<山本敦のAV進化論>第5回
進化するBluetoothスピーカー、注目4モデルの音質・機能を検証する
片手で掴めるコンパクトサイズと、182gの軽さはアウトドアスピーカーとして大きなメリットを実現。付属のカラビナを使って身につけるもよし、IP64相当の防塵・防水性能を備えているので、キッチンや風呂場のハンガーに掛けて水回りで使いながらでも安心して音楽リスニングが楽しめる。
本体には40mmのフルレンジスピーカーと、パッシブラジエーターを1基ずつ備えている。内蔵充電池はフル充電で約6時間の連続再生に対応。電源は本体側面カバーを開けた中のスイッチでON/OFFを手動で切り替える。誤操作でいつのまにか電源がなくなっていたという心配もなくなりそうだ。
NFCによるワンタッチペアリングに対応。外部入力のほか、外部出力端子も設けているので、ワイヤレス非対応のスピーカーを本機につなげばBluetoothレシーバーとしても活用できるのも便利だ。
スピーカーを2台用意してステレオ再生が楽しめる「TrueWireless Stereo」(TWS)の機能に対応したことが最大のポイントだ。このTrueWireless Stereoは、Bluetoothの高音質コーデックである「aptX」の開発でも有名なイギリスの半導体メーカー、CSR plcが開発した新しい技術だ。Bluetoothで接続したワイヤレススピーカーの左側をマスター、右側をスレイブとして2台でステレオ再生ができるというもので、独自のプロトコルで同期された2台のスピーカー間の信号遅延がないことも特徴だ。
機能設定にはアプリなどを使う必要もなく、非常に簡単だ。はじめに2台のスピーカーどうしをペアリングして、続いてスマートフォンなど再生機器とのBluetooth接続を行うだけ。設定方法については、Phile-web編集部のレビューに詳しく紹介されているのでぜひ読んでみて欲しい。
1台でもしっかりとした音量を確保しているが、2台で使えばより奥行き感や立体感が増して、中低域の力強さもいっそう高まる。アウトドア用スピーカーとしての認識だけでは勿体ないぐらいに、じっくりと腰を落ち着けて音楽を楽しみたくなるほどリッチなサウンドだ。
1台の実売が7,480円前後と手頃な価格を実現しているので、“2台持ち”も無理がなさそうだ。ぜひステレオ再生のデモンストレーションが体験できる機会も欲しいと感じるし、2台セットのパッケージも用意しながらTWSの機能を広くアピールしたいところだ。
■ステレオ使いもできる多機能ハイエンド機:BRAVEN「850」
米BRAVENの「BRAVEN 850」(関連ニュース)は重厚なアルミニウムのエンクロージャーを纏った、デザインもスタイリッシュなBluetoothスピーカー。1台が31,000円(税抜)と、Bluetoothスピーカーとしてハイエンドクラスのモデルに位置づけられるモデルだが、その魅力はデザインだけでなく様々な高音質機能に及んでいる。