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オーディオアクセサリー銘機賞グランプリ

造りの入念さが高評価、ティグロン「TPL-2000R/X」の魅力を6名の銘機賞審査員が語る

公開日 2021/02/08 06:45 井上千岳/生形三郎/鈴木 裕/炭山アキラ/林 正儀/福田雅光
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■著しく冴えた静寂感に満ち有機的な活力も漲っている(生形)

「TPL-2000R/X」は、ティグロンの新たなトップエンドとなるTPL-2000シリーズに加わった、待望のインターコネクトケーブルである。「オーディオアクセサリー銘機賞2020」にシリーズ第一弾となる電源ケーブルTPL-2000Aがグランプリを受賞したことも記憶に新しいが、今回のインターコネクトも、それに並ぶ魅力的な個性と高い性能を持ったケーブルに仕上がっている。

構成としては、同じディップフォーミングOFC導体を基本とし、特許取得のオリジナルフィルターや特殊絶縁体の採用、そして、独自のバーンイン技術であるHSE処理が施されていることが特徴だ。音質検討を経て辿り着いたというシンプルなコネクターは、軽量かつサイズも標準的で取り回しが良い上、機器コネクター部に負担が掛からないことも嬉しい。帯電防止処理を施した外装ジャケットは、ホワイト色で爽やかな仕上がりだ。

そのサウンドは、著しく冴えた静寂感に満ちたもの。全体的に、端正に引き締められた、緩みや滲みのないクリアな描写が堪能できるが、そこには有機的な活力も漲っている。まさに、設計者の人柄や気概を感じさせてくれる魅力溢れるケーブルだ。

■透明度が高く大変抜けがいい厚く存在感のある再現力が魅力(福田)

ティグロンの最高級ラインケーブル。アドバンストマグネシウムフィルター、特殊絶縁体スーパークリアアイソレーターを採用、ディップ・フォーミングOFC導体を特徴にするケーブル。RCAケーブルは、高S/Nで透明度が高く、大変抜けのいい特色がある。高域特性に優れた性能が帯域全体の表現力を高めている。レスポンスはスピード感があり、低音、中低音も締まりを効かせ分解力が高い。この性能であれば総評として90点に思う。

XLRケーブルはノイトリックのカスタマイズ金メッキを装着しているが、性能はRCAタイプと同じとはいえない。高域特性は多少ぬるくなるが、中低域は厚手な響きあり、低音の力をしっかり構成。適度な弾力と締まりを効かせる。抜けのよさはこのタイプも良好に備えている。低音弦楽器の解像力はRCAの方がしっかりする。総合的には厚く存在感のある立体感、良好なフォーカス力などを備え、総評としては優秀である。

■驚異的なS/Nと音場のダイナミズムグランプリにふさわしい究極の完成度(林)

ティグロンケーブルの最高峰、プレミアムライン2000シリーズに加わったインターコネクトケーブルだ。RとXは2芯シールドのRCA、3芯シールドのXLRという違いで、世界的に評価の高い電源ケーブルTPL-2000Aのノウハウが注入され、いずれもアドバンスド・マグネシウム・フィルターを両端に搭載したのが際立つ特徴だ。見た目にもインパクトがある。徹底した電磁波吸収対策や迷走電対策。さらに縦振動をも抑える振動対策が施され、単線のようなハイスピードなサウンドを撚り線で実現している。

XLR端子はノイトリックのハイエンドシリーズで、中空センターピンを採用したRCA端子はオーストラリアKLEのカッパーハーモニーというプラグへのこだわりも注目したい。お馴染みのDF-OFC導体。そしてHSE活性処理らしいオープンで緻密、かつストレスのないサウンドが得られる。驚異的なS/Nと音場のダイナミズム。そしてみずみずしさを獲得し、極めて完成度の高い仕上がり。“グランプリ”受賞にふさわしいケーブルだ。

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