三洋、地上波デジタルを受信可能な携帯電話を発表(2)−質疑応答・全問全答をご紹介−
<左>開発を行った三洋テレコミュニケーションズ(株)副社長の前神 棟三氏 <右>同社常務の前田哲宏氏 |
発表会席上で行われた質疑応答の全問全答をご紹介する。
Q:ダイバーシティで使用する2本のアンテナは、本体のどこにある?
A:1つは本体の背面にある。もう1つは、地上波デジタル視聴時にイヤホンを使用することを想定し、イヤホンのケーブル部に内蔵した。だが、実際の商品でもこの構成にすることが決定しているわけではなく、現在様々な検証を行っているところだ。
Q:H.264(注)も地上波デジタル携帯受信の仕様に加えられることが決まったようだが、三洋としてはどちらを選ぶのか?
A:弊社がどちらかを選ぶ立場にはない。どちらにも対応できるよう準備は進めている。
※注「H.264」:MPEG4 Part10とも呼ばれる。1Mbps程度のビットレートでDVDビデオ並みの画質を実現するとされている。2004年頃に実用化予定。
Q:バッテリーは現行機と同じものか、それとも今回新たに開発したものか?
A:従来と同様のものである。
Q:有機ELディスプレイはコダックと共同開発しているものか?
A:そうだ。ただし、今回の試作機には有機ELを採用したが、有機ELに固執しているわけではない。製品化の段階でいちばん良いものを採用したい。
Q:大まかな需要予測を教えて欲しい。
A:放送の開始時期もはっきりしない段階なので何とも言いようがない。
Q:価格は?
A:若干上がるが、それほど高くはならない。
Q:ICは自社生産か?
A:そうだ。
Q:本体質量150gというのは電池込みか?
A:そうだ。
Q:視聴時間90分は満充電時か?
A:そうだ。
Q:チップを外販する計画は?
A:検討はしているが、まだ低消費電力化などを進めている最中だ。現状のものをそのまま外販する予定はない。
Q:視聴時間の目標値はあるか?
A:ユーザーアンケートの結果では、60分が目安。一応クリアしているが、携帯電話なので通話時間や待ち受け時間も確保しないとならない。さらに電池容量の増大と低消費電力化を進めていきたい。
Q:本試作機に搭載された地上波デジタル受信用チップを使って、専用の受信端末を作ったり、PHSなどに受信機能を組み込んだりすることは可能か?
A:可能である。
Q:ダイバーシティ受信はイヤホンを差さないと実現できないのか?
A:今回はイヤホンにアンテナを内蔵したが、携帯の本体にループアンテナを内蔵する方法もあり得る。アンテナ構成については、現在何がベストかを検証しているところだ。
Q:チップの小型化はどこまで可能か?
A:実装の技術者からは「半分にしてくれ」と言われている。
Q:ディスプレイサイズはどのくらいが適当と考えているか?
A:2.4インチが、持ち運ぶサイズの限界だろうと考えている。
Q:電話機能のみを使用した場合の連続通話時間は?
A:通常のCDMA端末と同程度は確保している。
Q:外部メモリースロットが搭載される可能性は?
A:SDメモリーカードスロットの搭載を準備している。
Q:本試作機でSDメモリーカードに番組を録画し、そのカードをPCに差すことで、PCでの録画番組視聴は行えるか?
A:まだそこまでは検討していない。
Q:W-CDMAやPHSに地上波デジタル受信機能を搭載することは考えているか?
A:準備を行っている。
Q:有機ELディスプレイは、対策をしないと焼き付きが起こる可能性があるというが、本試作機のディスプレイはどうか?
A:有機ELディスプレイについてはまだ開発中なので、最終仕様ではない。
Q:内蔵のCCDカメラは動画撮影が行えるか?
A:現状は静止画撮影のみだが、CEATEC出品時には動画撮影も実現したいと考えている。
(Phile-web編集部)