あなたの“買い”モデルはどっち?
パナソニック“VIERA"VT3とGT3を実写画像で徹底比較 − 意外な結果が明らかに!
■暗部の沈み込み、階調表現力は?
まずは、キューテックが発売している業務用のHD画質信号テストディスク『Hi-Definition Reference Software for Professional QT-1000series』を用意。黒レベルと動画解像度の比較を行った。
「Tokyo night」のシーンで「シネマ」の設定で両機種の比較を行ったところ、両機種の映像にはやや違いが見られた。前回もそうだったが、両機種のデフォルト設定では、色調が完全に揃っていない。それを踏まえて画質の特徴を説明すると、GT3は黒をより積極的に沈める方向であるのに対し、VT3はややグリーンが乗り、階調を丁寧に出す画作りをしている。
ネイティブコントラスト500万対1の性能はどちらもしっかりと発揮していた。さらに意外なことに、単純な黒の沈み具合のみを見ると、GT3の方が沈んでいるように見えた。VT3がよりマスモニ調の映像なのに対し、GT3の方が輝き感がある映像でメリハリを感じさせるため、一見しただけではVT3より高画質と感じる方もいるかもしれない。なお「明るさセンサー」をオンにした状態でも基本的な傾向は変わらなかった。
両機種の画質モードを「スタンダード」にすると、映像の色調がかなり揃って、比較しやすくなる。
ただしそれでも「Tokyo night」で比較した印象では、VT3シリーズとGT3シリーズの違いはさほど大きくない。基本的な映像の傾向としてはどちらも黒再現性に優れており、全黒はどちらも深く沈む。黒の深みはやはりVT3の方があるが、GT3は明所がより輝き、輪郭を固くクッキリ見せる。明暗差や輪郭がハッキリとした映像なのだ。VT3は最大輝度よりも、むしろ全体に色表現を滑らかに整えて、自然な輪郭を出すという画作りを行っている。
次に動画解像度についても、昨年と同じ「Automobile」の映像を使用して動画のブレ感を目視で丹念に確認。かつシャッタースピードを上げたカメラで撮影した。