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【特別企画】2chステレオ再生の音質もチェック

デノンのスピーカーは「P.P.D.D.」がスゴい! 「37シリーズ」でホームシアターを味わい尽くす

公開日 2017/02/21 10:00 鴻池賢三
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2chのステレオ再生では繊細な中高域と豊かな低音が味わえる

まずスピーカーの素性を確認すべく、高音質で人気のUSB-DAC内蔵プリメインアンプ、デノン「PMA-50」にトールボーイのSC-T37を組み合わせて、ハイレゾ音源を再生する。中高域が繊細で、静かなバックグランドに音が浮かび上がるような端正な音調が印象的だ。低域は量感豊かでウォームな雰囲気を持ちつつ、歯切れも良いので軽快でスピード感のあるリズムも楽しめる。ダイアナ・クラールなど、女性ジャズボーカルが良く似合う。

まずはSC-T37をPMA-50と組み合わせて、ステレオ再生の音質をチェックした

あれこれ再生していて意外とはまったのが、サザンオールスターズの『はっぴいえんど』。ボーカルが実に味わい深く、容積に余裕のあるスピーカーで再生する特権が感じられる。そのほか、ポップスではJYの「好きな人がいること」も聴いてみたが、キラキラと瑞々しく、空間に音の粒がはじけ飛ぶような心地よさを楽しめた。総じて、PMA-50のフルデジタルアンプが奏でる高品位なハイレゾ信号を、充分に受け止める懐の深さを感じた。

また実験的に、リア用途を想定したSC-A37をスピーカースタンドに乗せてステレオ再生してみた。これが意外や意外。輪郭のしっかりした、クリアで正確な低域が楽しめる。試聴の後に気づいたが、SC-A37は密閉型であり、D.D.L.の効用も大きそうだ。

サラウンド向けのSC-A37の想像以上のステレオ再生能力に鴻池氏も驚いた

こちらは全体として音像サイズ、定位感、左右の広がり(ステレオ感)も精密で、日本スピーカーらしい几帳面な音作り。大音量でなければ充分に楽しめるので、サブシステムのメインスピーカーとして利用するのも面白そうだ。

サラウンド再生は、つながりの良い音場表現が作品世界に没入させてくれる

5.1chサラウンドの試聴は、デノン最新のスタンダードクラスAVアンプ「AVR-X2300W」と組み合わせて行った。37シリーズと組み合わせるには、価格バランス的にもうってつけといえるだろう。

5.1chの音質と立体表現のチェックにはBD映画作品を用い、音楽系シーンとアクションシーンをそれぞれ確認した。

37シリーズで5.1chシステムを組んで、サラウンド再生をチェック

音楽系シーンは、筆者のお気に入りで音質チェックのリファレンスにしている『シカゴ』。「オール・ザット・ジャズ」を奏でる場面は、バンド演奏やボーカルに加え、ホールの大きさや臨場感をいかに再現するかがポイントである。

37シリーズで聴くと、全体に柔らかくしなやかなウォームなトーンで、映画らしいサウンド表現に好感が持てる。スピーカー間の音色が統一されているのは明らかで、効果音の定位や移動感はとてもスムーズ。フロントからリアにかけての音の繋がりも良く、空間の広がりもナチュラルに描写する。

サラウンドにはSC-A37を使用。やや高めの位置にセッティングした

サラウンドチャンネルに割り当てられたブラス系の楽器の音も繊細かつ艶やかで、各スピーカーが“ハイレゾ対応”していることにも納得。アクセントとして、華やいだ雰囲気を盛り上げてくれる。ふと気がつくと、年季の入ったこじんまりとしたホールの密度感や活気までもが感じ取れ、観客席に居るような感覚に陥り、映像の世界に没入していた。

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