富士通ゼネラルが家電リサイクルプラント「株式会社富士エコサイクル」を竣工
●富士通ゼネラルは、地球環境保全への貢献と企業活動の調和を目指し、環境に配慮した事業活動の一環として「株式会社富士エコサイクル」を設立した。このたびリサイクルプラントの本格稼動開始にともない、4月4日竣工・開所式を執り行った。
新会社は、昨年4月株式会社佐野マルカとの合弁により、静岡県内で唯一の使用済み家電品のリサイクル事業を行うプラントとして設立され、昨年7月にはプラント建設に着手、12月には最先端の設備導入のため、家電5社(三洋電機、シャープ、ソニー、日立製作所、三菱電機)による増資を行い、本年1月に完成試験運転を経て、本日竣工・開所式を開催、引き続き本格稼動に移行するもの。
リサイクル工場の概要と特長として、次のような内容があげられている。
(1)業界初の独自ライン
業界のこれまでのシステムは、冷蔵庫と他の3品目(エアコン、テレビ、洗濯機)の破砕ラインがそれぞれ独立していたため、一次破砕の前に仕分けが必要だった。今回同社が独自に構築したラインは、一次破砕を4品目共通のラインとし、二次破砕を冷蔵庫と他の3品目に分離したラインとし、合理化を図った。(特許出願中)
(2)日本初、「窒素置換方式」の破砕機を設置
粉塵爆発性の高い冷蔵庫などの分解では、予め処理物を処理槽の中に入れて、空気を抜き窒素ガスを封入する日本初の「窒素置換方式」採用のドイツ製最新破砕機を設置、断熱材フロンの回収はもとより、粉塵爆発の可能性がないため、従来困難とされていたトナーカートリッジの処理も可能となった。
(3)合理的プラント
プラント設計では、2階部分にトラック搬入スペースを設け、使用済み家電品を受入れ、前処理工程で手分解を行い、1階の破砕ラインに投入。全社で物品移動の省エネ、省力化を図った。
(4)高い再資源化、高品質の状態での回収を実現
通常の家電ラインでは、破砕物の処理工程は二次破砕で完了する。
同プラントでは、その後細破砕・二次選別回収工程があり、家電ラインで回収されなかった混入破砕物の形状を、さらに細分化・均一化させ、鉄・アルミ・銅などの金属類、プラスチック類、それ以外の埋め立て用ゴミに分別を行う。これにより、通常では回収できない高品質の金属・非金属を回収し、再資源化を高めた。特にプラスチックにおける選別では、高品質の状態での回収により、法定の50〜60%を大幅に上回る85%程度の再資源化を目指す。
(5)環境保全工場を実践
大気汚染、水質汚濁、振動・騒音、土壌汚染、臭気等について、徹底的な対策を実施するとともに、ゼロエミッション化を目指す。(14年3月)
また、2001年2月には、家電リサイクル事業会社としては初となる、「ISO14001」の適合企業として認証を取得している。
さらに、今後の取組みとして以下のことがあげられている。
事業開始当初は、家電リサイクル法で定められた家電4品目を中心に処理を実施するが、高い破砕能力、粉塵爆発が無いという工場の特長を活用し、自動販売機、コピー機等のリサイクルにも対応していく所存である。
また、計量システムと工程管理を統合した工場運用システムの構築及び、リサイクル率アップへ向けたプラスチックの分離技術の確立も図っていく。
さらに、富士エコサイクルで得たリサイクル技術を当社の環境対応商品の開発・設計に反映させ、循環型経済社会の創造に貢献するとともに、グローバル企業として世界各地への展開も図っていく。(Phile-web編集部)
富士エコサイクルの概要
●商 号 株式会社富士エコサイクル
●事 業 特定家庭用機器再商品化法に定める再商品化等の事業
●所在地 静岡県富士宮市山宮3507番地の19
●資本金 2億円
(内訳:富士通ゼネラル 57.5 %、佐野マルカ 17.5 %、三洋電機・シャープ・ソニー・日立製作所・三菱電機 各 5.0%)
●営業品目 テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、OA機器等
●処理能力 年間30万台(2シフト56万台)
●事業地域 静岡県、山梨県及びその周辺
●人 員 32名(平成13年度)
●工場面積 3,162平方メートル(延床面積)
新会社は、昨年4月株式会社佐野マルカとの合弁により、静岡県内で唯一の使用済み家電品のリサイクル事業を行うプラントとして設立され、昨年7月にはプラント建設に着手、12月には最先端の設備導入のため、家電5社(三洋電機、シャープ、ソニー、日立製作所、三菱電機)による増資を行い、本年1月に完成試験運転を経て、本日竣工・開所式を開催、引き続き本格稼動に移行するもの。
リサイクル工場の概要と特長として、次のような内容があげられている。
(1)業界初の独自ライン
業界のこれまでのシステムは、冷蔵庫と他の3品目(エアコン、テレビ、洗濯機)の破砕ラインがそれぞれ独立していたため、一次破砕の前に仕分けが必要だった。今回同社が独自に構築したラインは、一次破砕を4品目共通のラインとし、二次破砕を冷蔵庫と他の3品目に分離したラインとし、合理化を図った。(特許出願中)
(2)日本初、「窒素置換方式」の破砕機を設置
粉塵爆発性の高い冷蔵庫などの分解では、予め処理物を処理槽の中に入れて、空気を抜き窒素ガスを封入する日本初の「窒素置換方式」採用のドイツ製最新破砕機を設置、断熱材フロンの回収はもとより、粉塵爆発の可能性がないため、従来困難とされていたトナーカートリッジの処理も可能となった。
(3)合理的プラント
プラント設計では、2階部分にトラック搬入スペースを設け、使用済み家電品を受入れ、前処理工程で手分解を行い、1階の破砕ラインに投入。全社で物品移動の省エネ、省力化を図った。
(4)高い再資源化、高品質の状態での回収を実現
通常の家電ラインでは、破砕物の処理工程は二次破砕で完了する。
同プラントでは、その後細破砕・二次選別回収工程があり、家電ラインで回収されなかった混入破砕物の形状を、さらに細分化・均一化させ、鉄・アルミ・銅などの金属類、プラスチック類、それ以外の埋め立て用ゴミに分別を行う。これにより、通常では回収できない高品質の金属・非金属を回収し、再資源化を高めた。特にプラスチックにおける選別では、高品質の状態での回収により、法定の50〜60%を大幅に上回る85%程度の再資源化を目指す。
(5)環境保全工場を実践
大気汚染、水質汚濁、振動・騒音、土壌汚染、臭気等について、徹底的な対策を実施するとともに、ゼロエミッション化を目指す。(14年3月)
また、2001年2月には、家電リサイクル事業会社としては初となる、「ISO14001」の適合企業として認証を取得している。
さらに、今後の取組みとして以下のことがあげられている。
事業開始当初は、家電リサイクル法で定められた家電4品目を中心に処理を実施するが、高い破砕能力、粉塵爆発が無いという工場の特長を活用し、自動販売機、コピー機等のリサイクルにも対応していく所存である。
また、計量システムと工程管理を統合した工場運用システムの構築及び、リサイクル率アップへ向けたプラスチックの分離技術の確立も図っていく。
さらに、富士エコサイクルで得たリサイクル技術を当社の環境対応商品の開発・設計に反映させ、循環型経済社会の創造に貢献するとともに、グローバル企業として世界各地への展開も図っていく。(Phile-web編集部)
富士エコサイクルの概要
●商 号 株式会社富士エコサイクル
●事 業 特定家庭用機器再商品化法に定める再商品化等の事業
●所在地 静岡県富士宮市山宮3507番地の19
●資本金 2億円
(内訳:富士通ゼネラル 57.5 %、佐野マルカ 17.5 %、三洋電機・シャープ・ソニー・日立製作所・三菱電機 各 5.0%)
●営業品目 テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、OA機器等
●処理能力 年間30万台(2シフト56万台)
●事業地域 静岡県、山梨県及びその周辺
●人 員 32名(平成13年度)
●工場面積 3,162平方メートル(延床面積)