【特別企画】待望のアップデート対応が実現
fidata「HFAS1」のネットワークトランスポート機能を検証 - 注目USB-DACと組み合わせテスト
■オーディオ用NASが“ネットワークトランスポート”に
アイ・オー・データ機器から発売された、オーディオ用NAS“fidata(フィダータ)”「HFAS1シリーズ」が絶好調だ。
HDDモデル「HFAS1-H40」とSSDモデル「HFAS1-S10」を用意するが、いずれもネットワークプレーヤーの能力を最大限引き出す絶対的な情報量と優秀なSN比、そして癖のないアキュレートな音色により、ネットワークプレーヤーを使うユーザーから高い評価を得ている。
そんなHFAS1がバージョンアップを果たし、USB-DAC接続機能を実装した。
と書いても、「USB-DAC接続機能ってなに?」と思われる方もいるかもしれないので簡単に説明しよう。HFAS1にUSB-DAC入力を搭載したオーディオ機器と接続することで、ネットワークプレーヤーとして利用できるのだ。
本機のNetwork Renderer部は、OpenHomeとDMRの2つのモードを備え、一般的なネットワークプレーヤーと同様にスマートフォン/タブレットにインストールした汎用アプリで操作可能。再生可能なスペックは、PCMではビット深度が16bit、24bitおよび32bit float/integer(32bit floatの再生に対応した製品はネットワークプレーヤーでもごくわずかだ)、サンプリング周波数が最大384kHzまで対応する。
DSDはDoP(DSD Audio over PCM Frames)によるDSDネイティブ出力が可能で、2.8MHz/5.6MHzに加え、11.2MHzまでもサポートする。もちろん接続するUSB-DACが上記スペックに対応していないと再生はできない。
OpenHomeモードでは、操作アプリ側が対応していれば、アプリを閉じても再生が止まらないオンデバイスプレイリストや、ギャップレス再生も可能だ。そもそもNASであるHFAS1にはSSD/NASが積まれているから、いわばストレージを搭載した「ネットワークトランスポート」としての役割を果たすようになったのである。
ここまででお分かりいただけると思うのだが、今回の機能追加は決しておまけ的なものなどではなく、本質的なものだ。
そこで今回の記事では、人気のUSB-DAC、およびUSB-DAC搭載オーディオ機器(単体、CDプレーヤーアンプ、ヘッドホンアンプなど)と組み合わせて、シチュエーション別の使用感や音質を試してみようと考えた。すると、そこには予想以上の結果が待ち受けていた。
■プレーヤーとしての完成度、そして何よりその音質に驚かされた
結論から先に申し上げると、HFAS1をネットワークプレーヤー(トランスポート)として利用した場合の完成度は非常に高い。単体ネットワークプレーヤーと肩を並べる、いや、それを凌駕するような優れた操作性や機能性を備えている。
そして、驚くほど音が良い。これまでUSB-DACの評価はパソコンとの接続で行ってきた。HFAS1とUSB-DACを組み合わせた際の音質は、パソコン(今回はMackBookを使用)との組み合わせと比べていずれも大きく上回った。長らくデジタルファイル再生に携わってきた筆者からしても、今までの判断基準が根本から変わるのではと考えさせられた。
ではなぜ、HFAS1をトランスポートとして使うと、これほど音が良いのだろうか。
我々が当たり前のように使っている一般的なパソコンは、もともと音楽再生時の音質は考慮されていない。特にノイズ対策については皆無に等しい。
それに対してHFAS1は、広義に考えればLinux OSを積んだコンピューターなのだが、徹底した音質の吟味と対策が行われ、シャーシ、回路設計、使用パーツ、その全てが音質向上だけのために投入されている。動作するソフトウェアも最小限に絞り込まれた。このあたりの音質対策については、こちらの対談記事(『“fidata”「HFAS1」開発の裏側に迫る!アイ・オー&土方久明が本音でNAS談義』)で、アイ・オー・データの開発担当に詳しく話を聞いたのでご参照いただきたい。こうした徹底した音質対策を考えると、オーディオ機器としてはまったく対策が施されていないパソコンと比較して大きな音質差が出るのは、ある意味で必然と言えるだろう。
それにしても、HFAS1をトランスポートとしてUSB-DACを接続した場合のサウンドは、パソコンを用いたオーディオの常識を根本的に揺るがすものだ。筆者のこれまでの体験を踏まえても、USBケーブルを接続するだけの簡単な手順で、USB-DACの性能をここまで引き出せる存在は希有だと言える。
誤解を恐れずに言えば、単に再生ソフトをインストールしただけのMacやWindowsのノートパソコンとUSB-DACを接続した時とは、音質は比べ物にならない。パソコンをUSB-DAC再生に用いてこの音質に並ぶためには、オーディオ専用にチューニングされたパソコン(オーディオに特化した電源や筐体は格別重要だ)、ソフトウェア、複雑な設定、そしてユーザーの試行錯誤が必要になるだろう。
取材後、HFAS1を持っている知人に「すぐにこの接続方式を試してみるべき」とすぐに連絡した。それほどのインパクトがあった。ものすごく大きな発見があった今回の試聴、どれだけ凄かったのかを、以下にくわしく紹介していきたい。
アイ・オー・データ機器から発売された、オーディオ用NAS“fidata(フィダータ)”「HFAS1シリーズ」が絶好調だ。
HDDモデル「HFAS1-H40」とSSDモデル「HFAS1-S10」を用意するが、いずれもネットワークプレーヤーの能力を最大限引き出す絶対的な情報量と優秀なSN比、そして癖のないアキュレートな音色により、ネットワークプレーヤーを使うユーザーから高い評価を得ている。
そんなHFAS1がバージョンアップを果たし、USB-DAC接続機能を実装した。
と書いても、「USB-DAC接続機能ってなに?」と思われる方もいるかもしれないので簡単に説明しよう。HFAS1にUSB-DAC入力を搭載したオーディオ機器と接続することで、ネットワークプレーヤーとして利用できるのだ。
本機のNetwork Renderer部は、OpenHomeとDMRの2つのモードを備え、一般的なネットワークプレーヤーと同様にスマートフォン/タブレットにインストールした汎用アプリで操作可能。再生可能なスペックは、PCMではビット深度が16bit、24bitおよび32bit float/integer(32bit floatの再生に対応した製品はネットワークプレーヤーでもごくわずかだ)、サンプリング周波数が最大384kHzまで対応する。
DSDはDoP(DSD Audio over PCM Frames)によるDSDネイティブ出力が可能で、2.8MHz/5.6MHzに加え、11.2MHzまでもサポートする。もちろん接続するUSB-DACが上記スペックに対応していないと再生はできない。
OpenHomeモードでは、操作アプリ側が対応していれば、アプリを閉じても再生が止まらないオンデバイスプレイリストや、ギャップレス再生も可能だ。そもそもNASであるHFAS1にはSSD/NASが積まれているから、いわばストレージを搭載した「ネットワークトランスポート」としての役割を果たすようになったのである。
ここまででお分かりいただけると思うのだが、今回の機能追加は決しておまけ的なものなどではなく、本質的なものだ。
そこで今回の記事では、人気のUSB-DAC、およびUSB-DAC搭載オーディオ機器(単体、CDプレーヤーアンプ、ヘッドホンアンプなど)と組み合わせて、シチュエーション別の使用感や音質を試してみようと考えた。すると、そこには予想以上の結果が待ち受けていた。
■プレーヤーとしての完成度、そして何よりその音質に驚かされた
結論から先に申し上げると、HFAS1をネットワークプレーヤー(トランスポート)として利用した場合の完成度は非常に高い。単体ネットワークプレーヤーと肩を並べる、いや、それを凌駕するような優れた操作性や機能性を備えている。
そして、驚くほど音が良い。これまでUSB-DACの評価はパソコンとの接続で行ってきた。HFAS1とUSB-DACを組み合わせた際の音質は、パソコン(今回はMackBookを使用)との組み合わせと比べていずれも大きく上回った。長らくデジタルファイル再生に携わってきた筆者からしても、今までの判断基準が根本から変わるのではと考えさせられた。
ではなぜ、HFAS1をトランスポートとして使うと、これほど音が良いのだろうか。
我々が当たり前のように使っている一般的なパソコンは、もともと音楽再生時の音質は考慮されていない。特にノイズ対策については皆無に等しい。
それに対してHFAS1は、広義に考えればLinux OSを積んだコンピューターなのだが、徹底した音質の吟味と対策が行われ、シャーシ、回路設計、使用パーツ、その全てが音質向上だけのために投入されている。動作するソフトウェアも最小限に絞り込まれた。このあたりの音質対策については、こちらの対談記事(『“fidata”「HFAS1」開発の裏側に迫る!アイ・オー&土方久明が本音でNAS談義』)で、アイ・オー・データの開発担当に詳しく話を聞いたのでご参照いただきたい。こうした徹底した音質対策を考えると、オーディオ機器としてはまったく対策が施されていないパソコンと比較して大きな音質差が出るのは、ある意味で必然と言えるだろう。
それにしても、HFAS1をトランスポートとしてUSB-DACを接続した場合のサウンドは、パソコンを用いたオーディオの常識を根本的に揺るがすものだ。筆者のこれまでの体験を踏まえても、USBケーブルを接続するだけの簡単な手順で、USB-DACの性能をここまで引き出せる存在は希有だと言える。
誤解を恐れずに言えば、単に再生ソフトをインストールしただけのMacやWindowsのノートパソコンとUSB-DACを接続した時とは、音質は比べ物にならない。パソコンをUSB-DAC再生に用いてこの音質に並ぶためには、オーディオ専用にチューニングされたパソコン(オーディオに特化した電源や筐体は格別重要だ)、ソフトウェア、複雑な設定、そしてユーザーの試行錯誤が必要になるだろう。
取材後、HFAS1を持っている知人に「すぐにこの接続方式を試してみるべき」とすぐに連絡した。それほどのインパクトがあった。ものすごく大きな発見があった今回の試聴、どれだけ凄かったのかを、以下にくわしく紹介していきたい。