海上忍のラズパイ・オーディオ通信(26)
ラズパイオーディオ、ワンボードオーディオ・コンソーシアムは「ソフトウェア」をどう定義する?
前回(関連記事)、書きたくても書けなかった点が「ソフトウェア」についてです。LinuxはARMアーキテクチャをサポートしており、動作実績も豊富にありますから、基礎部分はそれを利用するにしても、ユーザが触れるフロントエンドとそこに近い部分(再生/デコード関連)は検討していかねばなりません。
具体的な内容について言及する前に、ここでいう「Linux」について整理しておきましょう。狭義のLinuxはカーネル(プロセスやメモリ領域の管理などを行うOSの中核に位置するプログラム)ですが、実際にはハードウェアを制御する「(デバイス)ドライバ」、汎用的な機能を集めて不特定のプログラムから再利用可能にした「ライブラリ」など、多くのプログラムが寄せ集められて「オペレーションシステム(OS)」が構成されます。
Raspberry Piなど、ワンボードコンピュータでLinuxを使用するという時には、そのようなOSとしての体裁が整った状態を言います。つまり、「カーネル+ドライバ+ライブラリ+α」が現実的な姿のLinuxであり、それを強調するために「Linux OS」や「Linuxディストリビューション」といった表現を用います。
オーディオ用途として見た場合、Linux OSにはサウンドデバイスを駆動させるための基本プログラム(サウンドライブラリ)と、その機能を使い曲の再生/デコードを行うプログラムが最低限必要です。前者についていえば、Linux OSには「ALSA(Advanced Linux Sound Architecture)」というサウンドライブラリがあり、20年近い開発歴のなかで高い安定性を獲得しています。後者についても、多くのオープンソースソフトウェアがありますから、残るは「品質」の問題ともいえそうです。
品質についても、過剰な心配は無用です。身の回りのAV機器をチェックしてください。薄型テレビ、ビデオレコーダ、ネットワークプレイヤーなど…スマートフォンのハイレゾ再生ソフトでもかまいません。設定画面かどこかにひっそりと情報欄があり、そのAV機器が対応していればの話ですが、FLACやOgg Vorbisといった(オープンソースの)コーデックを使用している旨の記載があるはずです。LinuxやBSDなどカーネルは異なるにしても、ファイル再生/デコードを行うオープンソースソフトウェアは共通で、すでに市販製品で盛んに活用されています。
言い換えれば、Linuxやその上で動作するオープンソースソフトウェアの活用はAV機器においてもはや日常風景、Raspberry Piなどワンボードコンピュータではそれが起動ディスク(microSDカード)という目につきやすいところ/ユーザの手の届く部分にあるに過ぎません。
さて、もう少し具体的な話に入りましょう。コンソーシアムで何を決めるかですが、一つは「どのLinux OS(ディストリビューション)で動くか」という動作保証についてです。
具体的な内容について言及する前に、ここでいう「Linux」について整理しておきましょう。狭義のLinuxはカーネル(プロセスやメモリ領域の管理などを行うOSの中核に位置するプログラム)ですが、実際にはハードウェアを制御する「(デバイス)ドライバ」、汎用的な機能を集めて不特定のプログラムから再利用可能にした「ライブラリ」など、多くのプログラムが寄せ集められて「オペレーションシステム(OS)」が構成されます。
Raspberry Piなど、ワンボードコンピュータでLinuxを使用するという時には、そのようなOSとしての体裁が整った状態を言います。つまり、「カーネル+ドライバ+ライブラリ+α」が現実的な姿のLinuxであり、それを強調するために「Linux OS」や「Linuxディストリビューション」といった表現を用います。
オーディオ用途として見た場合、Linux OSにはサウンドデバイスを駆動させるための基本プログラム(サウンドライブラリ)と、その機能を使い曲の再生/デコードを行うプログラムが最低限必要です。前者についていえば、Linux OSには「ALSA(Advanced Linux Sound Architecture)」というサウンドライブラリがあり、20年近い開発歴のなかで高い安定性を獲得しています。後者についても、多くのオープンソースソフトウェアがありますから、残るは「品質」の問題ともいえそうです。
品質についても、過剰な心配は無用です。身の回りのAV機器をチェックしてください。薄型テレビ、ビデオレコーダ、ネットワークプレイヤーなど…スマートフォンのハイレゾ再生ソフトでもかまいません。設定画面かどこかにひっそりと情報欄があり、そのAV機器が対応していればの話ですが、FLACやOgg Vorbisといった(オープンソースの)コーデックを使用している旨の記載があるはずです。LinuxやBSDなどカーネルは異なるにしても、ファイル再生/デコードを行うオープンソースソフトウェアは共通で、すでに市販製品で盛んに活用されています。
言い換えれば、Linuxやその上で動作するオープンソースソフトウェアの活用はAV機器においてもはや日常風景、Raspberry Piなどワンボードコンピュータではそれが起動ディスク(microSDカード)という目につきやすいところ/ユーザの手の届く部分にあるに過ぎません。
さて、もう少し具体的な話に入りましょう。コンソーシアムで何を決めるかですが、一つは「どのLinux OS(ディストリビューション)で動くか」という動作保証についてです。
次ページコンソーシアムで定義する基本的なソフトウェア要件とは