エプソン、フルHDリアプロ「LIVINGSTATION Gシリーズ」65V/55V型を発売
セイコーエプソン(株)は、液晶プロジェクションテレビ「LIVINGSTATION」の新モデルとして、フルハイビジョン解像度を備えた「Gシリーズ」2モデルを発表、本日から受注を開始し、12月20日から出荷を開始する。
2モデルの概要は以下の通り。
■55V型「ELS-55GL1」¥598,000(税込)
■65V型「ELS-65GL1」¥698,000(税込)
両機の販売はこれまでと同様、エプソンダイレクト(株)を通じたダイレクト販売のみとなる。
シリーズで初めてフルHD化を果たした最上位機
LIVINGSTATIONシリーズは、2004年5月に、プリンター内蔵の「Pシリーズ」が登場。今年6月には機能を限定して価格を下げた「Sシリーズ」を投入し、プロジェクションテレビの裾野を拡げる役割を担わせた。今回の「Gシリーズ」は、初代のPシリーズを基本にしながら、リビングの情報ステーションとして機能向上を図った発展系で、LIVINGSTATIONの最上位機に位置づけられるモデルとなる。シリーズで初めて1920×1080のフルHD解像度を実現した。表示方式は、新開発の0.9型液晶パネルを3枚用いた3LCD方式。なお、液晶パネルはD5世代のデバイスとなる。
内蔵チューナーは地上アナログ、地上デジタル、BSデジタル、110°CSデジタルを各1基ずつ備える。EPG表示にももちろん対応している。
高画質機能として、1080iの映像を1080pに変換するI/P変換回路、シーンの明るさを1/60秒ごとに解析し、ランプからの光量をリアルタイムに無段階制御する「PBエンハンサー」を搭載。エプソンではこの2つをまとめて「エプソン高画質テクノロジー」と呼称している。PBエンハンサーにより、コントラスト比は最大6000対1を実現。暗いシーンの黒の質感を再現するという。
なお、光源はUHEランプで、出力は100Wと120Wの切り替えが可能。部屋の明るさに応じて使い分けることができる。
各社メモリーカード対応のカードスロットを本体全面に装備し、フォトビューワーで静止画や動画を再生できる。なお、動画はAVI、MOV、MPEG1の再生が行え、解像度は720×480まで、フレームレートは30fpsまで対応する。メモリーカード内のMP3音声の再生も可能。
また、エプソンならではの機能として、本体背面にはプリンター用のUSB端子も備え、PictBridge対応のプリンターを接続すれば、テレビ画面などを気軽にプリントアウトすることができる。
オンキヨーと共同開発した本格スピーカーを装備
音質を高めたのも両機の大きな特徴。オンキヨーと共同開発した2ウェイスピーカーを搭載し、ユニットは12cmウーファーと5cmトゥイーターを備える本格派。バッフルボードは厚さ9mmの軽量なウッドバッフルで、エンクロージャーの密閉度を向上させることで、スピーカーの不要振動を抑え、臨場感豊かな音質を獲得している。なお、エンクロージャーの容量は55V型が約4.4リットル、65V型が約5.5リットルとなる。本体にSRS TruSurround XT/SRS TruSurround機能を備え、簡易サラウンド再生も可能。
接続端子は、ビデオ入力やSビデオ入力、D4入力などはもちろん、HDMI端子1系統とアナログRGB端子1系統も装備。i.Link端子も2系統備え、将来の拡張性にも配慮した。
スクリーンは既に発売したSシリーズと同様、ノングレア・ハードコート仕様の「PBスクリーン」を採用。映像モードや画質調整機能もSシリーズと同じで、映像モードはダイナミック/ナチュラル/シアター/お好み設定/カスタム1/カスタム2の6種類。映像調整は、明るさ/コントラスト/色の濃さ/色あい/シャープネスの5項目のみで、これもSシリーズと同じ。ガンマ調整や色温度調整など高度な調整機能は見送られた格好だが、同社説明員は「ユーザーに細かな部分まで開放すると映像が破綻することが多いため」と理由を説明する。
省電力設計も施され、両機とも通常使用時の消費電力は269W。テレビを視聴しないときは前面の主電源スイッチを切っておけば待機時消費電力は0Wとなる。オートシャットダウンや無操作電源オフなどの節電機能も搭載する。
3LCDをプロジェクションテレビの本命として今後も推進
本日、東京都内で本機の記者発表会が行われた。冒頭、セイコーエプソン(株)代表取締役副社長の丹羽憲夫氏が登壇。丹羽氏は「現在、弊社は中期経営計画『SE07』を遂行しているところで、i1の『Paper』分野、i2の『screen』分野、i3の『grass』分野に経営リソースを集中させているところだ。この3つは、決してバラバラに取り組むものではなく、関連テクノロジーとして捉え、画像と映像の融合領域での競争力を高めることを目標にしている」と説明。画像と映像の融合の具体例として、今回のGシリーズが登載したPictBridge機能を挙げ、「弊社のプリンター事業は50%超のシェアを持っている。すでに皆さんがエプソンのプリンターをお持ちのわけで、これを有効に活用する」と述べた。
また、使用するデバイスについて、「3LCD分野では弊社が世界トップ。国内ではエプソン、三洋電機、ソニーに採用してもらっている」とし、「3LCDはプリズムで色合成をするので目に優しい。これからもプロジェクションテレビの本命として推進する」と力強く宣言した。
製品の概略については、先頃新たに映像機器事業部長に就任した羽方忠明氏が説明。羽方氏は、「大画面テレビに対する顧客ニーズを調べたところ、予算が合えば手に入れたい大画面テレビのサイズとして、40V〜49V型が38%、50V型以上が36%を占めた。大画面に対する潜在需要は非常に大きい」とし、「さらに大画面テレビに期待する性能・機能を尋ねたら、重要度が高い順にフルHD、高音質が並んだ。今回発売するGシリーズは、こうしたユーザーニーズを汲み取って開発した製品だ」と本機を紹介した。
販売を行うエプソンダイレクト(株)の山田明社長は、両製品の販売戦略について語った。山田氏は、プロジェクションテレビ市場におけるLIVINGSTATIONのシェアについて言及し、「当初目標のシェア50%をゆうに超え、順調に伸び続けている」と説明した。また、今回のGシリーズについては、「ダイレクト販売の強みを活かし、ユーザーからの声を反映させた製品・サービス開発を行った」と述べた。
山田氏はまた、販売目標について「今後1年間で5,000台」と述べ、価格については「この性能なら十分に納得し、ご満足してもらえる価格だ」と自信を見せた。販売戦略としてエプソンダイレクトでは、「ユーザーに徹底的に認知してもらう活動を引き続き行う」とし、「PCなどでは、現物を見ないでスペックだけを確認して購入する文化が根付きつつある。テレビも数年後にはそういう文化になると考えており、そのための戦略を実施する」とした。
以下、発表会で行われた質疑応答の全問全答をご紹介する。
Q:国内のプロジェクションテレビの市場規模を教えて欲しい
A:SシリーズとPシリーズの年間販売目標が15,000台程度で、Gシリーズの目標が5,000台程度だ。弊社のシェアは50%超だ。ここから判断して欲しい。
Q:ワールドカップなどを控え、PDPやLCD陣営が満を持している。直販で勝ち抜く秘策は?
A:ユーザーの声を捉えて、コストパフォーマンスの高いモデルを、素早く投入できるのが直販のメリットだと考えている。たしかに小型の液晶テレビなどは安い製品が増えたが、今後40V型以上の需要はますます増えると考えている。
Q:0.9型の液晶パネルを搭載しているが、高精細になった以外に変更点はないのか?
A:解像度が720pから1080pになっただけで、それ以外の変更点はない。
Q:パネルは千歳で生産するのか? また、パネルの外販はあるか?
A:生産は千歳と諏訪の両方で行う体制を整えている。状況に応じて生産場所を決める。パネルの外販については、リアプロでは基本的にレンズなどを含めた光学エンジン全体を供給する予定だ。
Q:今回の液晶パネルは無機配向膜を採用しているのか?
A:今回のパネルではまだ採用していない。
Q:今回の液晶パネルはD4パネルか?
A:D5パネルだ。
Q:プロジェクションテレビ事業を黒字化できるのはいつ頃か?
A:2007年に黒字化に持って行く予定だ。
【問い合わせ先】
エプソンダイレクト(株)
TEL/0120-545-013
(Phile-web編集部)
2モデルの概要は以下の通り。
■55V型「ELS-55GL1」¥598,000(税込)
■65V型「ELS-65GL1」¥698,000(税込)
両機の販売はこれまでと同様、エプソンダイレクト(株)を通じたダイレクト販売のみとなる。
シリーズで初めてフルHD化を果たした最上位機
LIVINGSTATIONシリーズは、2004年5月に、プリンター内蔵の「Pシリーズ」が登場。今年6月には機能を限定して価格を下げた「Sシリーズ」を投入し、プロジェクションテレビの裾野を拡げる役割を担わせた。今回の「Gシリーズ」は、初代のPシリーズを基本にしながら、リビングの情報ステーションとして機能向上を図った発展系で、LIVINGSTATIONの最上位機に位置づけられるモデルとなる。シリーズで初めて1920×1080のフルHD解像度を実現した。表示方式は、新開発の0.9型液晶パネルを3枚用いた3LCD方式。なお、液晶パネルはD5世代のデバイスとなる。
内蔵チューナーは地上アナログ、地上デジタル、BSデジタル、110°CSデジタルを各1基ずつ備える。EPG表示にももちろん対応している。
高画質機能として、1080iの映像を1080pに変換するI/P変換回路、シーンの明るさを1/60秒ごとに解析し、ランプからの光量をリアルタイムに無段階制御する「PBエンハンサー」を搭載。エプソンではこの2つをまとめて「エプソン高画質テクノロジー」と呼称している。PBエンハンサーにより、コントラスト比は最大6000対1を実現。暗いシーンの黒の質感を再現するという。
なお、光源はUHEランプで、出力は100Wと120Wの切り替えが可能。部屋の明るさに応じて使い分けることができる。
各社メモリーカード対応のカードスロットを本体全面に装備し、フォトビューワーで静止画や動画を再生できる。なお、動画はAVI、MOV、MPEG1の再生が行え、解像度は720×480まで、フレームレートは30fpsまで対応する。メモリーカード内のMP3音声の再生も可能。
また、エプソンならではの機能として、本体背面にはプリンター用のUSB端子も備え、PictBridge対応のプリンターを接続すれば、テレビ画面などを気軽にプリントアウトすることができる。
オンキヨーと共同開発した本格スピーカーを装備
音質を高めたのも両機の大きな特徴。オンキヨーと共同開発した2ウェイスピーカーを搭載し、ユニットは12cmウーファーと5cmトゥイーターを備える本格派。バッフルボードは厚さ9mmの軽量なウッドバッフルで、エンクロージャーの密閉度を向上させることで、スピーカーの不要振動を抑え、臨場感豊かな音質を獲得している。なお、エンクロージャーの容量は55V型が約4.4リットル、65V型が約5.5リットルとなる。本体にSRS TruSurround XT/SRS TruSurround機能を備え、簡易サラウンド再生も可能。
接続端子は、ビデオ入力やSビデオ入力、D4入力などはもちろん、HDMI端子1系統とアナログRGB端子1系統も装備。i.Link端子も2系統備え、将来の拡張性にも配慮した。
スクリーンは既に発売したSシリーズと同様、ノングレア・ハードコート仕様の「PBスクリーン」を採用。映像モードや画質調整機能もSシリーズと同じで、映像モードはダイナミック/ナチュラル/シアター/お好み設定/カスタム1/カスタム2の6種類。映像調整は、明るさ/コントラスト/色の濃さ/色あい/シャープネスの5項目のみで、これもSシリーズと同じ。ガンマ調整や色温度調整など高度な調整機能は見送られた格好だが、同社説明員は「ユーザーに細かな部分まで開放すると映像が破綻することが多いため」と理由を説明する。
省電力設計も施され、両機とも通常使用時の消費電力は269W。テレビを視聴しないときは前面の主電源スイッチを切っておけば待機時消費電力は0Wとなる。オートシャットダウンや無操作電源オフなどの節電機能も搭載する。
3LCDをプロジェクションテレビの本命として今後も推進
本日、東京都内で本機の記者発表会が行われた。冒頭、セイコーエプソン(株)代表取締役副社長の丹羽憲夫氏が登壇。丹羽氏は「現在、弊社は中期経営計画『SE07』を遂行しているところで、i1の『Paper』分野、i2の『screen』分野、i3の『grass』分野に経営リソースを集中させているところだ。この3つは、決してバラバラに取り組むものではなく、関連テクノロジーとして捉え、画像と映像の融合領域での競争力を高めることを目標にしている」と説明。画像と映像の融合の具体例として、今回のGシリーズが登載したPictBridge機能を挙げ、「弊社のプリンター事業は50%超のシェアを持っている。すでに皆さんがエプソンのプリンターをお持ちのわけで、これを有効に活用する」と述べた。
また、使用するデバイスについて、「3LCD分野では弊社が世界トップ。国内ではエプソン、三洋電機、ソニーに採用してもらっている」とし、「3LCDはプリズムで色合成をするので目に優しい。これからもプロジェクションテレビの本命として推進する」と力強く宣言した。
製品の概略については、先頃新たに映像機器事業部長に就任した羽方忠明氏が説明。羽方氏は、「大画面テレビに対する顧客ニーズを調べたところ、予算が合えば手に入れたい大画面テレビのサイズとして、40V〜49V型が38%、50V型以上が36%を占めた。大画面に対する潜在需要は非常に大きい」とし、「さらに大画面テレビに期待する性能・機能を尋ねたら、重要度が高い順にフルHD、高音質が並んだ。今回発売するGシリーズは、こうしたユーザーニーズを汲み取って開発した製品だ」と本機を紹介した。
販売を行うエプソンダイレクト(株)の山田明社長は、両製品の販売戦略について語った。山田氏は、プロジェクションテレビ市場におけるLIVINGSTATIONのシェアについて言及し、「当初目標のシェア50%をゆうに超え、順調に伸び続けている」と説明した。また、今回のGシリーズについては、「ダイレクト販売の強みを活かし、ユーザーからの声を反映させた製品・サービス開発を行った」と述べた。
山田氏はまた、販売目標について「今後1年間で5,000台」と述べ、価格については「この性能なら十分に納得し、ご満足してもらえる価格だ」と自信を見せた。販売戦略としてエプソンダイレクトでは、「ユーザーに徹底的に認知してもらう活動を引き続き行う」とし、「PCなどでは、現物を見ないでスペックだけを確認して購入する文化が根付きつつある。テレビも数年後にはそういう文化になると考えており、そのための戦略を実施する」とした。
以下、発表会で行われた質疑応答の全問全答をご紹介する。
Q:国内のプロジェクションテレビの市場規模を教えて欲しい
A:SシリーズとPシリーズの年間販売目標が15,000台程度で、Gシリーズの目標が5,000台程度だ。弊社のシェアは50%超だ。ここから判断して欲しい。
Q:ワールドカップなどを控え、PDPやLCD陣営が満を持している。直販で勝ち抜く秘策は?
A:ユーザーの声を捉えて、コストパフォーマンスの高いモデルを、素早く投入できるのが直販のメリットだと考えている。たしかに小型の液晶テレビなどは安い製品が増えたが、今後40V型以上の需要はますます増えると考えている。
Q:0.9型の液晶パネルを搭載しているが、高精細になった以外に変更点はないのか?
A:解像度が720pから1080pになっただけで、それ以外の変更点はない。
Q:パネルは千歳で生産するのか? また、パネルの外販はあるか?
A:生産は千歳と諏訪の両方で行う体制を整えている。状況に応じて生産場所を決める。パネルの外販については、リアプロでは基本的にレンズなどを含めた光学エンジン全体を供給する予定だ。
Q:今回の液晶パネルは無機配向膜を採用しているのか?
A:今回のパネルではまだ採用していない。
Q:今回の液晶パネルはD4パネルか?
A:D5パネルだ。
Q:プロジェクションテレビ事業を黒字化できるのはいつ頃か?
A:2007年に黒字化に持って行く予定だ。
【問い合わせ先】
エプソンダイレクト(株)
TEL/0120-545-013
(Phile-web編集部)
トピック
- ブランドEPSON
- 型番上記参照
- 発売日2005年11月30日
- 価格上記参照
【SPEC】
<ELS-55GL1>
●画面サイズ:55V型 ●投映パネル:0.9型液晶パネル×3、1920×1080画素 ●受信チャンネル:地上アナログ、地上デジタル、BSデジタル、110°CSデジタル ●映像入力端子:ビデオ3、Sビデオ3、D4端子2、HDMI端子1、アナログRGB1 ●消費電力:269W ●外形寸法:1580W×940H×423Dmm ●質量:約48.5kg
<ELS-65GL1>
●画面サイズ:65V型 ●投映パネル:0.9型液晶パネル×3、1920×1080画素 ●受信チャンネル:地上アナログ、地上デジタル、BSデジタル、110°CSデジタル ●映像入力端子:ビデオ3、Sビデオ3、D4端子2、HDMI端子1、アナログRGB1 ●消費電力:269W ●外形寸法:1799W×1068H×481Dmm ●質量:約58.5kg
<ELS-55GL1>
●画面サイズ:55V型 ●投映パネル:0.9型液晶パネル×3、1920×1080画素 ●受信チャンネル:地上アナログ、地上デジタル、BSデジタル、110°CSデジタル ●映像入力端子:ビデオ3、Sビデオ3、D4端子2、HDMI端子1、アナログRGB1 ●消費電力:269W ●外形寸法:1580W×940H×423Dmm ●質量:約48.5kg
<ELS-65GL1>
●画面サイズ:65V型 ●投映パネル:0.9型液晶パネル×3、1920×1080画素 ●受信チャンネル:地上アナログ、地上デジタル、BSデジタル、110°CSデジタル ●映像入力端子:ビデオ3、Sビデオ3、D4端子2、HDMI端子1、アナログRGB1 ●消費電力:269W ●外形寸法:1799W×1068H×481Dmm ●質量:約58.5kg