PR新ミドルクラス完全ワイヤレスイヤホンの実力は?
手の届きやすい価格で迫力満点サウンド!AVIOT「TE-W1」「TE-W1-PNK(ピヤホン8)」を徹底レビュー
■ハイエンド機に迫る装着感。完全ワイヤレスに欲しい各種スペックも網羅
装着感も従来モデルと変わらず良好。耳にカシッとハマって装着を安定させてくれる「ダックテール」形状は、既存ハイエンド機では積層造形で実現されていたが、本機では量産性に優れる「金型成型」でそれを再現。S-short/S-tall/M-short/M-tall/L-short/L-tallの合計6サイズが付属する医療用シリコン製イヤーピースと合わせて、ハイエンドに迫る装着感が実現されている。
外観デザインの面では、イヤホン本体と充電ケースともに仕上げ質感の変更がポイント。マット感を押し出したTE-Z1PNKと輝きを押し出したTE-ZX1の中間的な、さらっとした艶感に仕上げられているのが特長だ。
連続再生時間はなんとイヤホン単体で最大16時間、ケース併用で50時間と明快に強力で、ワイヤレス充電にも対応する。ほか、AI技術での通話品質向上やマルチポイント対応、IPX4相当の防水性能、装着検知センサーでの誤動作防止、スペーシアルオーディオ対応、専用アプリとの連携など、スペックや機能の不足はハイエンド機と比較しても感じない。
■「TE-W1」音質レビュー:しっかり響かせるDEEPなローエンド。中高域や空間の表現もハイレベル
それでは、TE-W1のサウンドの印象を。本機の音響設計ULTRA DEEP BASSは、「沈み込むような迫力ある重低音と中高音域の高い再現性の両立」が狙いというが、実際の印象もまさにそれ。本機は30〜60Hzあたりの、まさにDEEPなローエンドをしっかり響かせてくれる。そしてその帯域の超低音は中高域とはあまり干渉しないので、中高域の存在感や明瞭度も損なわれることなく発揮されるわけだ。
星街すいせいさん「ビビデバ」は、斬新なMVと共にベースのかっこよさも話題な楽曲。TE-W1はそのベースのボリュームの出し方がエグい! 音像が崩れてしまう寸前まで思い切って音像を膨らませながら、音の張りや弾みもキープ。前述のDEEPな低音チューニングの意図、威力を特に感じられる部分だ。
Robert Glasper Experiment「Human」とホセ・ジェイムズ「Bag Lady」では、それぞれの曲のベースラインで最も低い音程である5弦開放、あるいは1フレットの響きを、これまた思い切り増し増しで表現。その響きでリズムのタメと沈みが強調される本機のサウンドに、ヘヴィグルーヴ好きの方は特にハマるかもしれない。
もちろん中高域や空間の表現もハイレベル。ボーカル周りでは声の湿度感の出し方が特に巧い。男女問わずいわゆる「しっとり」した声や曲のボーカルとの相性のよさが光る。
空間表現といえば、本機に搭載されている「3Dスペーシアルオーディオ」の効果も見逃せない。ワイヤレスイヤホンにおけるスペーシアル処理の傾向を大きく分けるとすると、以下の通りとなる。
1)バーチャル感のある派手な空間表現を作り出すタイプ
2)音源本来の空間表現を自然に補強するタイプ
本機のスペーシアル効果は、完全に後者「自然な補強」タイプ。音源を素直に鳴らすだけでは表現が不足しがちな要素、中高域リバーブ成分の広がりや音の前後配置を適度に拡張して再生してくれる。
『葬送のフリーレン』のサントラ曲「Zoltraak」ではその効果が特に分かりやすく、前述の要素に加えて、低音打楽器の深い響きの補強も印象的だった。という効果は明瞭に感じられつつ、過度な強調感やそれによる楽曲との相性の良し悪しの出やすさがないのもポイント。好みにフィットしたなら常時オンでの使用もありだろう。
最後に、ジュリアン・ラージさんのアコースティック楽曲「Double Southpaw」。こちらの楽曲では、ミュージシャンの気配の描き出しに感心させられた。指先とギターの弦の摩擦、演奏者の呼吸と衣擦れなどが耳元に届けられるその生々しさ。イヤホンならではの「最前列超え」のリスニング体験も堪能させてくれる。
なお、試聴は主にLDACコーデック接続で行ったが、AACコーデック接続時の試聴でも極端に印象が変わることはなかった。iPhone/AAC接続ユーザーも本機のサウンドを十分に楽しめることだろう。
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