<山本敦のAV進化論 第165回>
Amazon「Echo Spot」速攻レビュー! 「画面」が付くとスマートスピーカー体験はこう変わる
「スキル」を追加するとスマート家電が操作できるようになったり、様々なウェブサービスを音声で呼び出して使えるところも他のEchoシリーズと同様だ。Bluetoothトラッカー「TrackR」スキルを入れ、iPhoneが見つからなかった時にアラームを鳴らし、位置を知らせる機能を試してみた。
Echo Spotの画面にはコマンドを受け付けて、操作を実行したことを知らせる結果がシンプルにテキストだけで表示される。地図表示と連携してスマホの位置を知らせる機能など、今後 “スクリーン付スマートスピーカー” であることを活かしたユーザー体験が得られるとさらに嬉しい。
ほかのスキルでは、ホットペッパーグルメが画像付きの店舗検索から予約電話番号の表示などを、より便利に行えるようになった。Nature Remoの操作はEcho Dotと同じで、「テレビを点けて」「エアコンを消して」などのコマンドに対して、声だけで「はい」と返してきて、スクリーンになにも変化が起きないのが残念。もう少し色気のある返事が欲しい。
Amazonでのショッピングは、従来のEchoシリーズから行えた。これまでは音声だけを頼りに買い物を行わねばならず、商品画像や値段を目で見られないため、筆者としてはアンタッチャブルな領域だったのだが、Echo Spotでは「フリスクを買いたい」と話しかけると「Amazonチョイスのおすすめ」から、フリスクの商品リストが画面に表示される。
最初の3件を音声で読み上げて、以下リストの続きを画面で表示。スワイプしながら目当てのものを選択して購入できるようになった。買い物機能も、画面があれば安心して使えそうだ。
このショッピングや動画表示など、画面が搭載されたことで明らかに進化したことを、購入後すぐに実感できた。ビデオ通話が解禁されれば、英会話サービスやホームセキュリティなど、Echo Spotとスキルを活用したサードパーティービジネスが色々生まれそうだ。家電製品のスキルは「動画解説」を付けて配信したりなど、役立つサービスが考えられそうだ。
Echo Spotそのものについても、例えば音楽再生中のライブ壁紙表示など、すぐにでもできそうな、便利で楽しい機能アップデートが思いつく。「画面付きの音声アシスタント搭載スマートスピーカー」という新ジャンルの製品だけに、まだ未完成な部分も、むしろ今後、未知のサービスやビジネスが生まれるブルーオーシャンのように見えてくる。
ライバルのGoogleやLINEがこれから発売を予定しているスクリーン付スマートスピーカーと競い合いながら、ぜひ盛り上がってほしい。
(山本 敦)