の正確さに、クロックの純度はジッターの少なさにつながる。どちらも音質に大きく影響する要素だ。たとえばルビジウムクロックは非常に精度が高いが、付加回路が必要なため純度はUPCGよりも低くなる。また、とても高価だ。しかしUPCGはシンプルな構成のコルビッツ型発振回路で、C/Nが高い。採用した水晶板は、直径約15mmと大きな水晶に金で電極を蒸着したもので、一般品に採用されるもの(2×2mm程度)と比べてかなり大きい。TAD-D600に搭載されたものと同等の特性を持ちつつ、これに替わるようなクロックを目指して開発したものだ」と語る。
DAC回路にはバーブラウン社製「PCM1794A」を左右独立で配置し、並列接続したバランス型D/Aコンバーター回路を構成。これにより正確な変換と高S/Nを実現するという。また、残留ノイズと高スルーレートを両立させる独自のディスクリートIV変換回路を採用することで、音の立ち上がりや広がりに優れる音再生を実現したという。
5.6MHz DSDや384kHz/32bit PCMなどデジタル音源再生に対応
5系統のデジタル入力(USB/XLA/同軸×2/光)を備え、384kHz/32bitまでのPCMデータや、DSDデータの再生が可能なのも特徴だ。DSD音源は、Macの場合最大5.6MHzまで、Windowsの場合は2.8MHzまで対応する。
独自開発のアシンクロナス転送エンジンを搭載。PCからのデジタル信号をD1000/DA1000側で制御することで、デジタル信号の正確な受信が可能という。
DSDの再生はDoP方式。データをいったん88.2kHzのPCMデータに変換し、デジタルフィルターでDSD特有の高域ノイズを除去することで高音質な再生が可能とのこと。88.2KHzに変換する理由は「搭載しているクロックが11.2896MHz(CDの256倍)なので整数倍の方が演算誤差が出にくいこと、また高域ノイズをいちばん効率的に除去しやすいこと。88.2kHz変換が有効だと判断した」(同社開発陣)という。
また、ポップノイズ対策については「エラーが出たときは即ミュートするようになっている。ただし、音楽再生中にPCM/DSDの入り交じったプレイリストをサーチすると、ノイズが出る可能性がある」とのことだ。
新デザインを採用した外観/高音質パーツ多数採用
TAD製品のサウンドイメージ(ハイスピード/ハイプレシジョン/ハイレゾリューション/ハイピュリティ)をもとにデザインのエッセンスを抽出し、それを具現化。一目見てTAD製品だと分かるような統一性を持たせつつ、新世代の“Evolution”シリーズの先進性も表現できるよう注力したという。「置いてあるだけで持つ喜びが感じられるシステムを目指した。また、奥様に反対されないようなモダンな外観も心がけた」(平野社長)とのことだ。今後TAD製品はこのデザインを踏襲していくという。なお天板はMacbook Pro/Airがぴったり置けるサイズとなっている。
素材に、外部振動の影響を抑える8mm厚の無垢材アルミニウムシャーシを採用したことに加え、重量あるパーツを下底部に配置する低重心構造を採用。さらに電源トランスの取り付けに真鍮製ベースを使用するなど制振性に配慮している。特にTAD-D1000ではメカユニットをシャーシに固定することで、回転するディスクメカの振動を低減させ、動作安定度を高めたとのことだ。
DA-1000に搭載されたディスクメカは独自開発のもの。スムーズで精度の高いローディング動作に加え、外部振動がサーボ系へ与える影響を最小限に抑えているという。ディスクトレイ部はアルミ削り出し加工で低振動・高剛性。黒色素材を採用することでレーザー光の乱反射を防ぎ読み取り精度を向上させている。ピックアップはパイオニア製で、ブラシレススピンドルモーターを採用しているため静音性も高いという。
そのほか、出力200VAクラスのトロイダル型電源トランスをデジタル系とアナログ系にそれぞれ採用している。
【問い合わせ先】
パイオニア カスタマーサポートセンター(TAD相談窓口)
TEL/0120-995-823
SACDプレーヤー
TAD-D1000 ¥1,575,000(税込)9月下旬発売
D/Aコンバーター
TAD-DA1000 ¥1,260,000(税込)10月上旬発売
TAD製品には、妥協を排しオーセンティックなものづくりを突き詰めた“Referenceシリーズ”と、新たな技術を積極的に取り入れた“Evolutionシリーズ”が存在している。今回発売される両機は“Evolution”シリーズで、DSDを含むデジタル音源再生など最新技術に対応しているのが特徴のひとつ。2010年発売のCD/SACDプレーヤーTAD-D600で培われた技術を生かしつつ、価格を100万円台にまで引き下げ、筐体をコンパクトにしている。
両機はDACやクロックは共通。D-1000はCD/SACDプレーヤー機能を搭載。DA-1000はディスクリート構成&専用ボリューム機能付ヘッドホンアンプ(対応インピーダンスは8〜600Ω)を搭載するほか、ボリューム機能を備えているためパワーアンプと組み合わせてミニマムシステムを構成できるのが特徴となっている。
同社代表取締役社長の平野至洋氏は「TADは、バート・ロカンシーの『基本に忠実な技術こそ本物の技術であり、技術志向に傾くことなく、常に音質を最重視する技術こそ本物の技術である』という思想に基づき、製品を世に送り出してきた。TAD製品は世界35カ国で販売されており、高い評価をいただいている。D-1000はヘッドホンに対応するほかミニマムシステム構築も可能ということで、ネットオーディオやヘッドホン愛好者に『いつかはああいうものが欲しい』とハイエンドオーディオの世界に目覚めてもらえるようなものとしても訴求したい」と語る。
以下、両製品の特徴を見ていこう。
新開発クロック「UPCG」を搭載
両機は、デジタル通信基地局で使用される高C/N化技術手法をベースに新開発したマスタークロック「UPCG」を搭載。付加回路のないシンプルな構成のため、高いクロック精度を実現しつつ低ジッターも両立しているのが特徴だ。またクイックスタートが可能で温度特性にも優れており、高性能と長寿命を実現するという。
技術開発担当の川村克明氏は「クロックの精度は音程の正確さに、クロックの純度はジッターの少なさにつながる。どちらも音質に大きく影響する要素だ。たとえばルビジウムクロックは非常に精度が高いが、付加回路が必要なため純度はUPCGよりも低くなる。また、とても高価だ。しかしUPCGはシンプルな構成のコルビッツ型発振回路で、C/Nが高い。採用した水晶板は、直径約15mmと大きな水晶に金で電極を蒸着したもので、一般品に採用されるもの(2×2mm程度)と比べてかなり大きい。TAD-D600に搭載されたものと同等の特性を持ちつつ、これに替わるようなクロックを目指して開発したものだ」と語る。
DAC回路にはバーブラウン社製「PCM1794A」を左右独立で配置し、並列接続したバランス型D/Aコンバーター回路を構成。これにより正確な変換と高S/Nを実現するという。また、残留ノイズと高スルーレートを両立させる独自のディスクリートIV変換回路を採用することで、音の立ち上がりや広がりに優れる音再生を実現したという。
5.6MHz DSDや384kHz/32bit PCMなどデジタル音源再生に対応
5系統のデジタル入力(USB/XLA/同軸×2/光)を備え、384kHz/32bitまでのPCMデータや、DSDデータの再生が可能なのも特徴だ。DSD音源は、Macの場合最大5.6MHzまで、Windowsの場合は2.8MHzまで対応する。
独自開発のアシンクロナス転送エンジンを搭載。PCからのデジタル信号をD1000/DA1000側で制御することで、デジタル信号の正確な受信が可能という。
DSDの再生はDoP方式。データをいったん88.2kHzのPCMデータに変換し、デジタルフィルターでDSD特有の高域ノイズを除去することで高音質な再生が可能とのこと。88.2KHzに変換する理由は「搭載しているクロックが11.2896MHz(CDの256倍)なので整数倍の方が演算誤差が出にくいこと、また高域ノイズをいちばん効率的に除去しやすいこと。88.2kHz変換が有効だと判断した」(同社開発陣)という。
また、ポップノイズ対策については「エラーが出たときは即ミュートするようになっている。ただし、音楽再生中にPCM/DSDの入り交じったプレイリストをサーチすると、ノイズが出る可能性がある」とのことだ。
新デザインを採用した外観/高音質パーツ多数採用
TAD製品のサウンドイメージ(ハイスピード/ハイプレシジョン/ハイレゾリューション/ハイピュリティ)をもとにデザインのエッセンスを抽出し、それを具現化。一目見てTAD製品だと分かるような統一性を持たせつつ、新世代の“Evolution”シリーズの先進性も表現できるよう注力したという。「置いてあるだけで持つ喜びが感じられるシステムを目指した。また、奥様に反対されないようなモダンな外観も心がけた」(平野社長)とのことだ。今後TAD製品はこのデザインを踏襲していくという。なお天板はMacbook Pro/Airがぴったり置けるサイズとなっている。
素材に、外部振動の影響を抑える8mm厚の無垢材アルミニウムシャーシを採用したことに加え、重量あるパーツを下底部に配置する低重心構造を採用。さらに電源トランスの取り付けに真鍮製ベースを使用するなど制振性に配慮している。特にTAD-D1000ではメカユニットをシャーシに固定することで、回転するディスクメカの振動を低減させ、動作安定度を高めたとのことだ。
DA-1000に搭載されたディスクメカは独自開発のもの。スムーズで精度の高いローディング動作に加え、外部振動がサーボ系へ与える影響を最小限に抑えているという。ディスクトレイ部はアルミ削り出し加工で低振動・高剛性。黒色素材を採用することでレーザー光の乱反射を防ぎ読み取り精度を向上させている。ピックアップはパイオニア製で、ブラシレススピンドルモーターを採用しているため静音性も高いという。
そのほか、出力200VAクラスのトロイダル型電源トランスをデジタル系とアナログ系にそれぞれ採用している。
【問い合わせ先】
パイオニア カスタマーサポートセンター(TAD相談窓口)
TEL/0120-995-823