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ビクタースタジオがセレクト!エンジニアが唸るこの1枚 − 「No Reason 3 〜洋樂想ひ〜 / 高橋真梨子」

公開日 2014/11/27 12:00
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No Reason 3 〜洋樂想ひ〜 / 高橋真梨子【K2HDプロセッシング】
WAV/FLAC 96kHz/24bit ¥3,240(アルバム)/¥540(単曲)
http://hd-music.info/album.cgi/495


現状のレコーディングは「ハイレゾ」と同様のスペックで殆どの作業が行われている。つまり、音づくりの現場で「ハイレゾ」とは特別なものではなく、むしろ日々扱っている普通のフォーマットなのだ。

その音楽制作現場をサポートして「ハイレゾ」を知り尽くしているスタジオエンジニア達。ハイレゾは勿論、それ以上のスペックを常に耳にしている彼等でも、改めて「これは凄い!」と唸らせられる作品がある。ここではそんなタイトルをピックアップしてご紹介させて頂きたい。

まず第一弾は「No Reason 3 〜洋樂想ひ〜 / 高橋真梨子」。ご自身の原点でもある名曲をアレンジした初の洋楽カバーアルバム。高田英男サウンドプロデューサーが付随のサウンド解説で詳しく説明頂いているのでスペックや録音データ等は割愛させて頂くが、良い音や素晴らしいサウンドは、当然だが「音質」だけでは成立しない。良いサウンドとはハイスペックという事だけではなく、アーティストも含めたあらゆる要素が組み合わさって初めて成立するもの。その総てが重なっているのがこの作品だ。

アーティストのパワーは敢えて申し上げるまでもないが、それを包み込むハイレベルな演奏とアレンジ、そして単に音だけではなくその場の雰囲気や緊張感までをも収めたエンジニアリング。加えてK2HDプロセッシングを使用した高次元マスタリングが施され、正に音楽と音や技術が一体となって更なる高みに昇華したのがこの作品と言える。それは1曲目の「Superstar」イントロが出た瞬間からご納得頂けるだろう。ピアノの厚みと全体の空気感や奥行感、これまで聞いていたものとは全く別世界なのだ。とにかく、ここでくどくどと解説するより聴いて頂くのが一番。これこそ必聴の一枚だ。



川崎 洋 氏
ビクタースタジオFLAIR所属マスタリングエンジニア。メーカーを問わず数多くのアーティストとヒット曲を手掛ける、誰もが認める業界の至宝。通称「川ア名人」。CDは勿論、「No Reason 3 〜洋樂想ひ〜 / 高橋真梨子」をはじめとして数々のハイレゾマスタリングを担当。

<川崎氏からのコメント>
この作品ではCDとはまた異なるサウンドが表現できています。特に真梨子さんの声が、柔らかいのにより引き立っているのがお分かり頂けると思います。ハイレゾではマスタリングしたそのままが伝わるので、非常に便利で有難い部分と、また逆に作り手側としての緊張感があります。

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