11.2MHz DSDなどハイレゾ最新スペックに対応
マランツ、クラスDアンプ採用のUSB-DAC/プリメイン「HD-AMP1」 。ESS製DAC初採用
■マランツ独自のデジタルフィルター「MMDF」とは?
マランツは、歴代のフラグシップをはじめHi-Fiオーディオ高級機において、独自の切替式デジタルフィルター「MMDF」を開発・実装してきた。ESS製DACの採用に合わせて、HD-AMP1においてもこのMMDFが実装されることになった。
澤田氏はこのMMDFデジタルフィルターの特徴についても説明。一般的なシャープロールオフはPCMの特徴がよく現れる輪郭がはっきりと出る音調で、スローロールオフはアナログ的で音場感に優れるとされている。しかし、一般的なシャープロールオフにおいて、インパルス信号に対して前後にリンギングが発生する点をマランツは問題視していた。「自然界にある音源では、アフターエコーは付きますが、フロントエコーは付きません。フロントエコーはどなたも敏感に聴き分けてしまいます」と澤田氏は語る。
そこでマランツは様々なパターンを試すことで、フロントのリンギングを排したオリジナルの「シャープ」型デジタルフィルターをDDMFにおいて開発。シャープロールオフの利点であるソリッドさを持ちながら、一方で輪郭の張りすぎない自然さを伴うサウンドを可能にした。このフィルターがHD-AMP1に「FILTER1」として搭載している。
また、本機の「FILTER2」には、やはり独自開発されたショートディレイ型のスローロールオフ・フィルターを採用。信号処理を行うためのディレイタイムをほとんど持たないタイプで、ESS製DACに内蔵されたスローロールオフ・フィルターと比較してもこちらの音調が良いと判断して、採用されたという。
ESS製DACが電流出力型DACである点については、「I/V(電流/電圧)変換をDACの後段に作る必要がありますが、その作り方でクオリティーの操作ができます。独自の料理ができるということです」と述べた。
澤田氏はこうした点を踏まえ、「ESS製DACを搭載しているブランドは数多いですが、マランツでは独自のデジタルフィルターを採用し、後段のI/V変換も独自開発しています。他社とはまったく異なる使い方をしているのです」と独自性を強調していた。
■HDAM搭載ディスクリート・プリ+スイッチングパワーアンプの構成を採用
HD-DAC1は、コンパクトなプリメインアンプながら、先鋭的なスイッチングアンプ構成を採用したことが大きな特徴。プリアンプ部をHDAM搭載フルディスクリート・プリアンプとして、パワーアンプ部には「Hypex UcD(Universal Class D)」スイッチング・パワーアンプ・モジュールを採用した。
澤田氏によれば開発当初は、8月に発売されたネットワークCDレシーバー「M-CR611」(関連ニュース)とほぼ同じ構成をベースに、各部をグレードアップするという方向で検討されていたという。しかし開発途上で「マランツならではのアンプにしたい」と今回の構成に至ったという。
なお、澤田氏は「スイッチングアンプ」との呼称を用いているが、これは「クラスDアンプ」と同義。本機は後で説明する通り、パワーアンプの終段以外をアナログ構成としており、「デジタルアンプ」と表現するのは不適当。一方で「クラスDアンプ」という呼称は「デジタルアンプ」と混同されがちなので、あえて「スイッチングアンプ」という言い方をしているとのこと。本記事でも澤田氏の表現に従って表記する。
マランツのHi-Fiコンポーネントにおいて本格的なスイッチング(クラスD)アンプの採用はほとんどなく、初めてに近いとのこと。こうしたコンパクトな筐体のコンポーネントに、マランツが初めて採用するスイッチングアンプを採用したところに、HD-AMP1のマランツらしさがあると澤田氏は当時を振り返る。「M-CR611をグレードアップさせるという方向性を変えるのであれば、徹底的にやろうじゃないか、ということになったのです」。
マランツは、歴代のフラグシップをはじめHi-Fiオーディオ高級機において、独自の切替式デジタルフィルター「MMDF」を開発・実装してきた。ESS製DACの採用に合わせて、HD-AMP1においてもこのMMDFが実装されることになった。
澤田氏はこのMMDFデジタルフィルターの特徴についても説明。一般的なシャープロールオフはPCMの特徴がよく現れる輪郭がはっきりと出る音調で、スローロールオフはアナログ的で音場感に優れるとされている。しかし、一般的なシャープロールオフにおいて、インパルス信号に対して前後にリンギングが発生する点をマランツは問題視していた。「自然界にある音源では、アフターエコーは付きますが、フロントエコーは付きません。フロントエコーはどなたも敏感に聴き分けてしまいます」と澤田氏は語る。
そこでマランツは様々なパターンを試すことで、フロントのリンギングを排したオリジナルの「シャープ」型デジタルフィルターをDDMFにおいて開発。シャープロールオフの利点であるソリッドさを持ちながら、一方で輪郭の張りすぎない自然さを伴うサウンドを可能にした。このフィルターがHD-AMP1に「FILTER1」として搭載している。
また、本機の「FILTER2」には、やはり独自開発されたショートディレイ型のスローロールオフ・フィルターを採用。信号処理を行うためのディレイタイムをほとんど持たないタイプで、ESS製DACに内蔵されたスローロールオフ・フィルターと比較してもこちらの音調が良いと判断して、採用されたという。
ESS製DACが電流出力型DACである点については、「I/V(電流/電圧)変換をDACの後段に作る必要がありますが、その作り方でクオリティーの操作ができます。独自の料理ができるということです」と述べた。
澤田氏はこうした点を踏まえ、「ESS製DACを搭載しているブランドは数多いですが、マランツでは独自のデジタルフィルターを採用し、後段のI/V変換も独自開発しています。他社とはまったく異なる使い方をしているのです」と独自性を強調していた。
■HDAM搭載ディスクリート・プリ+スイッチングパワーアンプの構成を採用
HD-DAC1は、コンパクトなプリメインアンプながら、先鋭的なスイッチングアンプ構成を採用したことが大きな特徴。プリアンプ部をHDAM搭載フルディスクリート・プリアンプとして、パワーアンプ部には「Hypex UcD(Universal Class D)」スイッチング・パワーアンプ・モジュールを採用した。
澤田氏によれば開発当初は、8月に発売されたネットワークCDレシーバー「M-CR611」(関連ニュース)とほぼ同じ構成をベースに、各部をグレードアップするという方向で検討されていたという。しかし開発途上で「マランツならではのアンプにしたい」と今回の構成に至ったという。
なお、澤田氏は「スイッチングアンプ」との呼称を用いているが、これは「クラスDアンプ」と同義。本機は後で説明する通り、パワーアンプの終段以外をアナログ構成としており、「デジタルアンプ」と表現するのは不適当。一方で「クラスDアンプ」という呼称は「デジタルアンプ」と混同されがちなので、あえて「スイッチングアンプ」という言い方をしているとのこと。本記事でも澤田氏の表現に従って表記する。
マランツのHi-Fiコンポーネントにおいて本格的なスイッチング(クラスD)アンプの採用はほとんどなく、初めてに近いとのこと。こうしたコンパクトな筐体のコンポーネントに、マランツが初めて採用するスイッチングアンプを採用したところに、HD-AMP1のマランツらしさがあると澤田氏は当時を振り返る。「M-CR611をグレードアップさせるという方向性を変えるのであれば、徹底的にやろうじゃないか、ということになったのです」。
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