[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第80回】ハイレゾ初心者はまずコレを! 高橋敦のオススメ作品ベスト10
上原ひろみ「MOVE」
フォーマット:FLAC、WAV|192kHz/24bit
販売サイト :e-onkyo music、mora
楽曲の詳細&ダウンロードはこちら:
http://www.e-onkyo.com/music/album/uml81424/(e-onkyo music)
http://mora.jp/package/43000006/00888072350250/(mora)
▼項目評価
ボーカル |ーーーーー|
質感 |★★★★・|
帯域の広さ|★★★★★|
解像感 |★★★★★|
空気感 |★★★★・|
空間性 |★★★★★|
▼紹介コメント
この連載でも長らくリファレンス音源として活躍してくれている作品。編成としてはピアノ(とシンセ)、(エレクトリック多弦の)ベース、ドラムスというピアノ・トリオであるし、配信でも実店舗でも「ジャズ」コーナーに置かれている。しかし僕の感覚ではこれは、ジャンル分けなど不要という意見もあるだろうが便宜的に強いてどこかのコーナーに収めるとするならば、「プログレッシブ・ロック(ただしギターではなくピアノでやってます)」だ。
何が「プログレッシブ」かというと例えば曲の展開やリズムの決めがそれっぽい。表題曲「MOVE」等はイエス「Roundabout」やドリーム・シアター「Pull Me Under」を好む方には響くのではないだろうか。
オーディオ的な視点から言えばこれは正統派かつ現代的な高音質録音。きっちりセッティングされたスタジオ環境で万全の録音を行った上で、その後のミキシングからマスタリングでは生音を生かしつつも入念な調整が施されている。そんな感じが伝わってくる。好ましい意味で作り込まれた印象だ。
▼CD音源との比較
CD盤の方が音量レベルがやや高く、それとの兼ね合いもあってか低音が少し押し出されているようにも聴こえる。まあそれも無理のない範囲でのことだが、オーディオ的にはやはりハイレゾ版の方がより好ましい。
Hoff Ensemble「Quiet Winter Night」
フォーマット:多数
販売サイト :e-onkyo music
http://www.e-onkyo.com/music/album/twl0873/
▼項目評価
ボーカル |★★★★・|
質感 |★★★★★|
帯域の広さ|★★★★・|
解像感 |★★★★★|
空気感 |★★★★★|
空間性 |★★★★★|
▼紹介コメント
ノルウェーのトップミュージシャンの競演によるのだという、実に静謐で美しい作品。今回紹介する中ではメジャー感がないというかむしろ完全にマイナーな作品で、僕も「マティアス・アイクを中心に」と言われてもマティアス・アイクさんが誰なのかがわからない有様だ。しかし音楽的にも音質的にも素晴らしいのでこれは紹介しておきたい。
その音楽性をあえて安易な表現で伝えるならば、「シガー・ロスをお好きな方はこれも気に入るのではないか」と言えばわかりやすいだろうか。菅野よう子さんがクラシック+民族音楽+エレクトロニカの雰囲気を出したとき(「∀ガンダム」とか)の感触に近いものを感じさせる曲もある。録音としてもかつての北欧ジャズのそれを思い起こさせる柔らかく豊かなリバーブ、しかし透明感も高く細かな音の機微も明瞭と、実に素晴らしい。
さて作品内容に加えてのこの作品のもうひとつの特徴は録音配信フォーマットの多様さ。PCMハイレゾ各種、DSD2種、5.1chサラウンド各種、全12フォーマットでの配信だ。今後のオーディオの可能性を色々と試してみたい方にもおすすめ。
▼CD音源との比較
ー(ハイレゾ版のみ購入)
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