AK100からSP1000に至る5年間
Astell&Kern 創立5周年記念モデル「AK70 MKII 5th Anniversary」から、その歴史を振り返る
Astell&Kernは今年、ブランド設立から5周年を迎えた。プレミアムクラスのハイレゾ対応ポータブルプレーヤーという新たなカテゴリーを切り拓いた同社は、初号機となる「AK100」以来、数多くのモデルを輩出してきた。
2017年も、第4世代のフラグシップとなる「A&Ultima SP1000」や新コンセプト機「KANN」、プレミアム・スタンダードを掲げる「AK70 MKII」を発売。5年を経て、このジャンルのトップランナーとして、さらなる高みへ挑戦を続けている。
今回、Astell&Kernは5周年を記念して「AK70 MKII 5th Anniversary」を非売品の特別モデルとして制作。Astell&Kernをブランド創立から取り扱う(株)アユートから弊社へ、このアニバーサリーモデルが寄贈された。
AK70 MKII 5th Anniversaryは、従来モデルでは背面を深紅の特別色として、「5th Anniversary」の文字を刻印。ボリューム部に赤いラインをあしらっている。
今回、この「AK70 MKII 5th Anniversary」に至るAstell&Kernのポータブルオーディオプレーヤーの歴史を、簡単に振り返ってみたい。
Astell&Kernの始まりを告げたのは、2012年10月発売の「AK100」だ。高級感あるアルミ製ヘアライン仕上げの小型筐体にハイエンドDACチップ「WM8740」を搭載。当時の最先端を行く192kHz/24bit PCMまでの再生能力を実現。光デジタル入出力、32GBの内蔵メモリーにデュアルmicroSDスロットも備えた本機は、ハイエンドのポータブルオーディオプレーヤーというジャンルのまさに先陣を切った存在だった。
翌2013年5月には上位モデル「AK120」を発売。左右完全独立設計としてDACもデュアル化(L/Rに1基ずつ搭載)として、さらなる音の立体感とセパレーションを獲得。「スタジオクオリティを忠実に再現し、持ち運べるモニタリング環境を実現した」というプロ仕様を掲げた。この頃から、トップエンドモデルには革製ケースが付属するというファンにとって嬉しい伝統も生み出され、今に至るまで続いている。このAK100の音質強化モデル「AK100MKII」も同年9月に発売された。
2014年2月に発売された「AK240」は、“第二世代”の第一弾となるフラグシップモデルとして、ポータブルプレーヤー業界に再び驚きを持って迎えられた。陰影をつけてデザインされた左右非対称のボディは、航空機グレードのジェラルミン製。新たにシーラス・ロジックのDACチップ「CS4398」をデュアル仕様で搭載。これまでPCM変換が一般的だったDSDのネイティブ再生、2.5mm端子によるバランス接続といった、以降のポータブルオーディオのトレンドに大きな影響を与える革新的なトピックを提供した。
その後2014年7月には、AK240の技術を継承した普及モデル「AK100II」「AK120II」が登場。ポータブルオーディオのムーブメントを後押しした。
2015年7月には、さらなる高音質を追求して当時最新鋭のDACチップ「AK4490」をデュアル搭載した“第三世代”フラグシップモデル「AK380」が登場。外付けアンプ、クレードル、音声レコーダー、CD取り込み用ドライブなど専用オプションによる高い拡張性や、DLNAに対応する「AK Connect」機能など、機能面でも大きな進化を実現した。
第三世代シリーズとして、AK380をベースにした普及モデル「AK320」「AK300」も続けて発表。音質、操作性、機能性などの各面において、Astell&Kernはハイエンドポータブルプレーヤーブランドの地位をここで盤石なものにしたと言えるだろう。
高価格帯を充実させる一方で、ポータブルの間口を広げるカジュアルモデルも展開。AK380と同じ2015年にはボディの厚さ8.9mm、DACは初代AK100と同じWM8740を搭載した「AK Jr」を発売。2016年には後継モデルとして、CS4398 DACを搭載すると共にバランス接続にも対応した「AK70」を発表。手のひらサイズやストレスを感じさせない操作感、そして上位機種に劣らない音質を備えたAK70は、高音質ポータブルプレーヤーのエントリーモデルとして高く評価された。
およそポータブルプレーヤーでやれることはやり尽くしたかに思える2017年、Astell&Kernは新しい展開に入った。まず4月には従来機とは異なるラインで設計された“パフォーマンスライン”として「KANN」が登場。SD/microSDコンボスロットやライン出力専用ジャック、USB Type-C端子など新しいフィーチャーを満載し、ポータブルオーディオの新しいコンセプトを示した。
そして2017年5月、「世界最高峰のハイエンドポータブルプレーヤー」をコンセプトにした“第四世代”のフラグシップモデル「A&Ultima SP1000」を発表。シリーズ最大の5.0型ディスプレイを採用したことによる視認性、ステンレス/カッパー(銅)モデルの同時展開、そして圧倒的な物量をつぎ込んだオーディオ回路は、現時点で並ぶもののない存在感を放っている。
このSP1000の思想を取り入れた“プレミアムエントリーモデル”として2017年10月に登場したのが「AK70MKII」。AK70とほぼ同サイズに、AK240と同じデュアルDAC、2.5mmバランス端子を搭載するなど、コンパクトな筐体にAstell&Kernの技術を凝縮した。
このように5年にわたって、ハイエンド・ポータブルオーディオを牽引してきたAstell&Kern。第四世代のスタンダード機の投入も待たれるところで、今後も刺激的な新製品開発を期待していきたいところだ。
2017年も、第4世代のフラグシップとなる「A&Ultima SP1000」や新コンセプト機「KANN」、プレミアム・スタンダードを掲げる「AK70 MKII」を発売。5年を経て、このジャンルのトップランナーとして、さらなる高みへ挑戦を続けている。
今回、Astell&Kernは5周年を記念して「AK70 MKII 5th Anniversary」を非売品の特別モデルとして制作。Astell&Kernをブランド創立から取り扱う(株)アユートから弊社へ、このアニバーサリーモデルが寄贈された。
AK70 MKII 5th Anniversaryは、従来モデルでは背面を深紅の特別色として、「5th Anniversary」の文字を刻印。ボリューム部に赤いラインをあしらっている。
今回、この「AK70 MKII 5th Anniversary」に至るAstell&Kernのポータブルオーディオプレーヤーの歴史を、簡単に振り返ってみたい。
Astell&Kernの始まりを告げたのは、2012年10月発売の「AK100」だ。高級感あるアルミ製ヘアライン仕上げの小型筐体にハイエンドDACチップ「WM8740」を搭載。当時の最先端を行く192kHz/24bit PCMまでの再生能力を実現。光デジタル入出力、32GBの内蔵メモリーにデュアルmicroSDスロットも備えた本機は、ハイエンドのポータブルオーディオプレーヤーというジャンルのまさに先陣を切った存在だった。
翌2013年5月には上位モデル「AK120」を発売。左右完全独立設計としてDACもデュアル化(L/Rに1基ずつ搭載)として、さらなる音の立体感とセパレーションを獲得。「スタジオクオリティを忠実に再現し、持ち運べるモニタリング環境を実現した」というプロ仕様を掲げた。この頃から、トップエンドモデルには革製ケースが付属するというファンにとって嬉しい伝統も生み出され、今に至るまで続いている。このAK100の音質強化モデル「AK100MKII」も同年9月に発売された。
2014年2月に発売された「AK240」は、“第二世代”の第一弾となるフラグシップモデルとして、ポータブルプレーヤー業界に再び驚きを持って迎えられた。陰影をつけてデザインされた左右非対称のボディは、航空機グレードのジェラルミン製。新たにシーラス・ロジックのDACチップ「CS4398」をデュアル仕様で搭載。これまでPCM変換が一般的だったDSDのネイティブ再生、2.5mm端子によるバランス接続といった、以降のポータブルオーディオのトレンドに大きな影響を与える革新的なトピックを提供した。
その後2014年7月には、AK240の技術を継承した普及モデル「AK100II」「AK120II」が登場。ポータブルオーディオのムーブメントを後押しした。
2015年7月には、さらなる高音質を追求して当時最新鋭のDACチップ「AK4490」をデュアル搭載した“第三世代”フラグシップモデル「AK380」が登場。外付けアンプ、クレードル、音声レコーダー、CD取り込み用ドライブなど専用オプションによる高い拡張性や、DLNAに対応する「AK Connect」機能など、機能面でも大きな進化を実現した。
第三世代シリーズとして、AK380をベースにした普及モデル「AK320」「AK300」も続けて発表。音質、操作性、機能性などの各面において、Astell&Kernはハイエンドポータブルプレーヤーブランドの地位をここで盤石なものにしたと言えるだろう。
高価格帯を充実させる一方で、ポータブルの間口を広げるカジュアルモデルも展開。AK380と同じ2015年にはボディの厚さ8.9mm、DACは初代AK100と同じWM8740を搭載した「AK Jr」を発売。2016年には後継モデルとして、CS4398 DACを搭載すると共にバランス接続にも対応した「AK70」を発表。手のひらサイズやストレスを感じさせない操作感、そして上位機種に劣らない音質を備えたAK70は、高音質ポータブルプレーヤーのエントリーモデルとして高く評価された。
およそポータブルプレーヤーでやれることはやり尽くしたかに思える2017年、Astell&Kernは新しい展開に入った。まず4月には従来機とは異なるラインで設計された“パフォーマンスライン”として「KANN」が登場。SD/microSDコンボスロットやライン出力専用ジャック、USB Type-C端子など新しいフィーチャーを満載し、ポータブルオーディオの新しいコンセプトを示した。
そして2017年5月、「世界最高峰のハイエンドポータブルプレーヤー」をコンセプトにした“第四世代”のフラグシップモデル「A&Ultima SP1000」を発表。シリーズ最大の5.0型ディスプレイを採用したことによる視認性、ステンレス/カッパー(銅)モデルの同時展開、そして圧倒的な物量をつぎ込んだオーディオ回路は、現時点で並ぶもののない存在感を放っている。
このSP1000の思想を取り入れた“プレミアムエントリーモデル”として2017年10月に登場したのが「AK70MKII」。AK70とほぼ同サイズに、AK240と同じデュアルDAC、2.5mmバランス端子を搭載するなど、コンパクトな筐体にAstell&Kernの技術を凝縮した。
このように5年にわたって、ハイエンド・ポータブルオーディオを牽引してきたAstell&Kern。第四世代のスタンダード機の投入も待たれるところで、今後も刺激的な新製品開発を期待していきたいところだ。