RWプロダクツ・プロモーション・イニシアティブによる第20回定期ミーティングが開催される
左)RWPPI代表・相澤宏紀氏 右)山根氏は講演の壇上にて50年も昔の人力駆動のポータブルアナログプレーヤーを披露された |
本定例会議の冒頭では、はじめにRWPPI代表である、相澤宏紀氏による挨拶が行われた。相澤氏は本年の秋から冬にかけての時期に、DVDレコーダーがさらなる大きな飛躍をみせるだろうと予測を語られた。これから夏本番を迎え、以降年末にかけて各メーカーからDVD関連製品が数多く登場する。DVD-R/-RW関連の製品だけでなく、DVDレコーディングエンタテインメントに寄せる、同氏の期待の大きさを明らかにされた。
今回の定例会議からRWPPIに新しいメンバーとなる3社が新しく加わることとなった。台湾に本拠を置くニューソフトテクノロジー・コーポレーションは、DVDレコーディングに関するソフトウェアの開発や、DVD製品のトータルソリューションを主に手掛けるメーカーである。創立15年の歴史を持ち、アジアのみならず米・独・仏にも広くビジネスを展開している。同じく台湾で活躍するギガストレージコーポレーションは1997年に設立されたフレッシュな会社であり、CD-R、DVD-Rを中心とした光メディアの製造やミニCDプレーヤーなどのスタンドアロン製品も積極的に開発を手掛けている。米国に本社を持つロキシオ社は、デジタルエンタテインメントソフトウェア製品の開発販売を行う。先頃同社より発売されたCD/DVDライティングソフト「Easy CD & DVD Creator 6」も好調なトップブランドとしてもユーザーから絶大な支持を受けているメーカーである。このように、昨今RWPPIには海外メーカーからの加盟が増え続けているという。DVD録画というエンタテインメントがワールドワイドに広まり、メーカーどうしのコミュニケーションも世界規模で密接に関わり合う必要性が高まる中で、RWPPIの活動がさらに注目の度合いを増している現状がここでもうかがうことができるのだ。
定例会の場では、続けてこの秋から次々と開催されるオーディオ・ビジュアル&ホームシアターの大きなイベントに向けてRWPPIの準備状況が報告された。来る8月下旬よりドイツ・ベルリンにて開催されるIFAベルリンショーの展示計画と、10月に日本国内で開催されるCEATECの展示内容、会場ブースの概要が伝えられた。イベントではDVD-R/-RWの使いこなしと楽しみ方が実例を明らかにしながらブース展示されるという。殊にDVD-RWメディアにおける「VRモード」の使いこなしにフォーカスをあてたデモンストレーションに力を入れていく予定であるという。映像をDVDカメラでとる→DVDレコーダー/PCで編集→プレーヤーで再生して楽しむ、という一連のエンタテインメントの流れに沿った興味深い展示が行われそうだ。IFAベルリンでのRWPPIの展示の模様は、ご覧のPhile-webにてレポートして行く予定だ。またCEATECの展示内容についても、その詳細がわかり次第お伝えしていくのでご期待いただきたい。
続いて去る7月2日に行われた「ラウンドロビンテスト定期全体会議」の結果報告が行われた。DVD-R/-RWメディアにおける各種互換性データを徹底検証する「ラウンドロビンテスト」では今後さらにVRフォーマットにおける記録・再生互換の検証、DVD-R/-RWディスクのハイスピード記録メディアにおける検証が引き続き積極的に行われている段階である。前回の「ラウンドロビンテスト定期全体会議」の詳細については下記リンク先の7月2日Phile-webニュースにて詳細をご報告しているのでぜひご覧いただきたい。
定例会議の最後には参加各社のメンバーが集まる中、DVD記録メディアの発展を目的とした講演が行われた。今回講演を行ったのは、ノンフィクション作家として雑誌のコラム執筆やTVキャスターとしても活躍する、山根一眞氏である。この日、山根氏はユーザーの立場から「DVDを使う側の理論」をRWPPI参加の各社メンバーに向けて語った。山根氏自身も雑誌やTVの取材時にパソコンやDVDをはじめとする多彩な記録メディアを活用されるヘビーユーザーである。かつてインタビュー取材の際などに活用したマイクロカセットテープレコーダーを愛用された時の体験記から、現在HDDやDVDを使い、映像動画や音声まであらゆる情報をアーカーブ化しビジネスに活用される同氏の鮮やかな手法が披露された。ディスクメディアが現在のようにめざましい進化を遂げる中、将来に渡り長く使うための記録・再生互換の検証、信頼性の検証がいかに重要であるか、またRWPPIの活動の持つ意義を山根氏は指摘する。DVD録画をめぐる技術に今よりもいっそう画期的な発展を願う一方、さらなる互換性の確立、プラットフォームの統一を積極的に模索してほしいと、参加各社のメンバーに向けて山根氏はエールを贈った。
(Phile-web編集部)