ヤフーとシャープ、フルHDテレビ向けネットポータルサービス「Yahoo！JAPAN for AQUOS」を開始
公開日 2008/05/14 21:22
ヤフー（株）とシャープ（株）は、AQUOSシリーズ向けのネットポータルサービス「Yahoo！Japan for AQUOS」を開発。5月29日よりサービスを開始する。本日新サービスについての記者発表会が行われた。
記者会見に出席したヤフー（株）喜多埜氏（写真左）と、シャープ（株）千葉 徹氏（写真右）
Yahoo！Japan for AQUOのトップ画面本サービスはフルHD表示に対応したAQUOSシリーズ向けのネットポータルサービス。サービス開始時にはニュース、地図、絵本、旅情報などのフルHD表示に対応した12のコンテンツを揃え、無料で提供する。順次コンテンツは拡大していく予定だ。対応機種はAQUOSのRXシリーズ、GXシリーズ、TシリーズのフルHDパネルを搭載するモデル。
「AQUOS.jp」のトップメニューに並ぶ「Yahoo! Japan for AQUOS」を選択すると、本サービスのためにシャープが開発したアプリケーションが立ち上がり、インターネット経由でサービスを楽しめるというもの。操作はリモコンで簡単に行える。なお本サービス画面上での文字入力には対応していない。
サービス開始時点では12つのコンテンツを用意
ヤフー 菅泉 尚史氏ヤフー（株）事業推進本部 デジタルホーム事業室の菅泉 尚史氏によると、本サービスのコンセプトは「ゆったり楽しむインターネット」。ヤフーがパソコン用に提供している100種類以上のコンテンツの中からリビングで友人や家族、仲間と一緒に楽しめるコンテンツを厳選したほか、絵本閲覧など本サービス専用コンテンツも設けたという。
本日の発表会では12のコンテンツの中から「地図」「テレビでえほん」「旅上撰（たびじょうせん）」のプレゼンテーションが行われた。
「地図」サービスは、国内初のフルHDテレビ向けのインターネット地図情報サービス。パソコンや携帯電話では実現が難しい高性能な地図情報を閲覧できる。通常の地図情報に加え航空写真も表示されるほか、ヤフーのグルメ情報と連携して表示された地域の人気飲食店TOP20の情報を取得できる。
地図情報サービスの画面
フルHD用に文字の大きさや色をつくりかえている
人気飲食店TOP20も表示される「テレビでえほん」は絵本コンテンツを提供するサービス。サービス開始当初は20冊分のコンテンツを用意し、今後40冊に充実させる予定。音声付きで読み聞かせにも対応する。
テレビでえほんの画面
絵本閲覧の様子。読み聞かせにも対応する「旅上選」はヤフー！トラベルで展開するコンテンツ「名旅館100宿」をフルHDテレビ用に作り替えたもので、選りすぐりの100箇所の高級旅館の情報と旅館の写真を提供するサービス。旅行雑誌をみる感覚で楽しむことができる。
旅上選の画面
フルHD向けに制作された高画質な写真をBGMをバックに閲覧できる本サービスを導入する戦略的な背景には、ヤフー側はPC、携帯に続いて、一般ユーザーの平均利用時間が圧倒的に多いテレビというアプリケーションを介したインターネットサービスを強化し、様々な生活シーンでヤフーが楽しめる環境をつくり、ファミリー層を中心にユーザーを拡大していく狙いがある。一方で、AQUOSの側には、インターネットを介したサービスを拡充していくことで、同社のテレビ商品の付加価値をさらに高めていくことができる。
サービス開始時点では、ハイビジョンの動画配信は行わないほか、ヤフーの人気コンテンツであるオークションやショッピングについても「リモコンを使った文字入力のインターフェース部分に改良が必要であると考えている。ユーザー家庭での使用環境を考えた場合、まだサービスモデルを検討していく必要があると観ている（ヤフー担当者）」という理由から、今回はラインナップされていない。しかしながら「現在技術的に不可能というわけではない。今後利用者の動向をみながら導入を判断していきたい（ヤフー担当者）」という。
■家族で楽しめるフルハイビジョン対応コンテンツを提供
ヤフー 喜多埜 裕明氏会場にはヤフー（株）取締役最高執行責任者の喜多埜 裕明氏が登壇しサービス提供にいたる経緯を説明し、「TVでインターネットを楽しむメリットとして、画面の大きさとパーソナルではなく複数人で楽しめることを挙げる。TV向けサービスに参入するにあたり「家族を意識したテレビ向けのサービス、リモコンひとつで利用できるわかりやすく簡単なデザインを追求した。またわかりやすさにこだわる一方で、テレビの表現力、高画質を活かしたサービスを展開しようと考え、フルハイビジョン対応のコンテンツを提供する」と述べた。
ヤフーが掲げる「テレビ向けサービス構築」のための3つのポイント
テレビの平均視聴時間に対して、インターネットの視聴時間を拡大させる可能性はまだ残されていると示唆また「高い技術力と商品力、圧倒的なシェアを誇るAQUOSブランドを持つシャープと協力したからこそ実現できたサービスだと認識している。両社でテレビの新しい楽しみ方を提案していきたい」と意気込みを語った。
■テレビを利用した新たなライフタイルを提案
シャープ 千葉 徹氏続いてシャープ（株）取締役 研究開発本部副本部長 千葉 徹氏が登壇した。
千葉氏は「ネットが浸透し今日も発展を続けている。携帯電話も当初は電話をするための機器であったが、パソコンと同じように今では物が買えたり電車が乗れるようになった。テレビも第3のデバイスに成長させたい。ヤフーと提携し、個人で使用するパソコンのために供給されたコンテンツをテレビで使用することで全く新しい感動を与えられると考えている。我が社の技術力とヤフーのサービスと相互に連携しあうことで、真のユビキタス社会を実現できるのではないかと考えている」と述べた。
なおヤフーは本日よりプロモーションサイトを開設した。サービスの詳細を知ることができる。
Yahoo!JAPAN for AQUOS プロモーションサイト
htto://aquos.yahoo.co.jp
以下、会場で行われた主な質疑応答を紹介する。
Q：今後、番組配信やオークションなどの有料サービスを提供する可能性はあるのか。
A：中期的に考えればオークションなどの有料コンテンツを提供していく可能性もあるが、まずは12のサービスをブラッシュアップし、認知を拡大することが先決だ。（喜多埜氏）
Q：今後シャープ以外の他社テレビメーカーとも個別に提携して広げていくつもりか。
A：ソニーとは既に一部提携している。私たちのリソースの問題もあるが、シャープはシェア、技術力ともに高いブランドなので、頼もしいパートナーと考えている。（喜多埜氏）
Q：サービスに対応するAQUOSのラインナップは拡大していくのか。
A：今回のサービスを発展させていくならば、どのAQUOSでもサービスに対応するよう進めていきたい。（千葉氏）
Q：本サービスをプラットフォームにした広告展開は行うのか。
A：広告ビジネスは多くの利用者がいることが前提なので、ユーザーの拡大次第では広告展開する可能性はある。（喜多埜氏）
Q：どのくらいのサービス利用者を見込んでいるか。
A：未知数だが、100万人、あるいは100万台といった、それくらいがビジネスの飛躍に向けた最初の目安になるだろう。（喜多埜氏）
Q：ショッピングやオークションはTV上から実際にモノを買ったりできるのか。
A：スタート段階では用意していないが、ゆくゆくはユーザーの意見をみながら対応したい。リビングに置くテレビの特徴として、PCと一緒に「ながら見」という利用形態が多いと聞いている。TVで見つけたものをPCや携帯で買うという使われ方はあるだろう。（喜多埜氏）
Q：本サービスとシャープが出資しているアクトビラとの棲み分けは。
A：テレビをネットにつないで楽しむという流れは始まったばかりだが、テレビにとっては番組を見ることがキラーコンテンツ。新しいサービスを始めるに当たっては、業界内での協力と競争の両面が大事。アクトビラは業界内で協調して行うベーシックサービス。それを元に新しい提案を同時にしていかないと、発展しないだろう。すみ分けというより「両方ないとダメ」という考え方だ。（千葉氏）
Q：ハイビジョン動画配信のサービスを追加する予定はあるのか。
A：今のところは確定していないが、ヤフー上にPCや携帯を通じて100以上のサービスがある。このすべてがテレビで楽しむのに最適なのか、今後も検討していきたい。動画はその中の一つとは考えている。（千葉氏）
（Phile-web編集部）
記者会見に出席したヤフー（株）喜多埜氏（写真左）と、シャープ（株）千葉 徹氏（写真右）
Yahoo！Japan for AQUOのトップ画面
「AQUOS.jp」のトップメニューに並ぶ「Yahoo! Japan for AQUOS」を選択すると、本サービスのためにシャープが開発したアプリケーションが立ち上がり、インターネット経由でサービスを楽しめるというもの。操作はリモコンで簡単に行える。なお本サービス画面上での文字入力には対応していない。
サービス開始時点では12つのコンテンツを用意
ヤフー 菅泉 尚史氏
本日の発表会では12のコンテンツの中から「地図」「テレビでえほん」「旅上撰（たびじょうせん）」のプレゼンテーションが行われた。
「地図」サービスは、国内初のフルHDテレビ向けのインターネット地図情報サービス。パソコンや携帯電話では実現が難しい高性能な地図情報を閲覧できる。通常の地図情報に加え航空写真も表示されるほか、ヤフーのグルメ情報と連携して表示された地域の人気飲食店TOP20の情報を取得できる。
地図情報サービスの画面
フルHD用に文字の大きさや色をつくりかえている
人気飲食店TOP20も表示される
テレビでえほんの画面
絵本閲覧の様子。読み聞かせにも対応する
旅上選の画面
フルHD向けに制作された高画質な写真をBGMをバックに閲覧できる
サービス開始時点では、ハイビジョンの動画配信は行わないほか、ヤフーの人気コンテンツであるオークションやショッピングについても「リモコンを使った文字入力のインターフェース部分に改良が必要であると考えている。ユーザー家庭での使用環境を考えた場合、まだサービスモデルを検討していく必要があると観ている（ヤフー担当者）」という理由から、今回はラインナップされていない。しかしながら「現在技術的に不可能というわけではない。今後利用者の動向をみながら導入を判断していきたい（ヤフー担当者）」という。
■家族で楽しめるフルハイビジョン対応コンテンツを提供
ヤフー 喜多埜 裕明氏
ヤフーが掲げる「テレビ向けサービス構築」のための3つのポイント
テレビの平均視聴時間に対して、インターネットの視聴時間を拡大させる可能性はまだ残されていると示唆
■テレビを利用した新たなライフタイルを提案
シャープ 千葉 徹氏
千葉氏は「ネットが浸透し今日も発展を続けている。携帯電話も当初は電話をするための機器であったが、パソコンと同じように今では物が買えたり電車が乗れるようになった。テレビも第3のデバイスに成長させたい。ヤフーと提携し、個人で使用するパソコンのために供給されたコンテンツをテレビで使用することで全く新しい感動を与えられると考えている。我が社の技術力とヤフーのサービスと相互に連携しあうことで、真のユビキタス社会を実現できるのではないかと考えている」と述べた。
なおヤフーは本日よりプロモーションサイトを開設した。サービスの詳細を知ることができる。
Yahoo!JAPAN for AQUOS プロモーションサイト
htto://aquos.yahoo.co.jp
以下、会場で行われた主な質疑応答を紹介する。
Q：今後、番組配信やオークションなどの有料サービスを提供する可能性はあるのか。
A：中期的に考えればオークションなどの有料コンテンツを提供していく可能性もあるが、まずは12のサービスをブラッシュアップし、認知を拡大することが先決だ。（喜多埜氏）
Q：今後シャープ以外の他社テレビメーカーとも個別に提携して広げていくつもりか。
A：ソニーとは既に一部提携している。私たちのリソースの問題もあるが、シャープはシェア、技術力ともに高いブランドなので、頼もしいパートナーと考えている。（喜多埜氏）
Q：サービスに対応するAQUOSのラインナップは拡大していくのか。
A：今回のサービスを発展させていくならば、どのAQUOSでもサービスに対応するよう進めていきたい。（千葉氏）
Q：本サービスをプラットフォームにした広告展開は行うのか。
A：広告ビジネスは多くの利用者がいることが前提なので、ユーザーの拡大次第では広告展開する可能性はある。（喜多埜氏）
Q：どのくらいのサービス利用者を見込んでいるか。
A：未知数だが、100万人、あるいは100万台といった、それくらいがビジネスの飛躍に向けた最初の目安になるだろう。（喜多埜氏）
Q：ショッピングやオークションはTV上から実際にモノを買ったりできるのか。
A：スタート段階では用意していないが、ゆくゆくはユーザーの意見をみながら対応したい。リビングに置くテレビの特徴として、PCと一緒に「ながら見」という利用形態が多いと聞いている。TVで見つけたものをPCや携帯で買うという使われ方はあるだろう。（喜多埜氏）
Q：本サービスとシャープが出資しているアクトビラとの棲み分けは。
A：テレビをネットにつないで楽しむという流れは始まったばかりだが、テレビにとっては番組を見ることがキラーコンテンツ。新しいサービスを始めるに当たっては、業界内での協力と競争の両面が大事。アクトビラは業界内で協調して行うベーシックサービス。それを元に新しい提案を同時にしていかないと、発展しないだろう。すみ分けというより「両方ないとダメ」という考え方だ。（千葉氏）
Q：ハイビジョン動画配信のサービスを追加する予定はあるのか。
A：今のところは確定していないが、ヤフー上にPCや携帯を通じて100以上のサービスがある。このすべてがテレビで楽しむのに最適なのか、今後も検討していきたい。動画はその中の一つとは考えている。（千葉氏）
（Phile-web編集部）
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