シーラス・ロジック社社長デヴィッド・フレンチによる記者会見が開催される
シーラス・ロジック社社長兼CEOデヴィッド・フレンチ氏 |
会見にてフレンチ氏は、同社における今後の経営のビジョンと技術開発の方向性を示した。同社は現在高成長を続けるDVDエンタテインメント市場を中心とした、デジタル・エンタテインメント家電向け半導体ソリューションへの注力を続け、具体的成果のための戦略が発表された。
現在同社では自社独自の技術開発と併せ、有力企業の買収によりワイヤレスネットワーク技術を取得するなど、着々とその強固な基盤が固まりつつあるという。今後は現在のオーディオIC市場における足固めに加え、ビデオ&ワイヤレス技術の基盤を拡張していく考えである。DVDを中心とするビデオ分野の売上げは現在、同社の売上げ構成比の3分の1を占めるに至り、同社は今後2〜3年の間にトラディショナルな機器から先進デジタルエンタテインメントアプリケーションへの開発基盤の移行を本格化していく。
また同社は先日中国におけるデザインセンター開設を発表したばかりであるが、フレンチ氏は今後もDVD市場をはじめ、継続してアジアマーケットへ注力していく考えを示した。現在売上げの70%超をアジア地域にて確立し、アジアの従業員数が全体の13%を占めるなど、アジアに技術のフォーカスを当てようとしている同社は、殊にコンシューマー向けアプリケーションの核としての日本の技術力を高く評価しているという。今後もDVD市場がみせる急成長において同社は、日本におけるクライアントとの連携を強め、最新デジタルテクノロジーの活用とビジネスチャンスの拡大を進めていく方向性を明らかにした。
会見の最後ではフレンチ氏により、同社のビデオデレーディング技術、オーディオ技術を融合させた「メディア・センターへの進化」の開発構想が発表された。これは将来のホームエンタテインメントの中心として、DVDによるビデオレコーディング、ワイヤレス技術によるネットワーク接続、高品質なオーディオ、インターネットを一つの「メディア・センター」において楽しむことの出来る製品の開発へとつながる技術を開発していくというものである。この「メディア・センター」の登場に必要な技術は既に同社において整っているという。本構想についてフレンチ氏は、今後コストダウンと高品質化への努力を重ねながら、各クライアントと連携し早い時期における実現化を達成したいと述べ、会見の締めくくりとした。
(Phile-web編集部)