<山本敦のAV進化論 第71回>
Apple Musicのレコメンド機能「For You」を自分好みに鍛えまくる方法
画面には様々なプレイリストやアーティストのアルバム、楽曲がずらっと並んでいる。気になる楽曲が見つかったら、ここからダイレクトに再生することができる。好きな音楽を次々に再生して行くうちに、「For You」の中には自分好みのアーティストの楽曲や、関連するプレイリストが段々と増えていく仕組みだ。Apple Musicというサービス自身が成長していく感覚だ。
例えば筆者の場合は好きなアーティスト、マイケル・ジャクソンのルーツである「ジャクソン5」の入門者向けプレイリスト「はじめてのジャクソン5」だったり、「マイケル・ジャクソンに影響を受けたサウンド」などの興味深いテーマで楽曲をセレクトしたプレイリストが並んでいる。
アーティストとの“つながり”を辿って作成されたプレイリストを見てみると、今まで聴いたことのなかった曲が並んでいたり、反対に並んでいて欲しい曲がなかったり…、または「なるほど、この曲の次に、この曲を並べるか!」と、プレイリストを制作した作者の意図が透けて見えてきたりするのが楽しい。何はともあれ、思わず再生ボタンをタップしてしまう。
例えて言うなら、音楽にとっても詳しいレコード店のスタッフがいつもiPhoneの中にいて、「こんな曲はどうでしょう?」と嬉しいおせっかいを焼いてくれているような感覚だ。巷ではソフトバンクの「ペッパー」などスマートロボットがブームだが、Apple Musicの「For You」も、ある種の音楽コンシェルジュに機能を絞ったスマートなAI(人工知能)を持った存在にすら感じられ、iPhoneとの関係がより親密になった気がしてくる。
この「For You」を一段と自分好みに近づけていくためには、いくつかのテクニックがある。
まず最初の段階が肝心で、Apple Musicの初期設定で体験した方も多いと思うが、ユーザーの好きな音楽ジャンルやアーティストを、円形のバブル状のアイコンをタップして選びながら、Apple Musicにユーザーの大体の好みを覚えさせておく。
自分が好きなジャンルやアーティストは2回または1回のタップでバブルが大きくなるので、プラスの評価を加えて登録しておく。反対にあまり好きじゃないものがあれば、バブルを2秒以上長押しすれば消える。これを実際にやってみると、自分の好きなアーティストが一覧に出てこないこともあるのだが、できる範囲で自分の好みを正確に登録しておけば、後ほど「For You」の仕上がりにより磨きがかかっていくので、なるべく手間は惜しまずにやっておきたい。
なお初回設定時に、登録をおざなりに済ませてしまったという方は、後からもう一度設定し直すこともできる。ミュージックアプリの画面左上に表示される、人型のアイコンをタップして「アカウント」を開き、「好きなアーティストを選択」のメニューを選べば、音楽ジャンル→アーティストの順で再びバブルが湧いて出てくる。
Apple Musicで音楽を聴いているとき、気に入ったアーティストや楽曲が見つかったら、ハートマークのアイコンをタップして「ラブ」しておけば、ユーザーの“好み”として判断され、「For You」に反映される。また、アーティストのトップページにある「FOLLOW(フォロー)」もレコメンドエンジンのアルゴリズムにかかわっている。
そのほかにも、楽曲を再生して「マイミュージックに追加」したり、iTunes Music Storeから購入するなどライブラリに加えるなどの行動も、「For You」を鍛えるのに役立つ。