ハイレゾ、CD、レコードもこれ1台で！ パイオニア「NC-50」であらゆる音源を味わい尽くす

2つのスピーカーを試してわかったのが、NC-50は多機能機でありながら、僕みたいな音にうるさいオーディオマニアが聴いても好感が持てるサウンドを備えていることだ。また操作アプリ「Pioneer Remote App」の完成度が高く、本格的なネットワークプレーヤーとしてストレスなく音楽を楽しめる。

USB接続した外付けHDDからのファイル再生も試した。本体裏のUSB端子に外付けHDDを接続、約30ギガ程度の楽曲データが入っていたが、スムーズに読み込みと認識を行った。再生操作では、NASの音源をネットワーク再生するときとまったく同様にアプリが使える。

ネットワークオーディオというと、「NASが必要」ということがひとつのハードルになってしまう。しかし、NC-50+外付けHDDというシステムならば、NASを用いることなく、アプリを使って快適なオーディオ再生が手軽に楽しめる。アップデートでハイレゾ音源の直接ダウンロードや、PCからNC-50に接続した外付けHDDへのコピーが可能になれば、さらに使いやすくなる。この構成には改めて注目してほしいと思う。

こちらはGOLD 300との組み合わせで試聴。女性ジャズボーカリストのRyu Mihoによる『ザ・ニアネス・オブ・ユー feat. 小沼ようすけ』（11.2MHz DSD）を聴いた。まるで生音のようなスゴい音が出てくる。これぞ11.2MHz DSDの真骨頂という音だ。一度このレベルの音を聴いてしまったら、もう後戻りはできないはず。一昔前であれば一部の製品しか聴けなかった11.2MHz DSD音源が、本機のような幅広いユーザーが楽しめる一体型モデルでも楽しめるのだから、すばらしいことだ。

■BluetoothやAirPlayなどスマホからのワイヤレス再生も

もはやリビング向けのオーディオ製品には必須の装備と言えるBluetooth機能。NC-50は標準コーデックのSBCの他、iPhoneとの組み合わせで使える高音質コーデック AACにも対応している。主にAndroidで採用されているaptXに対応していないのが少々惜しまれる。

今回はiPhone 5Sから、定額ストリーミングサービスとして「Apple Music」やJ-POPが充実している「レコチョクplus+」を使って再生を試した。レンジの広さや空気感はCDやハイレゾ再生に及ばないものの、BGM的に用いるならむしろ十分楽しめる印象だ。何よりスマホなどの音源を手軽に再生できるのは嬉しいところ。家族や家に遊びに来た友人の音源をNC-50から再生したら、きっと盛り上がるだろう。

NC-50はAirPlayにも対応している。こちらはWi-Fi経由で、44.1kHz/16bitのクオリティでワイヤレス再生ができるので、iPhoneやiPadをお使いならCDと同等の音質でワイヤレス再生を楽しむことも可能だ。