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ストリーミング再生にも対応。高品位ヘッドホン出力も

デノン「DNP-800NE」レビュー。上位機譲りの音質と快適な操作性を備えたネットワークプレーヤー入門機

公開日 2018/08/28 06:00 生形三郎
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エネルギッシュで全帯域にわたって高いスピード感があるサウンド

試聴は、ファイル音源のネットワーク再生をメインに行った。NASにはミュージックサーバー「fidata HFAS1-XS20」を使用。プリメインアンプには同じ800NEシリーズの「PMA-800NE」を、リファレンススピーカーとしてB&W「803D3」、そしてダリ「DALI Menuet」を組み合わせた。

試聴の様子

まずfidataからのファイル音源の再生音質だが、根本的に、先に試した「DCD-800NE」(DCD-800NEはUSBメモリー経由で再生)と同じ傾向を持っていると言える。つまり、エネルギッシュで、全帯域にわたって均質な高いスピード感に満ちたバランスの良い音質を楽しませるのである。

しかしながら、両者の表現は微妙に異なっている。やはりファイル再生におけるディティールの詳細さや明瞭さは、本機の方が一歩上手であると言える。ここはディスク読み取り機構を持たない分だけ、再生部分へ注力できるから、という部分も大きいのだろうか。

特にDNP-800NEでは、奥行きや空間表現の克明な描写に、一層の清々しさがある。また、音色的な部分でも若干だけ華やかなキャラクターを感じさせた。低域方向の量感や沈み込みがわずかに豊かで、高域方向もほんのりとプレゼンスを持つ。逆に、全体的なサウンドの力強さや押し出し感などはDCD-800NEの方が、わずかクリアネスを高く聞かせるようだ。

DNP-800NE

これらはDCD-800NEでのファイル再生と比較して感じた印象であり、DNP-800NEは、特にハイレゾ音源での繊細な空間表現を重視しつつ、若干メリハリのある音色を楽しみたい方に好適と言えるだろう。いずれにせよ、上位機で培ったノウハウを活かし、上位NEシリーズのクオリティとサウンド傾向をしっかりと継承したサウンドであることに違いはない。

快適な操作性を実現するHEOSアプリ

次に、Spotifyのストリーミング再生をテストしてみる。HEOSアプリのソース選択画面からSpotifyを選ぶと「Spotify Connect」が起動、Spotifyのアプリからすぐにストリーミング音源を再生できる。

Spotify Connect機能を用いてSpotifyのストリーミング音源を再生

音質はというと、そもそもが圧縮音源であるため、クオリティ的には非圧縮音源に譲るものの、ほどよく解れた音質で再生され、リラックスして音楽を楽しめる。Spotifyのプレミアムアカウントのユーザーにとっては、実に便利で重宝する機能と言えるだろう。

一連の試聴はHEOSアプリを用いて行ったが、本アプリの操作性も良好である。ブラックを基調としたコントラストの高い表示画面を持ち、視認性もよい。ボリュームも含め、様々な音楽ソースを一局集中操作できることが扱いやすい。本体の反応含め、非常にキビキビとした操作&再生レスポンスを得ることが出来た。本体ディスプレイに表示される曲名情報も、日本語表示に対応した大きく滑らかなフォントが採用され、読みやすい。

HEOSアプリのソース選択画面。様々なソースをシームレスに再生できる

HEOSアプリからネットワーク再生を操作しているところ


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