[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第91回】こちらも全力でやります!「ポタフェス2014」高橋敦の超個人的ベスト5
【第2位】マルチBAどう割り振る?
JH Audioのイヤーモニター「Roxanne」の登場に「じゅ、12ドライバー!?」と衝撃を受けた方は多いだろうが、それを筆頭にしてBAドライバー超多数搭載のイヤモニが多く見られたことも、今回のポタフェスで印象に残った。
ユニメロことUnique Melodyは、ダイナミック型シングルとダイナミック型同軸デュアルドライバーの試作機と並べて、BA型12基のモデルも展示。
ここで面白いなと思ったのはドライバーの割り振りだ。Roxanneは低域・中域・高域の3ウェイ構成で各帯域に4基ずつを割り振っている。対してこちらは低域・中域・高域・超高域の4ウェイ構成で割り振りは低域×4・中域×4・高域×2・超高域×2。高域と超高域の分割周波数がどのあたりなのか等にもよるだろうが、目指すところもそのための手法も異なるということかもしれない。
音の方はさっと聴いた感じでは、厚みを充実させながらもクリアな低域、すばらしくほぐれてシャープさも柔らかさも表現する高域が印象的だった。
続いて、カナルワークスは3ウェイ8ドライバー構成の「CW-L71」を展示。
こちらの8基のドライバーは低域×2・中域×2・高域×4という割り振りになっている。これは単純に、高域の再現性に余裕を持たせたいという狙いだろうか。聴いてみると、イヤーピースが合わなかったので低域の感じはわかりにくかったが、高域の繊細さ、そして全体の無理のなさというか軽やかさ、ボーカルの見え方のすっきり感などが印象的。モニター的なクリアさという意味ではこれぞという感じだ。
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