ビクターの新技術「CCコンバーター」発表会で、その効果を聴いた
10mm角のCCコンバーター(左)が、試聴用特別機にセットされた様子(右) |
本技術は各種デジタルオーディオコンテンツの信号フォーマットに応じて、bit拡張および周波数帯域拡張を行うもので、量子化bit数を最大24bit、帯域周波数を最大4倍に拡張して、オリジナル・サウンドのもつ微妙なニュアンスまでも再現する同社独自の新しい信号処理技術。これによりMD、半導体オーディオ、BSデジタル放送等の圧縮音楽はCDに近づくリアリティ・明瞭度に、通常のCDはDVDオーディオレベルの高音質再生を可能にする。
LSIはbit-up拡張部、周波数変換部、周波数帯域拡張部を小型パッケージに1チップ化、各カテゴリーのデジタルAV機器に対応する。パッケージサイズは10mm×10mm ×1.4mm 64pin。ゲート数は約128,000ゲート。ソフトウェアは、圧縮音楽に適した周波数帯域拡張部の信号処理をプログラム開発、PC等のCPU搭載IT/ネットワーク機器に対応する。
発表会では、CD音源、MDLP音源、MP3音源を、それぞれ通常の状態とCCコンバーターを通した状態との聴き比べ再生が行われた。CCコンバーターを通した状態ではいずれも、そうでない状態に比べ、ひずみや硬さのとれたよりなめらかな音質を味わうことができた。
日本ビクターでは、2001年3月〜4月頃からCCコンバーターを搭載したデジタルAV/情報機器の商品化を図るとともに、同業メーカー、通信、配信会社などに対するライセンス展開を予定している。特に音楽再生機能つき携帯電話への応用に重点をおいている模様で、これが実現すると、携帯電話での音楽再生をCD再生なみの音質で味わえるものになるという。今後非常に期待されている携帯電話を端末とする音楽配信ジャンルに、この技術がどのような影響を及ぼすかが注目されるところである。(Phile-webスタッフ)