アキュフェーズ杉浦社長インタビュー1「オーディオで培った感性をAV分野に表現」
アキュフェーズ(株)代表取締役社長 杉浦浩司氏(左)、 2ch/6chコンパチブルのコントロールセンター CX−260(右) |
―― 今回のCX−260、PX−600の発売に関しては大変楽しみであり、期待も抱いております。単刀直入に伺いますが、今回の両モデルが最大6チャンネルまでを再生する理由は、SACDやDVDオーディオのマルチチャンネルを想定したからですか、それとも、DVDビデオの映画音響を再生するためですか。
杉浦 両機が2チャンネル/6チャンネルのコンパチブルである目的は、2チャンネルのハイファイと同時にホームシアターでのDVDビデオ再生に対応することにあります。多くのアキュフェーズファンの「DVDの映像ソースでピュアオーディオと同等の音質が欲しいのだが、満足できるアンプがない」という要望に対して、我々はオーディオとビジュアルを融合した製品像について考え、数年来試行錯誤をしてまいりまいした。アキュフェーズは一昨年のインターナショナルオーディオショウで初めてプリアンプC−266と、パワーアンプPX−600を出品しました。この時点で私どもが視野に置いたのが映像であり、今回の発売にあたりCX−260/PX−600という型番に改めました。今後映像に関わる製品にはモデル番号にXを加え、ピュアオーディオはCやPを冠していきます。ピュアオーディオと同時にホームシアターのサラウンドに対応することを目標に準備をしてきたわけです。
齋藤 SACDにもDVDオーディオにもマルチがありますが、我々はオーディオのマルチチャンネルは、まだ確立されていないという見方をしています。映像で効果を発揮しているマルチチャンネルの完璧な再生に目標を置き設計されたのがこの両機です。今杉浦が申しましたように、モデルナンバーも2チャンネル・オンリーの系列と区別しています。
―― ケンソニック時代のC−200、P−300から始まるアキュフェーズの製品史でエポックメイキングな製品がいくつかあったと思いますが、今回のCX−260とPX−600は、非常に重要なターニングポイントであると認識してよろしいですか。
杉浦 折しも21世紀という新しい世紀に変わりました。全く違う分野に進出する決意で、最初に手がけたのがこのセパレートタイプのアンプです。心がけたのはアキュフェーズがやってきた音響のノウハウをしっかり出していくことです。ここには私どものピュアオーディオの技術と、感性や音に対するこだわりが表現されています。ノウハウ全てを投入したという言い方が良いかもしれません。私どもは、この製品からピュアオーディオ文化からデジタル映像文化の方向にも足を踏み入れていくつもりです。(つづく)
(SENKA21編集部)