HOME > レビュー > デカいは正義だった! 6.5インチ「iPhone XS Max」で “スマホHDRシアター” が実現する

「大きいiPhone X」と見くびるなかれ

デカいは正義だった! 6.5インチ「iPhone XS Max」で “スマホHDRシアター” が実現する

公開日 2018/09/21 06:00 山本 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

階調表現、輪郭のシャープさが向上。拡大せずとも迫力のある大画面は魅力的

iTunes Storeアプリを開き、キーワードに「HDR」と入力して検索すると、レンタルまたは買い切りで視聴できる映画作品がいくつか並ぶ。今回は、6.5インチの大画面有機ELディスプレイを搭載したiPhone XS Maxの実力がどれほどのものか、サウンドと合わせた没入感に注目しながら体験してみた。

視聴したタイトルはドルビービジョン対応の『スパイダーマン :ホームカミング』。画質・音質については筆者が普段使っているiPhone Xとも見比べてみた。

iTunes StoreにはHDR10/ドルビービジョン対応の様々なHDRコンテンツが公開されている

「チャプター6」でアイアンマンも登場する夜景のシーンでは、暗がりの中で煌めくアイアンマンのパワードスーツのメタリックな質感がとてもリアルだ。水しぶきに公園の地面の砂粒、スパイダーマンの体に立ち上る湯気も、滲んで潰れることなく、ディテールまでしっかりと再現されている。

iPhone Xと比べて自然なカラーバランスはそのままキープしながら、iPhone XS Maxは明暗部の階調表現力がやや向上しているように感じられた。被写体の輪郭描写がシャープで、奥行き感も深い。

暗部の深い沈み込みは有機ELならでは。6.5インチの大画面なので小さな被写体が動くシーンも快適に視聴できた

静止画の再現力もiPhone Xと比べてさらに豊かさを増している。カメラで撮影した写真ではその臨場感がお伝えできないのがもどかしいところだ

スマホとは言えど、良質なHDRの映画コンテンツを大きな画面で見られるメリットを、明らかに実感できた。iPhone XS Maxはフルディスプレイデザインのスマホなので、ベゼルの存在を気にせずコンテンツの世界に没入できるのも嬉しい。

ビデオアプリのプレーヤー画面を拡大表示にすると、明るいシーンではノッチが気になることがある。iPhone XS Maxは標準サイズの画面でも十分に大きく迫力があるので、拡大表示は不要だろう。

静止画・動画を拡大表示するとノッチによって一部が隠れてしまう。6.5インチのiPhone XS Maxなら特に映画は拡大表示不要で大迫力の視聴体験が得られる

音質については、オーディオ用DSPのアルゴリズムに見直しをかけたことによって、左右音声信号のクロストーク改善を図っている。その成果として、セリフがより鮮明に聞こえ、前方向へ立体的に張り出してくる手応えがある。効果音の広がりも豊かさを増したようだ。

次ページ大型化の影響は、違和感よりも見やすさ/快適さの向上が勝る

前へ 1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE