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【特別企画】シリーズごとの最適プレーヤーを探る

オーディオテクニカ新VMカートリッジ & 人気アナログプレーヤー6機種スクランブルテスト!

公開日 2016/12/27 10:25 岩井 喬
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新カートリッジはアナログの深遠な世界を共に歩む相棒になってくれる

VM530ENは自然なレンジ感と広がり、個々の音の分離や質感表現のスムーズさが特長のバランス志向なサウンド性を持つ。一方トップエンドモデルのVM760SLCは、VM型の到達点ともいえるナチュラルで分離良い高S/Nなサウンドだ。どっしりとした安定感と朗らかで余韻の丁寧な描写性が高級感あふれる。情報量も豊かで誇張感のないサウンドであり、これまでのVM型では感じ得なかった、誇張感のない、自然でスムーズな力の抜け方、優しい表現も特長だ。


いずれのプレーヤーも基本性能が高く、アーム精度・感度ともに上々で700/500シリーズのVMカートリッジが持つ特性を丁寧に引き出してくれた。組み合わせるシェルによっても音質傾向が変化するものの、プレーヤー(アーム)ごとに最適な重量バランスも異なるため、最適な範囲値の中で収めるよう注意したい。カートリッジの取り付けやアーム設定など、基本的なセッティングを心掛ければ、カートリッジを含めたプレーヤーシステム全体で驚くほどの高音質を持ってリスナーに対し、応えてくれることだろう。

今回のシリーズ刷新によってVMカートリッジは“入門向けの手頃な選択肢”という殻を破り、そうしたニーズに応えながらも、より高音質を目指す能動的なリスナーの助けとなる“アナログの深遠な世界を共に歩む相棒”に成長を果たしたといえるだろう。


<試聴盤>
■中島美嘉「Find The Way」(30cmシングル45回転盤:ソニー/AIJL-5193)
■ジャーニー『ESCAPE』(ソニー/25AP-2100)
■オスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』(45回転盤:Analogue Productions/AP-8606)
■スティービー・ワンダー『インナー・ヴィジョンズ』(100%Pure LP盤:ユニバーサル/UIJY-90005)





(特別企画 協力:オーディオテクニカ)

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