【特別企画】コスパにも注目の4機種を試聴
新VMカートリッジのスタンダードモデル「500シリーズ」を野村ケンジが全部聴いた
■「VM540ML」(無垢マイクロリニア針)
最後に500シリーズの最上位となる、無垢マイクロリニア針を搭載した「VM540ML」を試聴した。いやはや、これでMM型相当の出力が得られているのかと驚くくらい、緻密で繊細な表現を持つサウンド。高域はしっかりと伸びる一方で、全く尖っておらずとことん心地よく、美しさに満ちている。
またノイズ感が少なく、細やかなニュアンスまでしっかりと届けてくれるのもポイント。おかげで、スティングは最高の演奏を聴かせてくれる。サックスは情緒的かつ感情的で、ピアノの響きもかなりの美音になる。その分、パワフルさについてはVM530ENに一歩譲るところがある。しかし、ここまでのきめ細やかな音表現はそれだけで魅力的だ。特にクラシックや静かな歌い方のヴォーカルものなどととても相性が良く、今回試聴した4モデルの中でも1番、音楽にのめり込むことができた。
VM530ENで音場的な広がりが気になったKalafinaも、左右方向に自然な広がりを感じられるようになったことも付け加えておきたい。これはカートリッジが、レコードの音をより細部の情報まで引き出してくれた結果だろう。
◇
新VMカートリッジ「500シリーズ」は、同じハウジング部を採用しつつも、キャラクターが異なる、幅広いサウンドを持ち合わせていることが分かった。できれば全てのモデルを試聴してから自分にとってのベストワンを選び出して欲しいところだが、針交換ができることを活かして、音楽ジャンルや気分に合わせて複数の針を併用するのもよさそうだ。こういった“遊び”ができることも含め、音とプライスの両面で魅力的な製品だと断言しよう。
(野村ケンジ)
企画協力:オーディオテクニカ
最後に500シリーズの最上位となる、無垢マイクロリニア針を搭載した「VM540ML」を試聴した。いやはや、これでMM型相当の出力が得られているのかと驚くくらい、緻密で繊細な表現を持つサウンド。高域はしっかりと伸びる一方で、全く尖っておらずとことん心地よく、美しさに満ちている。
またノイズ感が少なく、細やかなニュアンスまでしっかりと届けてくれるのもポイント。おかげで、スティングは最高の演奏を聴かせてくれる。サックスは情緒的かつ感情的で、ピアノの響きもかなりの美音になる。その分、パワフルさについてはVM530ENに一歩譲るところがある。しかし、ここまでのきめ細やかな音表現はそれだけで魅力的だ。特にクラシックや静かな歌い方のヴォーカルものなどととても相性が良く、今回試聴した4モデルの中でも1番、音楽にのめり込むことができた。
VM530ENで音場的な広がりが気になったKalafinaも、左右方向に自然な広がりを感じられるようになったことも付け加えておきたい。これはカートリッジが、レコードの音をより細部の情報まで引き出してくれた結果だろう。
新VMカートリッジ「500シリーズ」は、同じハウジング部を採用しつつも、キャラクターが異なる、幅広いサウンドを持ち合わせていることが分かった。できれば全てのモデルを試聴してから自分にとってのベストワンを選び出して欲しいところだが、針交換ができることを活かして、音楽ジャンルや気分に合わせて複数の針を併用するのもよさそうだ。こういった“遊び”ができることも含め、音とプライスの両面で魅力的な製品だと断言しよう。
(野村ケンジ)
企画協力:オーディオテクニカ