実例で学ぶ防音/調音ノウハウ
あなたはどのタイプ? ケーススタディで見る“音のDAIKEN”が誇る防音/調音アイテムの実力
【ケース3】施工を伴う本格的なDAIKEN製品の防音能力は? |
そして3回目に訪れたのが、和室2部屋を大胆にリフォームしてホームシアター/オーディオ専用室を作ったNさん宅(関連記事)。工事を伴うようなケースでDAIKEN製品がどのように活用されているのか、そして“調音”よりだった前2件と比べて、より“防音”に注目して製品性能を確認する取材となった。
リフォームにあたり最大の難関だったのが隣室との関係性。3部屋続きだった和室のうち2部屋分のスペースをシアタールームへとリフォームしたのだが、「元々は法事などで親類が集まったときに、ふすまを開放して大きな1部屋として使っていたスペースでした。そのため、今後もそのような使い方ができるようにして欲しいとお願いしました」(Nさん)との注文が入り、普通であれば壁として塞いでしまう部分も開口部として残さねばならなかったのだ。
また、1部屋だけ残る和室とひと繋ぎにして使用するケースを考えると、デザイン面でのマッチングも重要になる。こうしたことから、シアタールームの設計を担当したホームシアター工房の田中店長は「木目で色柄のバリエーションも揃っており、和室と合わせても違和感がありません」としてDAIKENの防音壁材「オトカベ L80」をチョイス。「DAIKEN製品はカラーが揃っていますし、シアタールームをトータルで設計する際にはそうしたメリットは大きいですね」とも語り、様々なデザインやカラーバリエーションを揃えている点を改めて評価する。
肝心な響きの方向性については、Nさんの趣向に合わせ、ややデッド気味に設計することに。「隣家との距離もある程度あったことから、基本的にはDAIKENさんの基準でいう A(Advance)防音の部屋を作ることにし、ドアのみS(Special)防音性能のものにしました。言わばA防音とS防音のいいとこ取りといったところでしょうか」と田中氏は狙いを説明する。
こうした狙いの下、天井にはシンプルモダンに仕上げた防音天井材「オトテン(モダン)」、扉には42dB(500Hz)という防音性能を持つS防音ドアから「S00」、床には遮音マット「S09」を使用。そのほかにも吸音ウール「303」が使用されるなど、DAIKEN製品が随所に配置されたシアタールームが完成したのだった。
そして、完成した専用室の防音性能を実際に計測。4ヶ所のポイントで計測を行い、「すべての観測点において満足される結果となっています。しかも周波数によってはかなり上回っていることも確認できますね」と井上氏が語るほど、狙い通りの効果が得られていたことが分かった。
さらに取材班は1階にあるシアタールームから2階への音漏れ具合も調査。やはりここでも良好な測定結果であることが判明し、防音天井材「オトテン(モダン)」の効果の高さも実感できる結果となった。
なお、隣室や階上/階下への音漏れについては、他の読者からもファイル・ウェブへ多くの悩みが寄せられている。この点について取材後に井上氏へ改めて訊ねてみたところ、「例えば階下への音漏れであれば、床だけをなんとかすればいいと思われがちですが、それだけではいけません。床の振動が建物の様々なところへ伝わるからです」とコメント。どのように音が漏れていくのかを総合的に考えて判断する必要性を説く。
また、「音が漏れていく順番を考えると、特にリビングシアターでは換気扇が大きな原因なのです」とコメント。換気扇フード「フード11型」や、防音ダクト換気扇「32C型」などといった製品も、オーディオビジュアル/ホームシアターファンにとって活用できるアイテムであると紹介する。
そして、同社のサイト上から防音に関する悩み相談を無料で受け付けていることに改めて言及。「住まいの構造を教えてもらい、『音漏れを半分にするのならこういう方法があります』といったような提案を返し、場合によってはショールームで行っている防音相談会へお誘いしたりといったこともあります。また、以前は漠然とした質問が多かったのですが、皆さんよく勉強されているのか、この頃はマニアックな質問をされる方が増えていますね」とコメントした。