バスホーンは「SpaceHorn」に進化

アヴァンギャルド、ホーンスピーカーシステムの第3世代機「TRIO G3」。搭載ドライバーを刷新

公開日 2022/08/17 18:14 編集部:松永達矢
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エソテリックは、同社が取り扱う独 Avantgarde(アヴァンギャルド)より第3世代オールホーン・スピーカーシステム「Avantgarde TRIO G3」「Spacehorn」を8月17日より発売開始する。製品ラインナップおよび価格は下記の通り(すべて税込/ペア)。

「Avantgarde TRIO G3」

■ホーン・スピーカー・システム
「Avantgarde TRIO G3」:16,500,000円

■アクティブ・バスホーン・システム
「SpaceHorn Twin-Drive」:15,400,000円
「SpaceHorn Single-Drive」:12,100,000円

■電流駆動 パワーアンプ・モジュール
「iTRON」:6,050,000円

■iTRON/外部パワーアンプ切替スイッチ・モジュール
「AVG/AMP-SW」:660,000円

1991年に発売された同ブランドのスピーカーシステム「Avantgarde TRIO」「BassHorn」から数えて第3世代目に当たるモデル。

ホーンスピーカーTRIO G3は、搭載ドライバーユニットを新規設計の「Evolution Driver」 に刷新。「より広いダイナミクスと更なるピュアなサウンドを実現した」と謳う。デザインについても従来の特徴を生かしつつ、さらにモダンに洗練されたとアピールする。カラーリングについては同社製品ページにてシミュレーションが可能だ。

高域は、従来より20mm拡大した直径200mm、全長176mmのロングスロー・ホーンを搭載。新形状となるEvolution H3トゥイーターは環状ダイヤフラムで、内側と外側のリムに二重ガイドを採用し軽量化と機構面の安定性を実現。XDトゥイーターと比較してTHD(高調波歪率)を10dB低下。従来モデルでは1%だった歪み率も0.32%という低歪みを実現している。

「Avantgarde TRIO G3」側面部

中域再生を担うEvolution XM3ユニットは、ダイヤフラムの口径がホーンのスロート部とほぼ一致する特殊なディスパージョン形状を採用。独自のオメガ・ボイスコイルとストロンチウム・フェライト磁石を採用、ダイヤフラムは球面ドーム型形状で、570mmのミッドレンジ・ホーンと組み合わせられている。

低域部ユニットのEvolution XL3は、新開発のシングル・フレーム・シャーシを採用した大型200mmドライバーを採用。ホーンドライバーには、最高グレードのレアアース磁石を搭載し、ボイスコイルフォーマーの内側のスペースには、インナーコア・マグネットを追加することで、100Hzまで109dB(1W/1m)という高い駆動能率を達成したとアピール。

また、搭載されるすべてのドライバーの音源点をリニアフェーズ化することで、圧倒的な音場の拡がりと深みを再現するとしている。

内部構成についても、独自の新型スーパーキャパシター「NatureCap」の搭載や、長期使用を想定したモジュール技術の採用により、スピーカーの将来的なエレクトロニクス面におけるアップグレードが容易に行えるという。

「Avantgarde TRIO G3」と「SpaceHorn Twin-Drive」(3ペア)の構成例

オプションの追加モジュール「iTRON」(電流駆動パワーアンプ・モジュール)を追加することにより、ホーンスピーカーのフルアクティブ駆動を実現。これまでの電流アンプの概念を覆すという特許回路「iTRON回路」を搭載することで、出力値は入力電圧に正確に追従。ドライバーのダイヤフラムの動きを直接制御するエンジン的な役割を果たすとのこと。

バスホーン・システムは、SpaceHornへと名称を変更。ラインナップとして、スペースファクターに優れたSingle-Drive(12インチ・ドライバー×1、高さ492mm)とTwin-Drive(12インチ・ドライバー×2、高さ748mm)を展開。部屋のサイズに合わせた自由な組み合わせが可能となった。

「SpaceHorn Single-Drive」

「SpaceHorn Twin-Drive」

SpaceHornでは、ホーンと部屋の相互作用を意識した設計変更を実施。設置される部屋の床、後壁、側壁を本体の延長とした構造を取ることで、低域レンジの拡大でなく低域性能向上を図ったと説明。内部のドライバーの位置を変更し、ホーンの長さを約40%増の1,898mmに延長。ホーンのフレアを開口部に向けてより緩やかでリニアに拡大する形状に最適化したという。

搭載されるボイスコイルについても従来機の100mmから153mmへと拡大。ポールプレートにも専用に開発された低炭素鋼を採用するほか、特許取得済みの特殊エッジ形状のサスペンション・スパイダーにより、最大出力時でも高いリニアリティを確保したという。ドライバーエッジには低損失のNBR(アクリロニトリル・ブタジエン・ゴム)を採用することで、スピーディーで綺麗なトランジェント特性を実現したという。

低域用アンプXD-1000は、デジタルクロスオーバーと強力な出力段を組み合わせている。最先端のデジタル・サウンド・プロセッサーを搭載、音量やハイパス/ローパスフィルター、イコライザーを調整することができる。

標準色はホーンフレア部がステンレス・ヘアライン仕上げ、トップ/ボトムプレートがダークウェンジを採用。その他カラーバリエーションもオプションとして用意されている。

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