鴻池賢三が「LC-46XL10」でチェック
シャープ「AQUOSクアトロン プロ」XL10ライン、“4K相当”の実力を検証
■1画素で4画素を表現する「クアトロン プロ」を知る
「クアトロン プロ」は、シャープが独自に培ってきた、一般的な赤(R)、緑(G)、青(B)の3つのサブピクセルに黄(Y)を加え、色域の拡大や精細度向上を狙った高画質技術「クアトロン」をベースに、新たに開発した「超解像分割駆動エンジン」によって、1ピクセルで4ピクセル相当の情報を表示する、つまり、フルHDのクアトロンパネルを用いて、4K相当の解像度表現する画期的な技術である。
そのメカニズムはこうだ。まず水平解像度、言い換えると横方向の解像度アップについては、通常、1ピクセルに一つの輝度ピークしか存在しないところ、二つの輝度ピークを持たせる事で倍増させる。
人間の視覚は緑色から黄色付近の色に対して感度が高く、RGBの三原色を応用したカラーテレビにおいては、解像度の元となる輝度の変化は、緑色が司っている。「クアトロン プロ」では、Gのサブピクセルに加え、緑色に次いで比視感度が高いYを利用する事で、ピークが2つ取れる。
これは、クアトロンパネルのサブピクセル配列が左からRGBYの順であったのが功を奏した格好で、順序が違っていたら成立しなかった。もっとかんたんに言えば、RGBが1セット、BYがセットで2ピクセル分の役割を果たす。
ちなみにBのサブピクセルは共用しているので、色の解像度不足を心配する向きもあるかもしれないが、映像入力信号がHDTV規格で規定された4:2:0の場合、輝度情報に対して色情報は4分の1しか存在しないので、実質問題とはならないだろう。
次に垂直解像度、言い換えると縦方向の解像度アップは、1ピクセルと上下分割駆動する事により倍増を実現している。ベースとなるクアトロンパネルは、視野角特性の向上を目的に、1つのサブピクセルを上下左右4分割した構造になっていたのだが、これを解像度の向上に応用した形だ。