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オーディオワンショット<第10回>

藤岡誠がいま注目するアナログ関連製品 - 最新「アナデジプレーヤー」やFLUX HIFIの洗浄機など

公開日 2016/03/24 10:25 藤岡誠
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藤岡誠が自身の推薦するオーディオ機器、関連アクセサリー、あるいはコンポーネントの組合せ、またある時は新技術や様々な話題など、毎回自由なテーマで進めていく本連載。今回はいま注目のアナログ関連製品を紹介する。


はじめに

6回の連載を続けた「MCカートリッジ出力のバランス伝送・昇圧(増幅)方式へお誘い」(連載記事一覧)は昨年中に終了。特にMCカートリッジを長く愛用されてきた方々は、アナログレコードの高音質再生の“追体験”と認識されているようだ。当初から想定していた通りだが、チャレンジされている人たちの多くはCDが登場する以前からアナログレコードに深く接し、関わってきたアナログ世代の高年齢層が中心である。

その方々は、その後に続々と開発・発売され、容易に購入できるようになってきた専用のフォノケーブルや昇圧トランス、さらには対応したフォノEQ、プリアンプなどを購入。アナログレコード再生ならではの、ディープで楽しい音の世界を改めて堪能しているという。

そこで今年はじめての「藤岡誠のオーディオワンショット」は、その続編というわけではないが、アナログレコード再生関連のユニークな2製品を紹介することにした。一つは愛用カートリッジの針先の清掃を担うFLUX HIFI社のスタイラスクリーナー「SONIC」。もう一つはティアックの新型アナログレコードプレーヤ「TN-570」である。

アナログマニアに嬉しいスタイラスクリーナー。FLUX HIFI「SONIC」

FLUX HIFI(フラックスハイファイ)社、といってもこのブランドを知る人はほとんどいない。何故なら同社は昨年2015年4月にドイツで設立されたばかりだし、ここで紹介するスタイラスクリーナーの「SONIC」¥25,000(税別)が商品の第1弾だから当然だ。

「SONIC」¥25,000

写真からもおわかりだろうが、流麗かつ有機的にデザインされたSONICの使用方法は簡単だ。本体に組み込まれたφ9mmほどの黒色ブラシパッド(約10,000本のポリエチレンの集合体)上に付属の洗浄液を1〜2滴垂らしてからスイッチON。するとLEDで自動照射されたパッドが縦、横、斜めに超音波的微振動を発生。そのパッド上にカートリッジの針先を乗せればいい。微振動と洗浄液の相乗効果で、従来からのブラシで擦る方法とは比較にならない見事さで針先全体がクリーニングされる。クリーニングの時間は、針先の汚れ具合にもよるが10秒程度で十分だ。

SONICの使用イメージ

レコード再生直後のスタイラスの様子(左)とSONICでのクリーニング後の様子(右)

こうした微振動型のスタイラスクリーナーは、1970年代にデノンなど数社から発売されていたが現在はすべて姿を消している。本機の登場は、アナログレコード再生派の人たちには聴こえの精度を高めることはもちろん、「MCカートリッジ出力のバランス伝送・昇圧(増幅)方式」を実行されている方々にとっても嬉しい発売ということになる。なお、この種の微振動型は、新品のカートリッジのエージング効果はもとより、長期間使っていなかったカートリッジの振動系全体の活性化にも効果があるだろう。

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