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独自開発の音孔構造を引き続き採用

エレコムのハイレゾ対応イヤホン第二弾「EHP-CH3000」レビュー。こだわりデザインに正統派サウンド

公開日 2015/06/04 10:57 高橋 敦
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見た目に反した正統派サウンド

さてそれで肝心の音なのだが、EHP-CH2000の印象から極端な変節はない。「低重心だが低域過多ではなく、高域も派手にせずしっとりとした落ち着きのある音調」という方向性を、この見た目にして、しっかり推し進めている。

相対性理論「たまたまニュータウン(2DK SESSION)」冒頭のバスドラムの柔軟性を備えてどしんとした重量感はこの曲の雰囲気にも合っており、この曲を聴き込んでいる方にも納得できるであろう感触だ。ベースも同じく柔軟性と量感を豊かに備える。

ハイハットシンバルなど高域は、低域の充実と相対的に見ると存在感が少し弱くはなるが、しかしこちらの感触も柔軟で良好。粒子感や質感の柔らかなきめ細かさは特筆にも値する。例えばこの曲のやくしまるさんや「こきゅうとす」での花澤香菜さんの声は、ふわっと柔らかくほぐれながらも息遣いのシャープな成分も生かしてあり、実に見事だ。

花澤香菜『こきゅうとす』

他の楽器の音色も、例えば特にエレクトリックギターのクリーントーンの滑らかな艶は素晴らしい。TM NETWORK「Beyond The Time」やTECHNOBOYS P.G.「SHaVaDaVa in AMAZING♪(OUT OF LOGIC)」等でそれを聴くことができる。

TECHNOBOYS P.G.「SHaVaDaVa in AMAZING♪(OUT OF LOGIC)」はベースのかっこよさも際立つ曲なのだが、その重量感はここでも改めて心地よい。重みはあるのだがもったりとはしないので、曲の躍動感を落とすこともない。

TM NETWORK「Beyond The Time」では空間とそこに広がる粒子も豊かに感じられ、宇宙の情景を自然と思い浮かべられる。

空間性や豊かな粒子感というところでは、Hoff Ensemble「Dronning Fjellrose」の再生も見事だった。教会でのオフマイク録音でその場の響きをたっぷり生かしてある作品だが、その雰囲気も柔らかく濃く再現される。

HOFF ENSEMBLE『Quiet Winter Night』(「Dronning Fjellrose」収録)

ということでこのイヤホン、僕の期待通りに「見た目に反しての高品位サウンド」だった。見た目は個性派がいいけど、音は落ち着いた正統派がいいという方にぴったりだ。

見た目に反しての高品位サウンドだった「EHP-CH3000/CH3000S」

また見た目にはこだわるけれど音は特に強い好みがあるわけではないという方に向けて「だったらこれが『いい音』ですよ」と正統派のサウンドを推してくる姿勢にも好感を持てる。

ルックスには少し驚かされたがその音で安心納得。外面の個性は主張するが内面の節度に変わりはない好イヤホンだ。

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