HOME > ニュース > 「DVDの互換性検証はいま」RRTのキーパーソンに訊く〜第4回:パイオニア・川原康成氏

「DVDの互換性検証はいま」RRTのキーパーソンに訊く〜第4回:パイオニア・川原康成氏

公開日 2006/08/24 21:30
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
RWプロダクツ プロモーションイニシアティブ(略称:RWPPI)は第30回のラウンドロビンテスト全体会議を24日、パイオニア(株)目黒本社にて開催した。

今回はラウンドロビンテストの「ロジカルフォーマット(レコーダー)WG」ワーキンググループのチェアマンに、今年の夏から新しく就任したパイオニア(株)ホームエンタテインメントビジネスグループ AV技術部 ビデオ設計部 設計2グループ マネージャーの川原康成氏にお会いし、ワーキンググループの現状と課題など詳しいお話をうかがった。


「ロジカルフォーマット(レコーダー)WG」ワーキンググループのチェアマン 川原康成氏
川原氏はパイオニアにおいてレーザーディスクの製品およびLSIの開発に携わった後、DVDプレーヤー製品の立ち上げ時に活躍されたキャリアを持つ。その後も、DVD機能を搭載したホームシアターシステムや、同社のDVDレコーダー初号機となる「DVR-1000」から録画機の開発にも関わってきたビデオエンターテインメント機器のスペシャリストである。

RWPPIが主催するラウンドロビンテストには今年の夏から参加し、ロジカルフォーマット(レコーダー)WGのチェアマンとして活躍されている。

ロジカルフォーマット(レコーダー)WGの主な活動には、あるメーカーの録画機器で記録したディスクを、他のメーカーの機器で問題なく再生ができるかどうかを検証する活動がある。昨今はレコーダー市場が拡大し、ユーザーの数が増加したことにより「ディスクを友人どうしで交換したり、配ったりする使い方がますます増えている」と川原氏は語る。そのため、ワーキンググループにおけるテスト方法についても、ある機器で記録したディスクにさらなる追記や編集を加えた後、最初に記録した機器でもう一度問題なく再生が行えるかといった、複数回のやり取りを想定した緻密な検証が現在は行われているのだという。

一方で昨今はDVDを記録媒体としたカムコーダーを所有するユーザーも急速に増えつつある。川原氏の所属するロジカルフォーマット(レコーダー)WGでは、「カムコーダーで録画したディスクをプレーヤーで再生する」等の項目についても、RWPPIの他のワーキンググループと連携を取りながら、クオリティを意識した検証を始めているそうだ。

RWPPIの互換性検証活動は、今年の夏から新しく「Stage 6(6回目の互換性検証活動)」へとステップを進めた。現在ロジカルフォーマット(レコーダー)WGでは、テストの内容、およびテスト手順を確定させており、今日の全体会議ではテスト用のディスク作成についてなど、これからのテストの実施に関する具体的な取り組みの詳細が決定された。

ロジカルフォーマット(レコーダー)WGには現在11社の企業が参加している。川原氏をはじめ、参加メンバーの間にはDVDレコーダーの製品、および技術はいままさに成熟の段階に達しているという実感があるという。川原氏が開発に関わったというパイオニアのDVDレコーダーも最新機種ではマルチ対応のドライブを搭載してきたが、マルチフォーマット記録に対応するDVDドライブも、市場導入当初と比較して格段に性能が安定しているようだ。また、PCアプリケーションと家電レコーダーとの親和性についても、従来より格段に高まってきている。このように製品と技術が進化した現在「どんなDVDメディアもユーザーの皆様には違和感なく、それぞれの違いを意識せずに使って頂くことができるだろう」と川原氏は語る。


FTI社 Derk Jan Adelerhof氏
今回の全体会議では、ラウンドロビンテストのメンバーとして新たに加わったFalcon Technology International社のDerk Jan Adelerhof氏が来日し、DVDメディアの開発・製造をワールドワイドに展開する同社の活動内容を紹介した。


RWPPI事務局 森下氏
続いてRWPPI事務局の森下氏が登壇し、今年の7月初旬に中国の青島で開催された「2006 SINOCES」への出展成果を報告した。RWPPIが中国でのプロモーション活動を行う機会は、2004年、2005年に上海で開催されたCeBIT Asia への出展に続き3回目となったが、今回はステージ上でのデモ展示に加え、ユーザー参加型のクイズ形式のデモなども行いながら、一般来場者をはじめとする中国の多くのユーザーにDVD-RW/-R商品の特徴をアピールできたと森下氏は語った。


ラウンドロビンテスト・ヘッドチェア 石井氏
最後にラウンドロビンテストのヘッドチェアである石井氏より、OSTA(Optical Storage Technology Association)の今後のセミナーに関して、RWPPIの参加スケジュールが報告された。RWPPIのラウンドロビンテストでは、2004年6月に米国で開催されたOSTAのセミナーにおいて、8倍速DVD-R、4倍速DVD-RWの互換性検証を中心とした「Stage 4」の成果報告を行った実績がある。同セミナーは今年の秋に東京で実施される予定があり、開催の折にはラウンドロビンテストの「Stage 5」の成果報告を実施する方針が、この日、石井氏より明らかにされた。

「フィジカルフォーマット」WG

「ロジカルフォーマット(レコーダー)」WG


「ロジカルフォーマット(PC用ドライブ)」WG

「再生互換」WG
(Phile-web編集部)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック