SE215 Special Edition開発秘話も
さらなるハイエンド機も登場? 米SHURE開発ディレクターに聞く今後の商品展開
−−SE215 Special Editionの、開発の際のエピソードを教えてください。
サリバン氏:まずはサンプルを5〜6個作って、「これも違う」「これはいいな」など取捨選択を繰り返しましたね。完成形に至るまでには多くのNGサンプルがありました。
エングストローム氏:今回のSE215 Special Editionについて、これまで発表していなかったことでは、以前爆発的なヒットを記録した「E4」を担当したエンジニアが、開発に加わったこともお伝えしたいですね。E4に搭載された革新的な技術は、ドライバーの動作によって動く空気を排出する「リアベント」を加えたことでしたが、今回のSE215 Special Editionでも、ドライバー後方への空気の流れを最適化する音響抵抗スクリーンを採用するなどして、低域の再生力を高めています。
−−最近、ハイレゾ音源が増えています。これについてのお考えと、ハイレゾの普及拡大が、SHUREの製品作りにどのような影響を与えるか教えてください。
エングストローム氏:ハイレゾ音源市場は間違いなく拡大していくと思います。私の友人のエリオット・メイザーもハイレゾ音源のパイオニアとして普及を推し進めてきたのですが、回線速度が速くなったことでダウンロードも容易になりましたし、日本のようにSACDが普及していないアメリカでは、ダウンロードでハイレゾ音源が手に入るのはとても便利です。
とは言え、我々の音作りはこれからも何も変わりません。それは、我々がもともと、音源に忠実な音作りを行ってきた会社だからです。
我々は、音をプロセッシングするハードを作っているわけではないのです。長年、生の演奏を録音するためのマイクなどを作っている会社なので、イヤホンにおいても音源に忠実という基本線を外すつもりはありません。
−−これは質問というより要望なのですが、SHUREさんのイヤホンのプラグ部はかなり太いですよね。スマホのケースによっては干渉してしまうことがあります。もう少し細くなりませんか?
サリバン氏:それについては、フィードバックをかなりいただいており、我々としても認知しています。背景についてご説明しますと、我々の品質検査の基準は、とても厳しいのです。並みの強度ではとても合格できません。我々が自ら課している基準に達するために、この太さのプラグが必要になったということです。
ただし、仰るようにケースによってはうまく接続できない場合もあるでしょう。この場合、弊社の製品でiPhone/iPod対応マイクリモコンを備えた交換用ケーブル「CBL-M+-K」という製品もご用意しています。このケーブルはプラグ部も細めなので、多くのケースでご利用できるはずです。