日立、UXGAサイズの高精細、広視野角TFT液晶を実現するTFTドライバを開発
データ線駆動が、SXGAで8個、UXGAは10個で実現でき、システムのコスト低減が可能 |
モニターや省スペース型デスクトップパソコン、ノートパソコンなどに搭載されるTFT液晶パネルは、大画面化とともに、XGAからSXGA、UXGAサイズへの高精細化が進んでいる。さらに、視野角の広い高品質な表示画質を実現できるTFT液晶パネルが登場し、需要が拡大しているのが現状だ。しかし、広視野角のTFT液晶パネルを駆動するには高い液晶駆動電圧が必要で、このため、高精細対応だけでなく、広視野角を実現するための高い液晶駆動電圧を発生する液晶ドライバが求められていた。
本製品は、液晶駆動電圧が最大16Vと高いだけでなく、最小駆動電圧が11Vと幅広い駆動電圧で動作する。また、8ビットのD/Aコンバータとオペアンプで構成しているデータ線駆動用出力は、1画素あたり8ビットのデジタルデータを受け取り、256階調の液晶駆動出力電圧を発生。出力電圧発生回路には、当社独自のチョッパ型アンプを採用し、フレーム間で出力電圧の偏差を自動的にキャンセルするようにしたため、16Vの高い電圧でありながら、±2mVの出力電圧精度を実現した。これにより、1,677万色表示の広視野角で高品質な表示の液晶パネルを実現することが可能となった。
さらに、480本のデータ線駆動用出力数は、SXGA、UXGAサイズの画面を構成するのに適している。SXGAおよびUXGAの液晶パネルのデータ線を駆動するのに必要な個数は、従来の384出力では、SXGAで10個、UXGAでは13個のチップが必要だったが、本製品の480出力では、SXGAで8個、UXGAでは10個で駆動でき、部品点数を削減できる。さらにUXGAの場合には、従来の384出力では192出力が未使用の無駄なピンとして発生しますが、本製品では、全ピンを使用した効率の良い液晶パネルの設計が可能。
また、内部回路の動作電圧を2.3Vまで低電圧化し、さらに液晶駆動タイミングコントローラなどの外部回路とのインタフェースは、CMOSインタフェースとして2.3Vから動作できるようにしたため、システム全体の低電圧化、低消費電力化を図ることができる。(Phile-web編集部)