編集部員が語る、SHURE「SRH144/145」が“初めてのヘッドホン”にオススメな理由
■音づくりの根底は共通。使用シーンで選ぶのがオススメ
小澤 (麻):それぞれの音の特徴についてはどう思いました?「SRH144」はセミオープン型で「EXTENDED RANGE AUDIO」、「SRH145」は密閉型で「RICH DEEP BASS」っていうキャッチがついてますが。
小澤 (貴):どっちも音づくりの根底にあるものは共通な感じがします。その上でキャラの整理をするとしたら、「SRH144」は音ヌケが良くてすっきりとクリアな音。「SRH145」はSRH144よりもヌケ感は減りますが、そのぶん音に力強さが出る感じ、だと思いました。
小澤 (麻):まさにキャッチと同じ感じですね。実際どういう曲を聴いてみました?
杉浦:私は最近ハイレゾが出たキョンキョンをSRH144/145で聴いてたんですけど、大好きな「月ひとしずく」が楽しく聴けて好印象! 曲自体は自分が小5のときの懐メロなんですが。自分が“ロック的な感覚”を初めておぼえたのって実はこの曲だったかも…と個人的に記憶に残ってる1曲なんです。今回SRH144/145で聴いたら、改めてベースラインが印象的に聴こえて「そういえばこの曲のベースってこんなに楽しかったな」って再確認したりして。とにかく好きな曲を楽しく聴けました。
小澤 (麻):「楽しく聴ける」っていうの、わかる。低域から高域までバランスがいいんだけど、モニターヘッドホンみたいにニュートラルすぎず。音楽の持つパワー感をしっかり楽しめる感じがしますよね。しかも、色々なジャンルにマッチするなあと。
私はキリンジの「牡牛座ラプソディ」を聴いてみたんですけど、低音がしっかり締まったグルーヴ感あるベースラインと、チャキチャキッと決まるパーカッションが気持ちよく聴けました。5,000円台で低音がぶかぶかしてないのはいいですね!余計な強調感もないし。
小澤 (貴):僕はノラ・ジョーンズ「Don't Know Why」を聴いてみたんですが、特徴的だなと思ったのは、音の広がり感。オンイヤータイプは耳とドライバーの間の距離が近いから、空間の広がり感は出しづらいんですよ。でもSRH144/145は、オンイヤーの割に音場が広がるなと。頭内定位(再生された音場が頭のなかだけで鳴っている感じがすること)するんじゃなく、頭の外にフワッと広がるんですよね。このへん、SRH1540も似た感じがするんですよ。同じ系譜にあるモデルだなと思いました。
小澤 (麻):やー、でもどっちも良くて、もしどっちか決めなきゃいけないとなったら迷いますね。音的にはSRH144のすっきりクリアな感じが好みなんですけど、外で使うにはSRH145の密閉型というポイントや、音のパワフル感も捨てがたい。
杉浦:でも、自分がどっちか選ぶとしたら密閉型のSRH145かなーと思いました。せっかくポータブルサイズで持ち運びやすいので、外で使いたいですし。騒音がある状態で使うなら、音質的にもわかりやすく低音が豊かな方が良いので。
小澤 (麻):主に外出先で使いたいなら密閉型のSRH145、スマホとの連携も重視するならリモコンマイク付きのSRH145m+、主に家で使いたいならセミオープン型のSRH144…って風に、利用するスタイルに合わせて決めるのがいいでしょうね。