【特別企画】レグザサウンドシステムとの「シンクロドライブ」などを試す
“レグザ史上最高画質”だけじゃない「Z20X」の魅力。“音質”を折原一也がチェック
また、3種類のサウンドモードを選択できるほか、イコライザー、低音強調といった機能も装備。試しに低音を引き上げてみると、引き締まったオーディオ的な低音から、より迫力重視の傾向へと変わる。ちなみにサウンドモードは「音楽」「クリア音声」「映画」と選択でき、「クリア音声」にすると人の声の帯域のクリアネスが増す。ニュースやドラマはもちろん、映画のセリフをより聞き取りやすくしたい時に有効だ。
■レグザ内蔵スピーカーと連携する「シンクロドライブ方式」での音質は?
さて、ここまで読んで「せっかく内蔵スピーカーを高音質化したのに、レグザサウンドシステムを買うとテレビ側のスピーカーは無駄になるのか…」と思った人もいるかもしれない。だが、それも心配無用だ。Z20Xとレグザサウンドシステムの組み合わせのみで実現できる「シンクロドライブ方式」が用意されている。
シンクロドライブ方式では、レグザZ20Xに搭載されているノーメックスドームトゥイーターと、レグザサウンドシステムのスピーカーが連携して動作。レグザサウンドシステムだけでなく、テレビ本体のトゥイーターも合わせて利用することで、さらなる高音質化を図る。
しかし、「テレビと外部スピーカーを連携させる」と言ってもことはそう単純ではない。今回、東芝ではレグザの内蔵スピーカーとレグザサウンドシステムを同期させるために、「音量同期制御」「リップシンク制御」「タイムアライメント整合」という3つの観点からの技術を新たに開発。これによって、テレビ内蔵スピーカーと外部スピーカー(レグザサウンドシステム)との連携を実現させている。
それでは、そんな「シンクロドライブ」方式での音質はどうなのか。例えばBDソフト『GODZILLA ゴジラ』を視聴してみると、そのサウンドはかなりの実力を持っていることが分かる。
普段から筆者がサラウンド検証に用いている同作品のチャプター9を視聴すると、レグザサウンドシステムのみでの再生時は、ヘリコプターの飛来する音や重低音の迫力を伝えてくれることに加え、音の奥行き感をキメ細かく出すサウンドになる。それに対して、「シンクロドライブ」のサウンドはサラウンドフィールドのスケールの広さを徹底的に生み出す。
特に上空を飛来する戦闘機の飛行音の移動感、米海兵隊がゴジラを迎え撃つ銃器の爆音の臨場感や空気感は好印象。こうした部分を求めるなら「シンクロドライブ」の方が一枚上手だ。
レグザZ20Xシリーズの高音質化の決め手であるレグザサウンドシステム「RSS-AZ55」。単純に外部スピーカーとして利用する際にはピュアオーディオ的な音の良さを感じさせ、Z20Xと連携する「シンクロドライブ」ではより映画世界に没入させる迫力を生み出す。ユーザーの好みやそのときの気分によって使い分けもできる、想像以上に懐の深いサウンドシステムだ。
2015年の薄型テレビを代表する高画質モデルであるレグザZ20X。内蔵スピーカーの質の良さに加えて、レグザサウンドシステムとのシンクロドライブによってサウンド性能を飛躍的に高められることは上記に紹介した通り。画質だけでなく音質への取り組み面からもお勧めできるモデルだ。