山之内 正の“Wooo”「DV-DH1000D」連続レポート(2)機能・使い勝手をチェック
操作はリモコンの「べんり」ボタンを押して一番最初に表示される「自動録画」を選ぶところから始まる。ところで、前作では「べんり」ボタンがリモコンのカーソル左側に配置されていたが、本機ではそれが「おしえて」ボタンに変更されたため、使用頻度の高いボタンにも関わらず、「べんり」ボタンは小さなスペースに追いやられてしまった。これは少し残念な点だ。「おしえて」ボタンは簡単なヘルプを呼び出すもので、操作に迷ったときに便利に使える。
●自動録画の条件は細かく設定できる
自動録画するための番組を選ぶ条件はキーワード以外にジャンル、放送種別、時間帯、レコーダー1で録画する際の録画モードなど、多岐にわたっている。さらに、条件設定後に「and」と「or」を選択する機能も用意されているので、別掲の写真の通り、選択できるオプションはなかなか充実している。
わかりやすい実例をひとつご紹介しよう。ジャンル設定で「映画」を選び、サブジャンルで「洋画」を選ぶだけでは、該当する番組が映画本編以外にもたくさん抽出され、収拾がつかなくなる。そこで、放送時間枠を深夜枠などに限定したうえで、放送サービスも必要なものだけを指定する。そうして条件を絞り込んでいくと、録画対象番組を一気に抑えることが可能だ。
写真の例は時間帯を深夜に限定した例だが、狙い通り、番組表を見ただけでは気付きにくいカルト系映画や渋い作品がピックアップされた。「予約一覧」を呼び出して、「番組案内」などの不要なプログラムをあらかじめ予約リストから消去しておけば、本当に必要なプログラムだけが残る。特定の監督や俳優の名前をキーワードとして指定すれば、さらにピンポイントで検出できることはいうまでもない。唯一残念な点は予約一覧画面に表示される番組タイトルが3日分に限定されてしまうことだ。
本機に限らず自動録画機能は必ずしも万能なものではないが、本機の場合、条件の指定方法がわかりやすいこともあり、使い方次第ではうまく利用できそうだ。
●「ワケ録」は大容量の本機で真価を発揮する
WoooシリーズのDVDレコーダーは、番組のジャンルなどによってフォルダを自動的に分類する「ワケ録」機能を積んでいるが、特に本機のような大容量モデルではこの機能の真価が発揮される。番組探しが楽になるだけでなく、見終わったシリーズものの番組を一気に消去できる点がありがたい。
消去については従来通りいったん「ゴミ箱」に移動する方式を採用しているが、従来機ではゴミ箱の中身を空にする方法がわかりにくかった。本機は「べんり」機能や「ワケ録」から呼び出せるほか、リモコンに専用ボタンまで新設された。こうした着実な進化は大いに歓迎したい。
次回はとっておきの話題集中機能、「いいとこ観」の徹底検証をお届けする予定なのでお楽しみに。
(山之内 正)
【バックナンバー】
第1回:1TBレコーダーはどこが変わった?
山之内 正 プロフィール
神奈川県横浜市出身。東京都立大学理学部卒。在学時は原子物理学を専攻する。出版社勤務を経て、音楽の勉強のためドイツで1年間過ごす。帰国後より、デジタルAVやホームシアター分野の専門誌を中心に執筆。趣味の枠を越えてクラシック音楽の知識も深く、その視点はオーディオ機器の評論にも反映されている。