LUMIX史上初となるW像面位相差AFW搭載!
中堅機らしい品格を備えた実力機、パナソニック「S5II」レビュー
■JPEG撮って出しでも十分に見栄えのする画質
ボディ内手ブレ補正機能はなかなか強力。そのため、レンズ内手ブレ補正のないキットレンズ「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」との組み合わせでも安心。レンズ内手ブレ補正搭載レンズでは協調補正により、さらに高い効果が得られる。また、動画撮影時のAF追従と手ブレ補正時の自然さも特筆すべきレベルといえる。
画質はやや記憶色寄りの画作りで、JPEG撮って出しでも十分に見栄えのするもの。2400万画素クラスの中ではトップレベルだろう。「L.モノクローム」やシネマ系などのフォトスタイルも完成度が高い。
予めカメラに読み込ませたLUTデータをフォトスタイルのように撮影画像に適用できる新機能「リアルタイムLUT」は、JPEG撮影オンリーの方や動画撮影を中心に使う方にとっては、とても重宝な機能だ。ただLUTデータの作成に社外製ソフトが必要なので、やや敷居が高い点も否めない。筆者は静止画中心なので、現時点では、RAWで撮影したデータを撮影後に補正した方が、より自分の意図を反映できるように感じた。
蛇足となるが、S5IIの販売がスタートした今後もS5は併売されるとのこと。個人的には、高速連写などを必要としない被写体中心の撮影であれば、実売価格がS5IIより手頃で十分な性能を備えたS5をあえて選ぶという選択肢もありだと感じた。とはいえ、フルサイズLUMIXの第2世代モデルとなるS5IIは、S5を大きく上回る進化を遂げており、静止画・動画、操作性・AF・画質など、あらゆる面で中堅機らしい高い基本性能を備えた実力派に仕上がっている。この性能を、他社のフルサイズエントリー機と同等の価格帯で実現した点は、他に変え難い大きな魅力だろう。
また本機は「Lマウント」採用のボディとして、「Lマウントアライアンス」のメンバーであるシグマやライカのレンズを使用できる点も見逃せない魅力だ。純正だけでなく、サードパーティー製の個性豊かなレンズも組み合わせることができ、システムとしても極めて充実した、コストパフォーマンスの高い注目のモデルといえるだろう。