情報量の多さもありつつ、落ち着きある音質
エソテリック独自伝送「ES-LINK Analog」を実現する追加ボードを、プリメイン「F-03A」で試す
ES-LINK Analogでの試聴
■空間の密度が上がり磐石の安定感。演奏のニュアンスが色濃く出てくる
テストはエソテリックの試聴室で行った。まず通常のバランス伝送で聴いた後、ES-LINK Analog伝送で聴いた。よく試聴で用いているエリック・クラプトンの『アンプラグド』では、空間の見え方が特徴的だ。ライブをやっている空間の密度が上がり、濃密な中にミュージシャンたちが定位する。“磐石の安定感”と言ったらいいだろうか。感覚的に言うと空間がしっとりして、前後左右だけでなく、上下方向の面の精度が上がってくる。また、試聴室の空気に対して、音が馴染んでいるような感じもあり、音の風情がよりナチュラルになっている。
192kHz/24bitのハイレゾ音源でチャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルトを聴いても、情報量は極めて多いのだが、その見せ方がこれ見よがしではなく、落ち着いた佇まいを持っている。テンポが上がる推進力や、落ち着くところのたゆたう感じの聴かせ方が素晴らしい。さらにニュアンスも色濃く出てくる。これこそインピーダンスが変化しないということなのだと思った。
■試聴で分かった「ES-LINK Analog」の魅力
たとえばRCAという端子は、テレビのために生み出された規格がそのままオーディオにも使われている。バランス伝送にしても長い間使われてきた規格だが、それをエソテリック的に見直したとも言える。一般的なXLRケーブルを使えるのも魅力で、とりあえず試してみると、その音の魅力に元に戻せなくなるかもしれない。ぜひ、体験していただきたい伝送方式であり、その意味では画期的なオプションボードだと感じた。
(鈴木 裕)
本記事は季刊・オーディオアクセサリー169号SUMMERからの転載です。本誌の詳細および購入はこちらから。
■空間の密度が上がり磐石の安定感。演奏のニュアンスが色濃く出てくる
テストはエソテリックの試聴室で行った。まず通常のバランス伝送で聴いた後、ES-LINK Analog伝送で聴いた。よく試聴で用いているエリック・クラプトンの『アンプラグド』では、空間の見え方が特徴的だ。ライブをやっている空間の密度が上がり、濃密な中にミュージシャンたちが定位する。“磐石の安定感”と言ったらいいだろうか。感覚的に言うと空間がしっとりして、前後左右だけでなく、上下方向の面の精度が上がってくる。また、試聴室の空気に対して、音が馴染んでいるような感じもあり、音の風情がよりナチュラルになっている。
192kHz/24bitのハイレゾ音源でチャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルトを聴いても、情報量は極めて多いのだが、その見せ方がこれ見よがしではなく、落ち着いた佇まいを持っている。テンポが上がる推進力や、落ち着くところのたゆたう感じの聴かせ方が素晴らしい。さらにニュアンスも色濃く出てくる。これこそインピーダンスが変化しないということなのだと思った。
■試聴で分かった「ES-LINK Analog」の魅力
たとえばRCAという端子は、テレビのために生み出された規格がそのままオーディオにも使われている。バランス伝送にしても長い間使われてきた規格だが、それをエソテリック的に見直したとも言える。一般的なXLRケーブルを使えるのも魅力で、とりあえず試してみると、その音の魅力に元に戻せなくなるかもしれない。ぜひ、体験していただきたい伝送方式であり、その意味では画期的なオプションボードだと感じた。
(鈴木 裕)
本記事は季刊・オーディオアクセサリー169号SUMMERからの転載です。本誌の詳細および購入はこちらから。