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レーベル4社を直撃

<BUCK-TICK歴代アルバム全ハイレゾ化記念>製作陣が語る、B-T名曲ハイレゾ版の聴き所とは?

公開日 2015/07/29 17:00 記事構成/編集部:杉浦 みな子
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【B-Tアルバム全作品ハイレゾ化記念インタビュー:3】
▼BMGファンハウス/BMG JAPAN/Ariora Japan時代作品
(2000〜2010年)



ONE LIFE,ONE DEATH
極東 I LOVE YOU
Mona Lisa OVERDRIVE
十三階は月光
天使のリボルバー
memento mori
RAZZLE DAZZLE

 
<インタビュー>
ソニー・ミュージックコミュニケーションズ
石橋香氏


−− 続いて、ソニーミュージック系列レーベル時代作品のハイレゾ化を手掛けられた、石橋香さんにお話を伺っていきたいと思います。「BUCK-TICKアルバム全作品ハイレゾ化」のお話しが来たとき、どう感じましたか?

石橋氏: 自分でもハイレゾ化して聴いてみたい楽曲が沢山あったので、こんなに早いタイミングで全作品をハイレゾ化できたことを嬉しく感じました。

石橋さんが所属するソニーミュージックスタジオの様子

−− 本当に、全作品同時というのはすごいですよね。ちなみに、石橋さんがエンジニア目線で思うハイレゾの魅力って何でしょう?

石橋氏: ハイレゾ音源は、音の情報量が多いため、ボーカルやプレイヤーの動きなど細かい部分まで聴き取れたり、音に奥行き感があるので空間を感じることができるのが魅力だと思います。

−− 確かに、「空間」を感じられるというのはハイレゾの魅力ですよね。ちなみに石橋さんが今回担当されたタイトルは、ミクスチャー的要素を進めたヘヴィな『ONE LIFE,ONE DEATH』に始まり、多彩なスタイルの楽曲がありつつスタンダードな聴きやすさを持つ『Mona Lisa OVERDRIVE』、またこの時期の“集大成的作品”とされる『memento mori』もあり、濃い作品群だと思います。今回のハイレゾ化にあたって、それぞれコンセプトなどはありましたか?

2000年9月20日発売の11thアルバム『ONE LIFE,ONE DEATH』。ヘヴィなサウンドと奇妙な近未来感が混在した“浸れる”1枚

2003年2月13日発売の13thアルバム『Mona Lisa OVERDRIVE』。7曲目『Sid Vicious ON THE BEACH』で遠藤ミチロウ氏を知って青春が若干こじれたのは良い思い出

石橋氏: 今回は、CDオリジナル盤の聴きなれたイメージに近づけつつ、ハイレゾ感のある「立体的な音作り」をしました。オリジナルマスターはハーフインチのアナログテープや96kHz/24bitのデジタルデータで、それらをDAWに取り込む際にアナログ機器で音を調整しています。その後、必要があればDAW上でもプラグイン等で微調整しました。

−− 石橋さんが狙った音は、ハイレゾならではの「立体的な音作り」ということですね。ちなみに、ハイレゾ化ならではの苦労した点などはあるのでしょうか?

石橋氏: そうですね、「音圧感を含めた、オリジナルの楽曲のイメージ」を踏まえたうえでハイレゾ化をしたところが苦労しましたね。

2009年2月18日発売の16thアルバム『memento mori』。この時期の“集大成的作品”とされる、サービス精神あふれる1枚。タイトル曲「Memento mori」はまさかの沖縄民謡をフィーチャーした名曲

2010年10月13日発売の17thアルバム『RAZZLE DAZZLE』。ポップでハジけている。宇野亜喜良氏のアートワークも話題になった。

−− オリジナル楽曲のイメージはそのままに、さらにハイレゾならではの魅力を出しているということですね。では最後に、石橋さんが手掛けられた楽曲群について、ハイレゾ化による聴きどころをずばり教えてください。

石橋氏: ボーカルの細かなニュアンス、生き生きとしたバンドのリアル感が聴きどころですね。オーディオ的には、音の立ち上がりやリバーブの伸びを聴いていただければと思います。あわせて、音場の立体感も楽しんでいただければ嬉しいです。

次ページラストは最新の2アルバム:夢見る宇宙、或いはアナーキーについて。各ハイレゾ版の聴き所とは?

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