【特別企画】通常モデルと徹底比較
“フルHD”ブルーレイ再生の到達点。OPPO「BDP-105DJP」日本限定モデルの画質/音質を検証
■BDP-105DJPを圧倒的に凌駕するアナログ出力によるステレオ再生
今回の変更で大きく強化されたアナログ出力による2chステレオ再生からまずは聴いてみよう。演奏したディスクは自宅のBDP-105JDPで繰り返し聴いたエソテリックの名盤『アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳』(SACD)※ から。
定位がBDP-105DJPとまったく違う。全体に低く安定して音場が広がる。リュートの枯れた音色が露になる。ドイツ語で歌うテノールの声にBDP-105DJPの場合やや茫洋とした響きがあったが、BDP-105DJPLは音像がはるかに収束、くっきりとした実在感で描く。腹式呼吸のブレス、口の開け方、フレーズのアーティキュレーションが克明に伝わる。録音会場の奥行きと空気を連れて来た位大きな変化だ。ハープの撥弦の振動は波動となって解き放たれ、聴き手にうねりのように寄せてくる。帯域も拡大、低域ローエンドへ伸びていてどっしりした支えがある。解像力もアップ。大小強弱の音のニュアンスが伸び伸びと対比的に描かれ、再生音楽だからといって窮屈にデフォルメされないのだ。自然音のダイナミックレンジがある。しかも音場に奥行きがあるので楽器を前にしたリアリズムがある。
次に、ハイレゾ音楽ファイルを両機のUSB-DAC機能で再生した。ピエール・ロラン・エマールの弾く『J.S.バッハ/平均律クラヴィーア曲集第一巻』(FLAC96kHz/24bit)の変化はさらに大きい。BDP-105DJPはどこか茫漠として響きが拡散しているが、BDP-105DJPLはヴェールを二枚くらい取り去ったような鮮明な演奏だ。
次にリンダ・ロンシュタッドの名作『What's New』(FLAC192kHz/24bit)。BDP-105DJPLは声の再生音域が広がり倍音が頭打ちにならず伸びやかで爽快。声の雑味がなく生々しい実在感。オケとの距離感が絶妙ですっくと立つ立体感も新鮮。BDP-105DJPは声が近いが輪郭の彫琢と追い込みが物足りず拡散している。強い声があっても胸から下つまり肉体の存在感が薄い。剛性アップとノイズ抑制の成果である。よくここまで既製品を追い込んだと思う。
BDP-105DJPの方がやや印象が良かったソースもあった。モダンジャズの定番中の定番、ビル・エヴァンス・トリオの『ワルツ・フォー・デビー』(FLAC192kHz/24bit)だ。ただ、その原因は今回の試聴環境の影響であることは明らか。試聴のリファレンスとしたスピーカーシステム、ELAC「FS249BE」は、低域の量感も重視した製品。試聴室は調音パネルや吸音材で改善しているが、伝送特性上50〜60Hzにピークがありそこに大きな入力が来ると暴れる場合がある。BDP-105DJPLはローエンドが伸びただけでなく低域の量感も改善されているが、それが今回の試聴室の環境では扱いきれなかった。低域の特性がフラットな環境ではBDP-105DJPLの低域再生能力が物を言うはずである。
クラシックの声楽を聴いてみよう。当代きってのプリマドンナでソプラノ・リリコ・スピント(最も重く強靭な声)の本格派アンナ・ネトレプコ。BDP-105DJPは帯域的な制限がある。高音域の倍音が伸びきっていない。バックに静寂が足りず、もやっと曇った音場なのだ。一方でBDP-105DJPは、静まり返り澄み切った音場に強靭な声が凛と現れる。S/Nが大幅に改善されたことを実感する。
BDP-105DJPは優れたユニバーサルプレーヤーだが、ステレオ再生のプレイバックリファレンスとして用いるには少々物足りないというのが正直な感想だった。それが、今回BDP-105DJPLになり持ち前の明るく伸びやかな表情を失わずに厳しさ、余分な色や響きを付けないリアリズムを掌中にした。BDP-105DJPLは、ステレオ再生のリファレンスとして足り得る資質さえ備えるに至ったのだ。
今回の変更で大きく強化されたアナログ出力による2chステレオ再生からまずは聴いてみよう。演奏したディスクは自宅のBDP-105JDPで繰り返し聴いたエソテリックの名盤『アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳』(SACD)※ から。
定位がBDP-105DJPとまったく違う。全体に低く安定して音場が広がる。リュートの枯れた音色が露になる。ドイツ語で歌うテノールの声にBDP-105DJPの場合やや茫洋とした響きがあったが、BDP-105DJPLは音像がはるかに収束、くっきりとした実在感で描く。腹式呼吸のブレス、口の開け方、フレーズのアーティキュレーションが克明に伝わる。録音会場の奥行きと空気を連れて来た位大きな変化だ。ハープの撥弦の振動は波動となって解き放たれ、聴き手にうねりのように寄せてくる。帯域も拡大、低域ローエンドへ伸びていてどっしりした支えがある。解像力もアップ。大小強弱の音のニュアンスが伸び伸びと対比的に描かれ、再生音楽だからといって窮屈にデフォルメされないのだ。自然音のダイナミックレンジがある。しかも音場に奥行きがあるので楽器を前にしたリアリズムがある。
次に、ハイレゾ音楽ファイルを両機のUSB-DAC機能で再生した。ピエール・ロラン・エマールの弾く『J.S.バッハ/平均律クラヴィーア曲集第一巻』(FLAC96kHz/24bit)の変化はさらに大きい。BDP-105DJPはどこか茫漠として響きが拡散しているが、BDP-105DJPLはヴェールを二枚くらい取り去ったような鮮明な演奏だ。
次にリンダ・ロンシュタッドの名作『What's New』(FLAC192kHz/24bit)。BDP-105DJPLは声の再生音域が広がり倍音が頭打ちにならず伸びやかで爽快。声の雑味がなく生々しい実在感。オケとの距離感が絶妙ですっくと立つ立体感も新鮮。BDP-105DJPは声が近いが輪郭の彫琢と追い込みが物足りず拡散している。強い声があっても胸から下つまり肉体の存在感が薄い。剛性アップとノイズ抑制の成果である。よくここまで既製品を追い込んだと思う。
BDP-105DJPの方がやや印象が良かったソースもあった。モダンジャズの定番中の定番、ビル・エヴァンス・トリオの『ワルツ・フォー・デビー』(FLAC192kHz/24bit)だ。ただ、その原因は今回の試聴環境の影響であることは明らか。試聴のリファレンスとしたスピーカーシステム、ELAC「FS249BE」は、低域の量感も重視した製品。試聴室は調音パネルや吸音材で改善しているが、伝送特性上50〜60Hzにピークがありそこに大きな入力が来ると暴れる場合がある。BDP-105DJPLはローエンドが伸びただけでなく低域の量感も改善されているが、それが今回の試聴室の環境では扱いきれなかった。低域の特性がフラットな環境ではBDP-105DJPLの低域再生能力が物を言うはずである。
クラシックの声楽を聴いてみよう。当代きってのプリマドンナでソプラノ・リリコ・スピント(最も重く強靭な声)の本格派アンナ・ネトレプコ。BDP-105DJPは帯域的な制限がある。高音域の倍音が伸びきっていない。バックに静寂が足りず、もやっと曇った音場なのだ。一方でBDP-105DJPは、静まり返り澄み切った音場に強靭な声が凛と現れる。S/Nが大幅に改善されたことを実感する。
BDP-105DJPは優れたユニバーサルプレーヤーだが、ステレオ再生のプレイバックリファレンスとして用いるには少々物足りないというのが正直な感想だった。それが、今回BDP-105DJPLになり持ち前の明るく伸びやかな表情を失わずに厳しさ、余分な色や響きを付けないリアリズムを掌中にした。BDP-105DJPLは、ステレオ再生のリファレンスとして足り得る資質さえ備えるに至ったのだ。