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【特別企画】利便性と妥協なき音質を両立

Bluetoothイヤホンの常識を覆す “有線並み” サウンド! ラディウス「HP-NX30BT/HP-NX20BT」レビュー

公開日 2019/02/22 06:30 草野晃輔
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ストリーミングは2曲を聴いた。1曲目はオーケストラで、モンスターハンターのテーマ曲「英雄の証」。ここでも音の密度と分離の良さが際立つ。中でも、曲のクライマックス、弦楽器中心でピアニッシモに演奏するパートから、管楽器が増えてクレッシェンドしていく部分では、オーケストラ曲の醍醐味であるダイナミックレンジの広さを十分に味わえた。

もう1曲はアニソンの「徒花ネクロマンシー」。TVアニメ『ゾンビランドサガ』のオープニング曲で、主要キャラクターを演じた6人の声優が歌っている。組み合わせるイヤホンによっては声の違いが分かりにくいのだが、本機では音がクリアで分離に優れるためか、彼女たちの声を容易に聞き分けられた。この曲を聴くのがとにかく楽しく、取材を忘れて何度もリピート再生してしまった。

NX20BTは華やかサウンドが持ち味。持ち出して聴きたい

続いて、φ9.8mmのFLW構造ドライバーを搭載する「HP-NX20BT」に切り替えて試聴。上位機と異なるチューニングが施されており、そのサウンドを一言で表現するなら“華やか”だ。ドンシャリ傾向であるが、NX30BT譲りの芯の通った低域と、キレ味ある中高域が両立している。チャカチャカ音が浮いた感じは少ない。

サウンドを一言で表現するなら“華やか”。芯の通った低域と、キレ味ある中高域が両立

CDリッピングの米津玄師「Lemon」は、骨太なベースラインにハリのあるボーカルが絡み合う。一見高域がきつく感じられるかもしれないが、じっくり聴くと耳に付く部分はほぼなく、このチューニングと曲の相性が良いことに気がつく。

ストリーミング曲のモンスターハンター「英雄の証」は、高域の華やかさに驚かされる。中域がやや物足りなく感じられるかもしれないが、上位機の後に聴いたからそう感じたのだろう。本機を先に聴いていれば、不満に感じることはないレベルといえる。

ゾンビランドサガのオープニング曲「徒花ネクロマンシー」は、星川リリィ役、田中美海のハイトーンボイスに注目。イヤホンやヘッドホンによっては耳に刺激を感じることがあるのだが、本機では皆無で、伸びやかな高音を堪能できた。



ケーブルタイプのBluetoothイヤホンは、ハウジング構造が有線タイプのイヤホンと同じで、入念に音作りができるのがメリットだ。ラディウスのHP-NX30BTとHP-NX20BTは、この強みを最大限に活かしており、完全ワイヤレスイヤホンには、簡単にマネできない音作りが成されていた。

HP-NX30BTは、音の分離に優れ、演奏の「静」と「動」を生々しく描き分ける。どんなジャンルの楽曲にも合いそうだが、アコースティックな楽器を使ったジャズやオーケストラとの相性が特に良いだろう。一方のHP-NX20BTは、エッジの効いた煌びやかなサウンドが魅力。低域の勢いもあり、ロックやポップス、EDMのようなリズムあふれる楽曲がより楽しめる。どちらもBluetoothイヤホンの便利さはそのままに、音も妥協したくない人に、胸を張っておすすめしたい。

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