“DVDフォーラム・日本コンファレンス”開催。次世代DVDエンハンストDVDの進捗状況
開会に先立ち、Steering Committee memberである日本ビクター(株) 取締役 AV&マルチメディアカンパニー副社長 河田晋吾氏が挨拶にたった。「DVDプレーヤーは2003年度、全世界で5000万台の出荷を記録し、2004年には6000万台が見込まれています。さらに最近ではDVDレコーダーが飛躍的な出荷数を記録しています。そんなDVDフォーマット策定を行うDVDフォーラムのメンバー会社も、2003年10月時点で216社という世界最大の集合体になりました。業界の舵取り役として重要なポジションであることを改めて認識するとともに、これからも皆様とともに活動していきたい。」
続けて始まったコンファレンス午前中のトピックは、やはり「DVDビデオ規格の拡張」に関するものだ。本年度中にもバージョン1.0(現在バージョン0.9)が策定される「Enhanced DVD(エンハンストDVD)=DVD-ENAV」は、現行のDVDビデオのインタラクティブ性を高めたものである。DVDビデオとは独立した規格として、インターネット機能を利用した魅力あるコンテンツを規格するもので、DVDのWebコンテンツ連動版と考えてよい。
エンハンスト・ナビゲーション(ENAV)コンテンツとDVDビデオコンテンツ間の連携をコントロールする規格で、新規に発売されるInteractive DVDビデオプレーヤーで再生できる。DVDプレーヤーはネット接続され、再生はインタラクティブモードとDVDビデオモードを再生前に切り替える方法で行うイメージだ。
具体的なコンテンツには、これまでのDVDビデオパッケージにもあった「インターネットの有無に関わらないもの」と、「インターネットの応用によって実現するもの」がある。前者には「各シーンに対する解説」、「よりグラフィカルなメニューの実現」、「コンテンツ制作者の意図に応じた再生」などがあり、現行DVDビデオより改善されたコンテンツを楽しむことができる。
また、後者の「インターネットの応用」では、「映像作品の進行に合わせた、チャットによるディレクターとの意見交換(Virtual theater)」、「新しいコンテンツ/サービスの提供」、「DVDディスク上の隠しコンテンツの再生許可」、「ディレクターのコメントオーディオでの提供」、「映画に関連したグッズの販売」などをDVDビデオ再生とともに提供することができるようになる。
同じく拡張規格として検討されている、再生専用(パッケージDVD)のHD DVDとの併用も想定(あとで述べる)され、次世代DVDへの期待は膨らむ。(AV REVIEW編集部)