PR利便性も追求した本格派の一台
独自の“空間オーディオ”にANC強化で魅力アップ!SHUREのワイヤレスヘッドホン「AONIC 50 第2世代」レビュー
そして、新機軸の効果が「MaxAware」だ。これは外部の音を完全に遮断するのではなく、周囲の状況や会話を把握する目的のもの。つまり機能としては外音取り込みモードに近いが、MaxAwareでは特に低域の騒音などを抑えつつ、声などはクリアに取り込むよう設定されている。
外音取り込みモードのレベルは、ShurePlus Playアプリから10段階で設定可能。このレベル設定を最大値にしてMaxAwareと比較すると、周囲の音の取り込み具合は、MaxAwareのほうがややクリアに聞こえるというところに違いがあるようだ。
特に通話などコミュニケーション時も想定して作られた機能ということで、実際に騒音下で通話テストをすると、周囲の音を聞き取りつつも、通話相手にはマイクの自動ゲイン調整(オートゲインコントロール)によって、環境に左右されず、確実に声が届けられていることが確認できた。
AONIC 50 第2世代の音質をチェック。3種類の空間オーディオモードも試してみた
AONIC 50 第2世代は、音質面でもパワーアップが図られている。φ50mmダイナミックドライバーユニットの搭載など、音響パーツは初代と共通しているが、Snapdragon Sound対応となり、aptX Adaptveへの新対応を果たし、LDACとの両対応というハイスペックを実現している。
さらに音質向上のポイントとして、開発担当のThomas Banks氏は、アンプの変更およびユニットのバランス駆動化などの変更点を明かしてくれた。
「第2世代の設計では、第1世代に比べて、ヘッドホンアンプとマイクロホンの回路ノイズレベルを低減させました。これは、特にANCが作動している間、24ビット以上の解像度で正確なオーディオ再生ができることが重要です」
「また、第1世代ではABクラスのアンバランスアンプを搭載していましたが、第2世代ではスピーカーはABクラスのバランスアンプで駆動されています。これにより、より優れたステレオ分離、低歪みを実現し、さらに電力効率も改善されました」(Thomas Banks氏)
AONIC 50 第2世代を試聴してみると、一聴して、スタジオ品質を届けるSHURE直系のサウンドであるということがわかる。
Androidスマートフォンと組み合わせてLDACで再生してみると、J-POPの楽曲では、伸びやかで高域までキレよく、歪みのない再現だ。ジャズを聴いてみても、誇張感のないピュアなサウンドが耳に届いてくる。なお、iPhoneとの組み合わせによる再生においても、とてもクリアで、同傾向のサウンドになることが確認済みできた。
なお、ShurePlus Playアプリにはイコライザー機能が備わり、プリセット設定はもちろん、マニュアル調整が可能なハードウェアEQにも対応する。ハードウェアEQでは、ローシェルフ、ハイシェルフを2バンド、パラメトリックを2バンドの合計4バンドで設定できるため、気になる周波数帯域の細かなケアも可能だ。
そして、AONIC 50 第2世代の目玉、「空間オーディオモード」を体験してみた。まず、「音楽」を選択して、音楽再生で試してみる。
音楽モードによるリスニングで得られるのは、空間を音楽で満たすようなボリューム感、そして正面からサイドあたりまで拡張された確かな定位だ。残響を付けるような旧来の空間オーディオ処理とはまったく異なる、正しく制作された空間オーディオの音源の再現にも似た効果である。
続いて「シネマ」の設定でNetflixの動画を視聴すると、リアルな移動感や、ホームシアター風の空間の周囲を取り巻くような定位が感じられ、重低音も再現される。映画コンテンツと「シネマ」モードとの相性は良好だ。
ユニークな空間オーディオモードが「ポッドキャスト」で、選択すると、声が直接届く前に空間で鳴るような効果が得られる。これはいわゆるトーク系コンテンツに向けたものなので、ポッドキャストのほか、YouTubeとも相性は良さそうだ。
新たに搭載された空間オーディオモード、ANC機能の強化とMaxAware、そして音質面でも強化されたAONIC 50 第2世代は、SHUREらしさ溢れるワイヤレスヘッドホンといえる。本格的な性能を求めるポータブルオーディオファンにとって、魅力的な選択肢となることだろう。
(協力:Shure Japan)